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たがさのべにおがちらつくとは?/昭和歌謡

 「僕の昭和スケッチ」68枚目

「たがさのべにおがちらつくようじゃ〜♫」
これは「潮来笠」の一節です。

ご存知橋幸夫さんが唄った昭和歌謡の大ヒット曲ですね。
子供の頃によく街にこの曲が流れていました。
けれど、当時の僕にはこれはちょっと意味の判らない唄でもありました。

<潮来笠>
「いたこのいたろう、ちょっとみなれば〜はくじょうそうなわたりどり〜」

これは有名な歌い出しの部分で、ここは子供ながら何となく判りました。「潮来の伊太郎はパッと見では薄情そうな旅ガラスだよ」という意味ですね。けれど、問題は続く2番の歌詞でした。

「たがさのべにおがちらつくようじゃ〜ふりわけにもつおもかろに〜」

この意味って………?????
(潮来地方にお住まいの方には簡単にお判りですね😋)

下の絵をごらん下さい。

70潮来笠

<画/もりおゆう©  原画/水彩 サイズF5>

そうです。たがさとは「田笠」、べにおとはそれについている「赤い紐」のことだったのです。潮来地方では、い草で編んだ「あやめ笠」という日よけの笠を使っており、それをこの唄では「田笠」と呼んでいる訳です。
そして、その田笠をかぶっているのが「農作業をしている若い女の子なんだ…!」と言う所まで中々想像がいかないために二番の歌詞が「よく判らない」歌詞となっていたのです。

つまり…
「田植えをしている農家の若い娘のかぶっている笠の紅緒が気になるようじゃ肩にかけた旅の荷物もさぞ重いことでしょう」
と唄っている訳です。

(ふりわけにもつとは、昔の旅人が持っていた平たい紐の両端に荷物を括り付けて肩にかけるスタイルの簡易鞄)

僕が、これを知ったのは随分大人になってからでした。
😋あなたは、如何でしたか?

😅💦え〜〜〜っつ、子供の頃からそんなの知ってたって🙀!


*潮来笠 作詞/佐伯孝夫 作曲/𠮷田正 1960年/ビクターレコード
 潮来市は茨城県南東部の水郷で有名な都市

<この絵と文は著作権によって守られています>
(This picture and text are protected by copyright.)

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