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再來!!好好台灣旅行 台南編

台中から台南へ行くために、まずは台中駅から台中の高速鉄道駅へ向かわなくてはならなかった。どの列車に乗れば良いかわからないので、近くにいた若い男に思い切って尋ねることに。こういう時は英語も多少通じる若者に話しかけるに限る。

この旅行イチの心の交流が起こった現場
台中駅のホーム

彼はスマホを取り出して調べてくれただけでなく「僕もこれからそっちに行くから途中まで一緒に行こう」と言うではないか。なんて優しいのだろう。言葉も満足に通じない外国人を横に置いて気まずくなることとか、面倒だとかを微塵も思っていない彼の瞳に胸を打たれた。

聞けば、彼は美術学校の学生で建築系のデザインを学んでいるらしい。僕も美術大学でデザインを勉強していたと話すと、心の交流はいよいよピークに達した。僕たちは100%互いの言うことを理解できたわけではない。しかし、彼の優しさだけは言葉を超えて今でも僕の記憶で光っていることを、いつか彼に伝えることができたら、とずっと思っている。

言葉ではあてがえなかった記憶だけ今でも光っていると伝えたくって

バイクに乗れたらどんなに良かったことか

沈黙のバスと直射日光

台南でも高速鉄道の駅から市街地に位置する在来線の台南駅までは距離がある。調べると無料のシャトルバスが出ているので、それを利用することにした。

電車のボックス席を思わせる対面型のシートの向かい側にはカップル。隣にはおっさん、窓側に座り容赦ない10月の台南の日差しを浴びる僕、というフォーメーションでバスは台南市街へと出発した。

電車では味わえぬ台南の景色を横目で楽しみながら、僕は例の如く滝汗の予感をひしひしと感じていた。_____暑過ぎる……。

台南の気候まさに南国。真夏並みの日を全身で受け、この僕が汗をかかないわけがない。台南駅に着く時間を逆算するなどして発汗量を予測したところ、かなりヤバいことがわかった。すでに顔面には霧吹きを吹きかけたくらい汗をかいており、向かいのカップルとは目を合わせられないレベルに到達していた。 

おっさんと席を替ってもらいたいと本気で考えていたとき、バスが急に路肩に停車した。最初は、乗降のために停まったのかと思ったが、様子がおかしい。
運転手が外に出てスマホで連絡を取ったり、車体を弄っているような素振りが灼熱のシートから確認できた。_____故障だ……。

冷や汗も加わり、僕はびしょびしょになりながら静かに絶望していた。車内を見渡すと慌てている人はいなかったので割とよくあることなのかもしれない。そのまま体感30分ほど灼熱地獄を味わい尽くした。僕の汗腺がとんでもないことになったことは言うまでもないだろう。

新しいシャトルバスが到着し、皆で一斉に乗り込む。まぁ、急いでいるわけでもないので無事台南駅に着けばよしとしよう…。と思ったのも束の間、バスは程なくして台南駅とは異なる方面へ走り出すではないか。Googleマップで確認してもグングン台南駅から遠ざかっていて軽く絶望する。

急いで降車ボタンを押し、例のカップルにこのバスは台南駅に行くかどうかを尋ねたら「NO」と言われた。僕はどこで何を間違えたというのだろう。

朝から何も食べていないので、下車後近くにあった海老料理の店に行った。台南はなんといっても海鮮である。よく見渡せば日本人が好みそうな蟹や海老の飲食店が多く軒を連ねていた。

Googleの位置情報を逸らせばもう目的地にも縛られないよ

海老の炊き込みご飯とゆで豚肉の薬味添え、蛤のスープ
どれも泣きそうになるくらい美味しかった
台湾の寺院は見飽きない
日本のキャラクターが多くなかなか好い(ハオい)

空を飛ぶのは鳥と旅客機だけではない

台南市街は洒落た建物が多かった

台南市街を、ホステルを目指しひたすら歩く。街並みがノスタルジーと心地よい明るさを感じさせるのは、照りつける太陽のせいじゃない。台南で生きる人々の笑い声や優しい視線、ゆとりのある息遣いで満ちているからだ。

と、なんの前触れもなく辺りに轟音が鳴り響き、見上げると戦闘機らしき機体がものすごい速さで通過していった。大袈裟でなく、本当に有事に陥ったのではないかと恐怖を覚えるほどの轟音だった。周囲の通行人は轟音が聞こえていないかのように振る舞い続けている。

日本から近く、日本人も、日本の店も多い台湾の街中で言語が通じなかった時よりも、自分が外国人であることを自覚した瞬間だった。

テレビやネットから台湾を取り巻く状況はいくらでも理解できる。ただ、戦闘機の轟音を肌で感じることができないだけで。
空を飛ぶのは飛行機や鳥だけではないのだ。

僕は、この文章を戦闘機の轟音が届かない場所で綴っている。

空だけは遮られずに続いてくことを喜べられたら平和

ローソンの店員に真顔で叱られた後の監獄風ホステル

台南で宿泊するホステルはローソンの店内に入り口が設けられていた。よって、ローソンがロビーみたいな感覚である。

ローソンに入るいや否や、目の前に立っていた店員に「そこの出入り口は使っちゃダメだよ」的なことを言われて普通に叱られた。そう、確かにそんな趣旨の表記も入口にあったのだが、自動ドアが勝手に開くので入ってしまったのだ。一刻も早くクソ重いバックパックを下ろしたかったと供述したかったが、そんな語学力を持ち合わせていない僕はそのまま謝罪し、ホステルへ向かった。

そのホステルというのが、思わずトリップドットコムによるプロデュースの手腕に感心してしまう、といったような感じだった。もちろん安い宿賃なのだから贅沢は言ってられないが、部屋に入った印象は、監獄。ウェブサイトで見た画像のイメージはそこにはなかった。男たちがおよそ20人ほど宿泊できるように、2段ベッドが無数に敷き詰められた部屋は薄暗く、新入りの僕が部屋に入ると一斉に視線が向けられた。

「に、ニイハオ…」

僕はローソンの従業員専用出入り口から出入りした罪によって投獄されたのだろうか。はたまた台北での無銭飲食未遂事件によるものか…と考えを巡らせつつ荷物を置いて台南市街の散策に出かける。

ちなみに僕は上段のベッドだったのだが、ベッドの隅に隙間が空いていて油断してものを落とせば下段の人のベッドに落ちる仕組みになっていた。勘弁してくれと思いながらも僕はスマホや常備薬などを複数回落っことし、下段の人に迷惑をかけまくるなどした。

ただ、ホステルのスタッフは良い人で「20時からアルコールが提供される小さなパーティーがロビーであるからおいで」と言ってくれたが夜市に行くし、己の語学力に自信がなくて参加しなかった。
今思うと参加しておけばよかったと心底思う。心の交流の絶好のチャンスじゃないか…。

普通に疲れていたため、バスで移動しようと思うも行き方がわからない。運ちゃんのおっさんに、尋ねようとバスに乗り込んだら「NO!」と言われた。そのバスはどうやら回送だったらしい。そして、バスの運転手は往々にして愛想が良くないのは日本と共通しているようだ。

美味そうに食べる様子とおばさんの笑顔が比例する台南の店

心底感動した台南のフルーツかき氷💓
1人で食べ切れるか不安になるほどのボリューム
店員のおばちゃんが無邪気でキュートだった


ハオい
ものすごく賑やかだった大東夜市
テレビで見たまんまでハオかった







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