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日常の中の日常

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全50回。日常の普遍的なことをテーマにしたエッセイ。無料。 クスりと笑えるような思わぬ発見があるような。この作品があなたの日常にとけこんでくれたらそれはとても喜ばしいことです。 …
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2018年3月の記事一覧

せっかくという言葉について

せっかくという言葉について



今日は雨だ。それも夕方にはそれはそれはひどくひどく地面を叩きつけるほど空から放たれた。
「バケツをひっくり返したみたいだ」という常套句があるが、あれは間違いだ。バケツをひっくり返すと水は一筋にまとまる。
雨はどんなに土砂降りでも一粒一粒と落ちてくる。大雨といってもそれは大きくまとまった塊となって降ってくるわけではない。
ドラクエに例えるならバケツの水はスライムがいっぱい集まり、キングスライムに

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テレビを見ない生活について

テレビを見ない生活について



テレビを見ない生活。

昨今、私たちが興じることができるメディアとは多様に存在する。

新聞、雑誌といった古くからある紙媒体。

音だけで情報を伝えるラジオ放送。

ネットの普及により飛躍的に伸びてきたネット放送、動画投稿サイト。

そしていつだって話題の中心だったテレビがある。

今回はこのテレビについてがテーマである。

最近のテレビは面白くなくなった。昔みたいに攻めがないよね、攻めが。

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おでんについて

おでんについて



桜が咲き、柔らかな光に包まれる春うららにもかかわらず、今回はおでんについて。

なぜ、この期に及んで冬に逆戻りするかのようなおでんかというと・・・

それは今回の冬もおでんを食べなかったからである。

おでんは冬の風物詩であるが、一人暮らしのためかなかなかおでんにありつけなくて悔やんでいたのが2016年の初頭である。

そのため今年こそはと意気込んでいたのが2017年の暮れである。

しかし、

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青について

青について



好きな色は?と聞かれたら迷わず青色と答える。

青にも濃淡により、幅広いが紺色よりも水色がかった淡い色を好む。

理由は?と聞かれたら意味などないと答える。なんとなくいい感じだからというのは理由になってないだろうか。

無理矢理、意味を付け足そうとすることはいくらでもできる。

爽やかな色だから。清潔そうな色だから。清々しいから。
まぁどれも間違いじゃないが、直感で決めた答えに理由を求めるのは

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ミニマムライフについて

ミニマムライフについて



ミニマムライフということ。

つまり、最小限の生活。

より、モノを多く持つことが良しとされていた時代ではなくなりつつある。
生活する上で必要なモノはそんなに多くないのではないかということ。

メディアはデータに置き換えられ、服さえもレンタルできる昨今である。

要らないモノはリサイクルショップ、あるいはネットオークションで捌くなど代価を得て処分する方法はいくらでもある。

ことさら、ここでは

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エッセイを書くこと

エッセイを書くこと



エッセイを書こう。

いや、エッセイを書くと友人に宣言をした。

小説でもなく、詩でもない。
エッセイ。

開口一番、彼は
「エッセイってなに?」と聞いてきた。

僕は考える。彼はエッセイを知らないのではなくて、きっと僕がどう答えるかを試しているのだと。

なので僕は頭の中で伝わりやすく相手が唸らざるを得ない言葉を取捨選択して選りすぐる。

「エッセイは随筆のことだよ。」

恐る恐る口にしたの

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水を買うこと

水を買うこと



水を買うこと。

それはおよそ20年前の日本ではとても特別なことに感じていたと思う。

海外では飲食店に行き、水を注文するのにも金銭を必要としなければならない。
しかし、ここ日本では店員の「いらっしゃいませ」という声と同時に運ばれるのである。
店員の愛想、無愛想抜きにしてもそれはごく一般的なサービスとして行われている。

浪費することを「湯水のように垂れ流す」という表現が用いられるほどだ。

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