平瀬ユウト

短歌とかエッセイとかを作ってます デザイン、アート、占いも好き ♡Instagra…

平瀬ユウト

短歌とかエッセイとかを作ってます デザイン、アート、占いも好き ♡Instagram♡https://instagram.com/yuto_no_kiwami?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA== mail: hitsujisan147@gmail.com

マガジン

  • 社会と会社

    アルバイトとして編集の世界に足を踏み入れてしまった社会に馴染めない子と、使えない人間を絶対に許さない人達を描くヒューマンドラマ。

  • 再來!!好好台灣旅行

    これを読めばあなたも台湾に行きたくなる! 歌人である作者が台湾で見聞きしたことを綴った旅行記です。台北、台中、台南と台湾を巡る1週間で得た愛と情熱の記録をとくとご覧あれ。

  • エッセイ_2022

    2022年に書いたエッセイです

  • ぶっ飛びのすゝめ

    事実を基にしたエッセイをもとに「飛ぶ」ことを考察していきます。 ストレスフルな現代人に向けた斬新な啓発指南書です。

  • 短歌_000

    徒然に詠んだ、ちょっと切ない短歌集です。 2、3日のペースで更新します。 恋愛をテーマにしたものが多いですが、ある程度たまったらジャンル分けしようと思います。

最近の記事

香港 Stranger-02

目に映るすべてのものはメッセージ 重慶大厦1泊目は、疲れていたのもあり失神の如くよく眠れた。 気持ちよく起きた朝、ふと視界に赤いものが入ったので確認すると何やら血文字のようなものが備え付けの棚の側面に記されているではないか。 普通にゾッとした。アルファベットの大文字で「NAIA(N) KG」と記された文字列は人名だろうか。 ホテルというものは不思議なもので、僕と同じようにこの部屋を使うバックパッカーらが時間軸に沿って何百人も並んでいる。決して交じることのない我々だが、皆同

    • 香港 Stranger-01

      プロローグ 僕が旅行に出かけたくなる瞬間は2パターンある。 楽しい気分に浮かれて溢れる好奇心を、どこか見知らぬ土地に求めるとき。 息苦しさを感じて遠い所に逃避行を図りたくなるとき。 そして、今回の香港旅行は後者だった。 数ヶ月前、とある会社でバイトをしていた僕は心底日本から脱出したいと毎日考えていた。「君ちょっとおかしいよ」と何度も上司に言われていたし、彼らの言う“おかしいこと”を週3回のペースで惜しみなく披露していた。 すると、2ヶ月ほどであっけなくクビを宣告され、最

      • 社会と会社 00 〜プロローグ〜

        社会と会社はどうしてこうも似ているのだろうと思うことがある。 漢字をひっくり返しただけで成立するこれらの熟語は、互いにほぼ同義なのだ。 ほとんどの人にとって「社会に出ること」は即ち「会社に入ること」だし、社会の一員として信頼されるには、会社の一員になることが最も手取り早い。 僕はこの社会(会社)に馴染むべくある程度の努力はしてきたつもりだったし、周囲の人々と同様に生きてゆける一抹の希望を抱えていた。 しかし、その希望は痛快とも言えるほどに打ち砕かれ続けてきた。 これは、

        • ガチ中華でバイトしたい [これが私のアナザースカイ編]

          自宅から徒歩圏内にあるファミ中(ファミレス然とした中華料理屋)へ面接を受けに行った。 開店前の中華料理店は厨房からの物音がするだけで妙な静けさをたたえている。ぎこちなく店内に侵入する僕を「你好」と店長が話しかけて面接が始まったのだが、彼女は僕の素性をすでに知っているようだった。 そう、僕はその1週間前にファミ中の中国人スタッフ(ファミニキ)とLINEを交換し、ほぼ毎日チャットに勤しんでいたので彼女の耳にも僕の情報が入っていたのだ。あなたの中国語はマジですごいなどと煽てられ

        香港 Stranger-02

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        • 社会と会社
          1本
        • 再來!!好好台灣旅行
          7本
        • エッセイ_2022
          4本
        • ぶっ飛びのすゝめ
          2本
        • 短歌_000
          62本

        記事

          ガチ中華でバイトしたい [絶対ファミ中編]

