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夏の終わりの怪談「神社に棲む狐」
「僕の昭和スケッチ」17枚目
<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>
![](https://assets.st-note.com/img/1658129518982-XktGkvRL58.jpg)
昔、岐阜のとある神社の縁の下にキツネが住んでいるという噂があった。そのキツネは、時折縁の下から抜け出して近隣の家々に悪さをするのだと言われていた。
「味噌汁に入れる油揚げが頻繁になくなるのは、あのキツネ様のせいだ」と言う老婆もいた。
だが、むろん創り話に相違ないと大抵の大人達は笑った。
しかし…中には真しやかなことを言って子ども達を怖がらせる輩もいた。
「かの社の縁の下には金網が張ってあり、それこそがキツネがいるという証だ」と
「キツネがいないのならば何故網など張って閉じ込める必要があるのだ…」という訳だ。
この金網は言うまでもなく、単に猫や犬が縁の下に入り込まないようにするために設けられていたのだが、近隣の子供らはすっかりこの男の巧妙なレトリックに騙され皆一様に蒼ざめた。
子供らは昼なお暗いその縁の下を恐る恐る覗き込んだものである。おキツネ様はいはせぬかと…
<続/夏の終わりの怪談「忍び寄る影」に続く>
<©2021もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2021 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)
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*noteから上の嬉しいお知らせを頂きました。2020.09.21
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