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等価交換

6月16日金曜日。
約3か月ぶりの美容院に行けた。しかも服薬なしで。

ワタリさん(マガジン「轍」14話より)に、毎度恒例の近況報告をする。
会社に以前よりは出勤できるようになったこと、病気に関するブログを始めたこと、そのブログに登場させていただいていることなど。


喜んでくれた。そして背中を押してくれた。

僕の経験、人とのご縁、今自分がやり続けている事。
これらすべてがいつか実を結ぶ時が来る…と。
(自分なりに要約したが、ニュアンスが異なっていたら申し訳ない)

髪を切り終えゴキゲンな僕は、動ける時に動いておこうと思い
日曜日ぶりに電車に挑戦した。

東横線で一駅、JRで一駅。さらに二駅。
これも服薬なしで乗ることが出来た。

めちゃくちゃ嬉しかった。

吐くのが怖いので、空腹でないとまだまだハードルは高い。
だがそれでも確実に一歩前進できた。
よくやった、俺。



最近、友人の勧めでアニメ「鋼の錬金術師」を見た(今更)。

「錬金術を習得した主人公と主人公の弟が死んだ母を蘇らせようと、錬金術の禁忌を犯したことをきっかけに
"持っていかれた"弟の体、及び自身の腕と足を取り戻す手がかりを見つけるために冒険をする」という設定なのだが
僕は、勝手ながらその設定と自分を重ねて見ていた。


病気になる前の僕は、電車も飛行機も乗れるし、どこにだって遊びに行けるし、無尽蔵の体力もあった。自由だった。
自由で、傲慢で、孤独で、卑屈で、口先ばかりの世間知らずで、常に誰かを見下すために生きていた。

それがある日、突然「自由」を持っていかれた。
電車や飛行機に乗ること、知らない場所や遠くへ遊びに行く楽しみ、自身の強みだったフットワークの軽さ、1日を走りきるための体力、安定した体調、他人を見下すための燃料、、、

そしてその自由と引き換えに
友人をはじめとする狭いがそこそこ深い人間関係、見直された家族との関係性、好奇心、自己受容、自信、謙虚さ、寛容さなど
たくさんの「人間らしさ」を得ることができた。


ハガレンでは、旅の途中で出会った仲間たちと一緒に真理にたどり着き
最終的に二人は身体を取り戻す。

そしてそれを見て
「俺も泥臭くもがき続ければ、いつか自由を取り戻せるのではないか。」
心からそう思えた。

社会性がまるでない僕にも、有難いことに数は少ないが仲間と呼べる(呼びたい)人がいる。
その人たちの支えを糧に、いつか絶対取り戻す。
そしていつか、支えてくれた人たちに僕が享受したものを還元したい。


その時に何を差し出すことになるかは知る由もないが。









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