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再來!!好好台灣旅行 台北編3/5

好人好事

ホステルを出て、朝ごはんにお粥でも食べに行こうと台南駅前を歩くと、おばさんがピンク色の紙を通行人に配っているのが見えた。よくわからないが旅の記念にと、1枚受け取って通り過ぎようとすると腕を掴まれる。

台南駅までおばさん達が配っていた紙
功徳を積んだ証明書

ハッと驚く僕に、おばさんは紙を指差した。そこには「聾唖」と「五十圓」の文字が。続けて彼女はポケットから、障害者手帳のようなものを取り出し僕の目の前に掲げた。

言葉を用いらず、全てを了解した僕は財布から50台湾ニュードルを探す。これで数千円だったら、ちょっとした事件だったが、日本円で200円強だったので少しホッとしながら。
10圓硬貨を5枚手渡すも、おばさんはそれらをまじまじと観察し、その内の少し劣化が進んだ1枚を弾いて別の硬貨を要求してきた。僕はそれに衝撃を受けた。街の飲食店では何の問題もなく受け渡される硬貨を、寄付においては拒絶されたのだ。そこには与える者と与えられる者の差などなく、僕たちはただただ対等だった。

綺麗な硬貨をおばさんに渡し、その場を離れようとすると再び腕を掴まれる。振り向くと、なんと彼女の「仲間」が隣に佇んでいた。「彼女にも」とジェスチャーするおばさんに愛想笑いを浮かべ、僕はその場を去った。2番目のおばさんにもお金を渡したら、第三、第四のおばさんを断る理由がなくなってしまう。

彼女が汚い硬貨を弾いたことに驚いたのは、僕が健常者だからかもしれない。彼女は僕よりもずっと、世界に警戒しながら生きている。
いや、「警戒しなければならない世界を生きている」といった方がいいだろう。それは、きっと僕が簡単に想像できるはずのない世界。

立ち去る僕の背中を見て、彼女らは何を思っていたのだろう。僕がやったことは、偽善と呼ばれるものだったのだろうか。

その後食べたお粥は、120圓だった。

摩耗した硬貨を聾者は除けたあと光る硬貨を静かに探す

台南で有名な「サバヒー」という魚のおかゆ
臭みもなくマジで美味しかった


台南公園

本格!台北占い

台南から高速鉄道で台北に飛び戻り、台湾に到着した友人らと合流した。食べ歩きもそこそこに、僕たちがタクシーで向かったのは占いの館だ。

そう、この旅の主要な目的の一つに「台湾で本格的な占いを受ける」、があったのだ。事前に予約していた時間を少し過ぎたものの、占い師のマダムは白い小型犬とともに快く僕たちを迎え入れてくれた。(日本語を話せる方だった)

占い師と向き合い、3人で並んでそれぞれ仕事や恋愛について尋ねていった。僕の生年月日を見て、占い師は来年が本厄だから神社で厄払いした方が良いと伝える。台湾の地で日本式アドバイスを受けることになるとは…。

僕は初っ端から、仕事において安定したサラリーマン的なものは向かないと、社不の太鼓判を押された。否定できないのが辛い。
対面で自分の考えを話したり、コミュニケーションをとったりする仕事が向いていると言われた。「文筆的な仕事もイイヨー!」とも言ってくれたのでひとまず嬉しくなる。

また、複数副業を持つことを勧められ、海外駐在の可能性も十分あり得るとのことだった。
ここまで言われて、数年前に横浜中華街の占い師に「コーヒーの貿易商があなたに合っている」と言われたことを思い出す。なるほど、海外もいいかもな。

次に恋愛を占ってもらったのだが、これがまた散々だった。
「アナタは複雑な恋愛ばかりしてるネー。三角関係どころか四角関係だヨ」と占い師はほくそ笑みながらとんでもないことを言う。そもそも四角関係ってなんなんだ…。

また、「浮気サレたり浮気シたりするから気をつけないとだめヨー」とも言われてひっくり返りそうになった。浮気されたことはあってもしたことなどないと、自身の名誉のために口を挟んだが、占い師は意に介さない。

極め付けに「今後2、3年で出会いはそれなりにあるケド、どれも短命だヨー」と言い放たれ、友人たちがニヤニヤする中1人静かに絶望していた。

占いによると、とにかく今は仕事に集中した方が良いとのことだった。わからなくもないが、はっきり言われると心に来るものがある。。

ただ、2028年と2039年が良い時期らしいので、とりあえず5年後が楽しみだ。

その後、友人が占われたが自身の性欲の強さによって結婚生活が崩壊すると予言されていた。恐ろしや、台湾占い。

決して安くはない現金を支払い、占いの館を出たあと、僕たちはもっと地に足つけて生きていこうと誓ったのだった。

真っ直ぐに線を結んで繋がった人を愛せと占い師はいう

油化街付近


台北市と新北市の境界である淡水川
はてしなく続く夜景が淡水に移り続ける

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