          イケてるガチ中華、通称(イケ中)の面接のために1時間かけて新宿までやってきた僕だったが、イケ中のあまりの本場感に圧倒されていた。 ビルのワンフロア丸ごと利用したスケール感と、行き交う客・店員共に中国人であることが期待と不安を増幅させ、さながら身ひとつで中国にやってきたようである。我がリスニング力も虚しく、店員間での会話で唯一聞き取れたのが「面试!(面接だって!)」だった。 高級感のある個室に通され責任者を待つよう言われたのだが10分経ってもそれらしき人物はやって来ないので

          ガチ中華でバイトしたい [絶対ファミ中編]

          ガチ中華でバイトしたい [求職活動編]

          現地の味に忠実に遵守した中華料理を提供する店をガチ中華という。 店のオーナーをはじめ従業員が中国人で、客も同様に中国人が多いため中国語が行き交う空間を有するケースが多い。 中国語をガチで勉強している僕は、そんなガチ中華の店でバイトをしたいなァと数ヶ月前から思い続けていた。 友人とガチ中華に行く際は必ず店員さんにバイトの募集の有無を尋ね、ネットにあるガチ中華求人にセコセコとメールを送り続けてもいた。 しかし、ガチ中華のほとんどは人手が足りているようで、いきなり「働きたいです

          ガチ中華でバイトしたい [求職活動編]

          🌟文学フリマ東京38 出展予告🌟

          明日5/19(日)の文学フリマに台湾旅行記、『好好台灣旅游』と 新刊『東京新歌枕』と『失恋(ショート)ソング』を出展します! ブースは東京流通センター第二展示場2階 💥しー15💥です! それぞれ趣向は違いますが、いずれの本も短歌が散りばめられています。 東京新歌枕はSNSの詩的な投稿と、それらをインスピレーションにして生まれた短歌によって東京を語るという新感覚都市論です🗼 失恋(ショート)ソングは失恋をテーマに、短歌とシルクスクリーンのビジュアルをまとめた作品です💔

          🌟文学フリマ東京38 出展予告🌟

          発汗コンプレックス(夏季)

          人は誰しもコンプレックスの1つや2つを抱えているが、僕の場合は誇張なしで70個ほどある。そのせいで基本的に自分に自信が持てないのだが、普段からコンプレックスに対して真正面から悩んで生きているわけではないので、自信がないながらも朗らかに生きている。(happy) そう。コンプレックスというのは、自覚する瞬間が問題なのであって、自覚させられる場面に晒されるまで、人は大抵コンプレックスのことなど忘れて平穏に過ごすことができる。 たとえば顔面の造形にコンプレックスを抱えている人も

          発汗コンプレックス(夏季)

          ♡ZINE販売のおしらせ♡

          このたび、書き溜めていた台灣旅行記や短歌、撮り溜めた写真などを詰め込んだZINE,『好好台灣旅遊』が販売されます!(都内2ヶ所で!) 1ヶ所目は、中目黒の書店『SUT』様にZINEを置かせていただきます。(2/23~3/10) 2ヶ所目は、荒川区の書店『OGU MAG』様で行われるZINE展『無意味な運命』で置かせていただきます。(3/7~3/10) 短歌のミニzineがおまけで付いて、 1冊 1,200円(税込)で販売しております。 既存の旅行記をリライトし、書き下

          ♡ZINE販売のおしらせ♡

          再來!!好好台灣旅行 台北編 5/5

          タブー(禁忌)はねじ伏せるためにあり台北最後の日、僕たちは九份へ向かった。台湾では電車内での飲食が固く禁じられている。日本でも電車内でムシャついてたら白い目をされるだろうが、台湾はそんなノリではない。車内でペットボトルの水でも飲もうものなら警察にしょっ引かれるレベルで禁じられているそうだ。(諸説あり) 少なくとも周囲の乗客から叱責されそうだと、ネットの情報を得て僕らは戦々恐々としていた。つい日本にいる時のノリで飲み物とか飲んでしまったらどうしよう、と…。 目を疑う光景に遭

