旅のさびしさと、帰宅と、おやすみと。
旅の帰り、同行者と別れたあとはスマホのメモを開く。誰かと一緒にいるときには書いていなかった感情やできごとを、徐々に言葉にしていく。
誰かと長い旅をしたのは久しぶりだった。フライトの揺れに膝小僧をにぎってぎゅっと耐えることも、美味しいものを無言で食べ終えることもない旅行。
誰かと旅をするのは、布が思わずほつれるくらいに緩んだ安心と、寝違えるような気遣いが同居する。
成田行きのフライトが気流で強く揺れたとき、私はずっと恋人と手を絡ませながら「今日はよく揺れるね」なんてのんき