リモートユーザーテストで気を付けること
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リモートユーザーテストで気を付けること

AQUARINGでディレクターをしている渡辺です。僕は主にサイト制作におけるUXリサーチやそれを基にした情報設計なんかをやっています。

今回はAppのモックアップ画面を用いて、海外の被験者にリモートでユーザビリティテストを実施した事例を、一連の流れを説明しつつ、テスト時の注意点も合わせて紹介したいと思います。

あるべきUI/UXはユーザビリティテストから

きっかけはグローバルに事業展開されているクライアント様から、PoCのためのアプリUIを開発してほしいという依頼でした。

アクアリングがプロジェクトに参加した時には、すでにクライアント様で制作されたサンプルの画面デザインがある状態。また、サービス展開するのは日本ではなく、海外の新興国だったため、何を根拠にUI/UXを詰めていくかがポイントでした。

そこで、現地の被験者に対して行うユーザビリティテストから得られたフィードバック内容をもとに、あるべきUI/UXを組み立てようと計画・提案しました。

UI/UX確定までの大まかなプロセスは以下の通りです。

1. ネットで現地のことを調べる

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分類すると、調べた内容は次の3つです。

UIデザインの傾向:その地域でアクティブユーザーの多いアプリや、類似サービスのアプリから、UIやカラーの傾向。文化的に日本とは異なる色の意味合いなど。

インターネット環境:その地域の回線速度やモバイル端末のベンダーやOS、画面解像度のシェアなど。

現地の生活イメージ:世界銀行のレポートから現地のソーシャルクラス、さまざまなブログや記事から、ターゲット層がどんな仕事に就いて生計を立てているかなど。

2. テスト用モックアップの制作

既存のサンプルデザインをベースに、ユーザビリティテストで使用するモックアップを制作。今回は、Adobe XDでアニメーションをつけて、疑似的にアプリを操作している感覚を被験者に与えています。

注意ポイント:回線速度
1の調査で、今回の対象エリア(海外)は日本の半分の回線速度でしたが、海外の場合はそこを考慮したモックアップが必要。単なる遷移アニメーションなどでローディングがクルクルすると、実際のアプリとはかけ離れた体験を提供する恐れがあります。

3. ユーザビリティテストの計画

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ここでは、被験者の選定基準や実施方法、テストシナリオ、実施タスクなどをまとめて、クライアント様とすり合わせを行います。

また、リモートでの必要端末や接続方法もここで決めます。
今回は以下のように、それぞれ3つの端末を接続し、被験者との間に通訳を介してコミュニケーションを取りました。

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注意ポイント:モニタリング対象
リモートテストでは、被験者の操作画面だけではなく、被験者自身が操作している様子もモニタリングすることをおススメします。サクサク進めているけど、しかめっ面で操作していたり、一瞬上を見て考え込む仕草が見られるなど、タスク実施後のインタビューで深掘りする材料が増えます。
注意ポイント:リハーサル
当たり前かもしれませんが、リハーサルはマストです。海外とつなぐ場合は回線速度の確認もできますし、さまざまな改善点に気付くことができます。

4. ユーザビリティテストの実施

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ターゲットと属性の近しい5名の男女を被験者にテストを実施。
タスクを与えた行動観察のあとに、インタビューを実施しています。

注意ポイント:被験者とのコミュニケーション
今回、ローカル言語で実施する必要があったため、被験者側(現地)に通訳を立てました。その場で気になったことを被験者に質問していましたが、訳者側でサービス理解が不十分だと質問の精度が下がります。
通訳を介してコミュニケーションを取る場合は、半構造化インタビューにして事前にガイドを共有するなど、訳者とのすり合わせが重要になります。

ユーザビリティテストの詳細な実施方法を知りたい方は、過去の記事をご覧ください。

5. テストのフィードバックをUI/UXに反映させる

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テストで得られた課題をクライアント様とすり合わせを行い、具体的な改善内容をディスカッション。ここでのフィードバック内容を材料に、UI/UXを改良しながら滞りなく進めていくことができました。

最後に

コロナを基点に、働き方の多様性が認められるようになったこともあり、今後リモートでテストするケースは増えてくると予想します。ぜひ今回の記事を参考に、有意義なリサーチを実践していただければと思います。またはAQUARINGに直接ご相談ください!

AQUARINGでは他にも、さまざまな取り組みや事例を掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。




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AQUARING 麻雀部「ジャーマンスープレックス」部長