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ピンク色のGATSBY
最近、中学3年の頃に付き合っていた人と電話で話す機会があった。
大学卒業以来、ひょんなことから友人関係になり
奇しくも付き合っていた当時より相当仲良くなった彼女だが
そんな彼女と、付き合っていたころの思い出話に花を咲かせていた。
「私の事が本当に好きなのか分からなかった。もっと大好きって言ってほしかった。」
中学3年の頃、虐められながら"リア充"をしていた僕は
自己肯定感が著しく下げられたと同時に、自分のコアとなる「人間不信」という人格が出来上がった。
「人は簡単に裏切る。自分以外を信用してはいけない。」
「自分はいじめられても仕方のない人間だ。だから誰も守ってくれないのは当然だ。」
「自分なんかと付き合っている彼女は恥をかいているんじゃないか。」
こんな具合に、自他共に自分を虐め続けていた。
当然、こんなメンタリティで健全な恋愛関係が築けるわけもなく
当時は他人との距離感が分からなかったこともあり、離れられるのが怖くて過激な束縛をし続け、彼女の限界が来てしまった。
今思うと、面と向かって「好きだよ」なんて言ったことは一度もなかった。
言えなかった。
別れた後も病み散らかしていた僕は
「あの人、めちゃくちゃ重たいらしいよ」
「まだ未練とか持ってそうだよね、こわ」
なんて言われる始末。
そこから約10年。
つい最近まで僕は"自分の好意は相手にとって負担にしかならない"と思い込んでいたため、(本当は何度でも言いたいくらい好きなのに)相手から要求をされない限り好意を言葉で伝えようとしなかったり、嫉妬や甘えたい気持ちなど全て押し殺してドライに接してきた。案の定、恋愛関係が上手くいったことはない。
(厳密にはこうなった原因に一番長く付き合った元恋人Hも含まれているが、やや本筋から逸れるためここでは省略)
「私の事が本当に好きなのか分からなかった。もっと大好きって言ってほしかった。」
その言葉を理解するのに5秒くらいかかった。
僕の「好き」を必要としてくれる人間がいたんだ。
僕でも人を好きになってもいいんだ。
自分が一番コンプレックスに感じていた、辛さと苦しさに満ち満ちていた過去に、少しだけ"甘酸っぱさ"が加わった。
コンプレックスの塊で鼻つまみ者だった自分と付き合ってくれてありがとう。
それと、好意というものに蓋をしなくていいんだという事に気づかせてくれてありがとう。
今後一切予定はないけど、万が一何かの間違いで恋愛なんかをまたすることになったら、好きって気持ちを伝えられるように善処します。
追記:当時、夏の花火大会に僕ではなくK(当時、彼女を好きだった男)と行く約束をした理由を尋ねたら
「付き合ったことを誰にも言うなって言われたから、それを理由に断ることが出来なかった」
「いとそが全然誘ってくれないから一緒に行けるか分からなかったし、友達としてはKと仲良くしてたかったから余計に断れなかった」
らしい。
・・・いや俺が悪いやんけ!!!!!!!!
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