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無償の愛

「こんなに頑張ったんやから」「こんなにやってあげたんやから」

口では「全然大丈夫やで!気ぃつかわんでいいで!」と言っても、どこかで見返りを欲してしまう。そんなことってありませんか?ぼくはめちゃくちゃあります。だから「無償の愛」みたいなものはないと思ってました。

しかし、ある小説を読んで考えが変わりました。

先日『1ミリの後悔もない、はずがない』という小説を読み、作中の言葉に目が止まりました。有島武郎の小説『小さき者へ』から引用されている言葉で、有島武郎が父親として我が子に語りかける言葉です。

「私はお前たちを愛した。そして永遠に愛する。それはお前たちから親としての報酬を受けるためにいうのではない。お前たちを愛する事を教えてくれたお前たちに私の要求するものは、ただ私の感謝を受け取って貰いたいという事だけだ。お前たちが一人前に育ち上がった時、私は死んでいるかも知れない。一生懸命に働いているかも知れない。老衰して物の役に立たないようになっているかも知れない。然し何れ(いずれ)の場合にしろ、お前たちの助けなければならないものは私ではない」

「力強く勇ましく私を振り捨てて人生に乗り出して行くがいい」

「行け。勇んで。小さき者よ」

この文章を読んで、「ぼくが何となく感じていたことを言葉にしてくれた!」という感動がありました。

1歳1ヶ月になる息子。ただただ愛しい。おむつを替え、離乳食を食べさせ、寝かしつけ…。こんなに人に尽くしたことはあるのかというほどに世話をします。正直しんどいこともあります。でも、この子から何か見返りもらいたいとは思わないんですよね。

愛なんて言葉を使うのは恥ずかしいから、言葉にするか迷いました。
読み返してみてもめちゃくちゃ恥ずかしいです。ちょっとイタい感じがします。
でも、「いま言葉にしないとこれから先絶対使わへんな」と思ったので、恥を承知であえて使いました。

もう一つ、読み返してみて思ったことがありました。
「あ、やっぱり子どもからもらいたいもんあったわ」と。


“自分に向けられたものでなくていいから、笑っててほしい。“


これだけはほしいなぁ。

ぶっく📚


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