          再來!!好好台灣旅行 台北編 5/5

          再來!!好好台灣旅行 台北編 4/5

          謎まん(敗北味)台北に一泊し、翌朝僕たちは台湾おにぎりを食べた。飯糰(ファントァン)というローカルフードらしい。注文を受けるとおばさんがせっせと黒い米で揚げパンやたくあんなどを詰め込んでくれて、非常に美味しかった。 肉が食いたい衝動に引かれた僕達一行は隣の饅頭屋で肉まんを3人分注文しようとした。しかし、朝の忙しいタイミングが災いしたのか店員のオジ(と言っても40もいってないくらい)に僕の拙い中国語が全然通じずに苛立たれた。 周囲の客がオジと僕を交互に見返す。___怖い…。僕

          再來!!好好台灣旅行 台北編 4/5

          再來!!好好台灣旅行 台北編3/5

          好人好事ホステルを出て、朝ごはんにお粥でも食べに行こうと台南駅前を歩くと、おばさんがピンク色の紙を通行人に配っているのが見えた。よくわからないが旅の記念にと、1枚受け取って通り過ぎようとすると腕を掴まれる。 ハッと驚く僕に、おばさんは紙を指差した。そこには「聾唖」と「五十圓」の文字が。続けて彼女はポケットから、障害者手帳のようなものを取り出し僕の目の前に掲げた。 言葉を用いらず、全てを了解した僕は財布から50台湾ニュードルを探す。これで数千円だったら、ちょっとした事件だっ

          再來!!好好台灣旅行 台北編3/5

          再來!!好好台灣旅行 台南編

          台中から台南へ行くために、まずは台中駅から台中の高速鉄道駅へ向かわなくてはならなかった。どの列車に乗れば良いかわからないので、近くにいた若い男に思い切って尋ねることに。こういう時は英語も多少通じる若者に話しかけるに限る。 彼はスマホを取り出して調べてくれただけでなく「僕もこれからそっちに行くから途中まで一緒に行こう」と言うではないか。なんて優しいのだろう。言葉も満足に通じない外国人を横に置いて気まずくなることとか、面倒だとかを微塵も思っていない彼の瞳に胸を打たれた。 聞け

          再來!!好好台灣旅行 台南編

          再來!!好好台灣旅行 台中編

          さて、今回の旅の目玉はなんと言っても台北だけでなく、台中や台南にまで足を伸ばす点にある。そして、そのためには台湾高速鉄道(日本でいう新幹線)に乗車する必要があるのだが、果たして無事に台北から台中に移動することはできるのか…。 期待感と不安とが渦巻く中、ホステルの洗濯機を回し終えた僕は台北駅へ行く。 まぁ、普通にツツがなく高鉄で台中へと移動できた。僕も23歳になるのだから海外の列車くらい乗れなくてどうする、と自分自身を鼓舞した結果だった。(あと道中の親切な人たちのおかげ)

          再來!!好好台灣旅行 台中編

          再來!!好好台灣旅行 台北編 2/5

          怒涛の初日を経た翌日10月25日の朝の台北は非常に気持ちが良かった。この日は平日。人々が仕事や学校へと歩みを進める中、僕はコーヒーをテイクアウトし適当な公園でしばし優雅な時間を過ごした。 爽やかにコーヒーを啜るが、脳内では現金が尽きたことによる不安がスパークしていた。しかし、僕は今日、同じタイミングで日本からたまたま台湾に来ている知人に会うことになっていたので、彼に台湾ドルを拝借することが決まっていた。我ながら迷惑な旅人である。 知人に会うまで、キャッシュレスで過ごす一抹

          再來!!好好台灣旅行 台北編 2/5

          再來!!好好台灣旅行 台北編 1/5

          プロローグ初めての台湾旅行から半年と少しが経った2023年10月24日の深夜、気づけば僕は2回目の台湾旅行に出発するために羽田空港第3ターミナルに突っ立ていた。 初めての台湾にして初めての海外だった半年前の強烈な感動が一向に冷めやらず、僕はコツコツ中国語(台湾華語)を独学で学んできた。そんな己の語学力と持ち前の愛嬌を信じて、今回1人で1週間ほどの台湾旅行に出向く。 これは、台湾を愛してやまない1人の人間の愛と情熱と汗の実録である。 以前台湾に行った際は航空券やホテルの手

          再來!!好好台灣旅行 台北編 1/5