見出し画像

ガチ中華でバイトしたい [求職活動編]

現地の味に忠実に遵守した中華料理を提供する店をガチ中華という。
店のオーナーをはじめ従業員が中国人で、客も同様に中国人が多いため中国語が行き交う空間を有するケースが多い。

中国語をガチで勉強している僕は、そんなガチ中華の店でバイトをしたいなァと数ヶ月前から思い続けていた。

友人とガチ中華に行く際は必ず店員さんにバイトの募集の有無を尋ね、ネットにあるガチ中華求人にセコセコとメールを送り続けてもいた。
しかし、ガチ中華のほとんどは人手が足りているようで、いきなり「働きたいです!」と宣言しても気まずそうな笑みを浮かべられたり、求人を出しているくせにメールの返信が全く返ってこない店もあって、僕のガチ中華バイトライフは蜃気楼の如く近づいては遠ざかってを繰り返すばかりであった。

このままでは貯金がみるみる減ってしまう……。

焦りを感じた僕はガチ中華バイト探しに本腰を入れることにし、もともとやっているバイト中でもずっとindeedを見続けた。するとどうだろう、僕にぴったりな求人がきちんと出てくるではないか。
そこは、中国では超有名な四川料理系のチェーン店で、就業員も圧倒的に中国人が多いという店だった。ドアtoドアで1時間ほどかかるのがネックだったが、ユニークでハイセンスだと評判らしいので迷わず面接の予約を取り付ける。
我が月給は現在8万円強。悠長にしていられない。

面接を控えた僕は上機嫌になり、その日のうちに友人と近所の中華料理店に向かった。なぜその店で働こうとしなかったというと、小綺麗なチェーン店だったので僕の中華魂にはイマイチ響かなかったからだ。(生意気)
が、いざ足を運ぶとデカデカとバイト募集のチラシが店先に貼られ、見渡せばホールからキッチンに至るまで中国人スタッフばかりではないか。(皆中国語を話している)我々に料理を運んできた店員も中国人だったため、会計時に彼に拙い中国語で「この店って中国人多いの?」と尋ねると「中国語勉強しているの!?」と驚きながら中国人が多く在籍しているとの情報を提供してくれた。

さらに彼は日本語の練習相手を欲しているらしく、LINEを交換してくれた。思っていた以上のフレンドリー展開に嬉しくなる。
そう、中国人店員に中国語で話しかけると多くの場合驚くほど喜ばれるのだ。これはバイト探しで得た教訓である。

さて、どうしたものだろう。遠くてイケてるガチ中華(イケ中)か、徒歩圏内の
ファミレスみたいな中華(ファミ中)か…。

ファミ中のニキは僕にバイトに来て欲しいと言っているが、数日後に控えたイケ中の面接に臨む僕のガチ中華バイトの運命やいかに。

次回、『ガチ中華でバイトしたい [絶対ファミ中編]』へ続く。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?