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ワーキングホリデーとは、新たな街の試着だ

メルボルンに住んで半年が経った。

空港からウーバーを呼んでエアービーアンドビーに向かった日が大昔に思える。

あれから現地で銀行口座を開設し、家を見つけ、人と出会い、お気に入りのカフェを発見し、すっかりここでの生活が日常となった。


メルボルンは、思惑通り私好みの街だった。

ひとつの理由として

都会と大自然のハイブリットというものがある。

「愛とお金どっちが大事?」「きのこの山派?たけのこの里派?」と同じくらい究極の質問なのが「田舎と都会どっちに住みたい?」だ。

私は長年その答えを明確にしようとしてきた。

私にとって、ゲームでいうところの『はじまりの地』は田舎だった。

生まれてから18年間田舎生活を送っていたので、田舎での暮らしぶりは分かっている。

じゃあ都会は?ということで、大阪や東京に住んで心情を観察してみた。

しかし、私の中の『田舎VS都会』の決着は着かずじまいだった。

自然豊かでゆったりした田舎も好きだし、活気溢れて便利な都会も好きだ。

みんな違って、みんないい…

金子みすゞ状態になった。


そこで現れたのが

大自然と都市のハイブリットという選択肢だ。


2019年、私はカナダのトロントでワーキングホリデーをした。

トロントのダウンタウンはニューヨークのタイムズスクエアのミニ版のようでワクワクする。

イートンセンターという大きなショッピングセンターに行けば本屋さんから服屋さんからコスメまでありとあらゆるものが勢揃い。

しかしそこから少し移動すれば緑豊かな壮大な公園にたどり着く。

そして電車で1時間くらい移動するとあのナイアガラの滝が拝める。

晴れていると滝と共に虹を拝めたりもする。



ナイアガラの滝は人生に一度は絶対に肉眼で見てほしい。


世界の大自然を目の当たりしたとき

生きててよかった…世界にはこんなにも素晴らしい景色があるのか…と感動したものだ。

こうして私の中で『住むなら田舎か都会か』の答えが出た。


答えは、どちらもだ。


豊かな自然と魅力的な都市両方が揃ったハイブリットな場所に住みたい。





そんな感じで

ワーキングホリデーという制度を使って新たな街を試着した結果、私の好みの街像がどんどんクリアになっていった。


まず、私は英語圏が性に合っている。

移民の多い国は『みんな違って当たり前』という概念がある。

マイペースに自分らしく生きていいんだと心から安心できる。


にんじん抱えて歩くオジなんか
名物としてアートになっている



個性を大切にしている人が多く、出る釘は打たれず、おもしろいと拍手される。

型に囚われず個性を大切に生きたい私には、その空気がとても自由で心地よく感じる。


ひとつの国で色んな国の人、色んな国の街、色んな国の料理との遭遇が楽しめるのも魅力。


フォー


世界一周してないのに、世界を楽しめる。

好奇心が毎日刺激される。


フレンドリーでテキトーな人が多いのも好みだ。

電車が途中で故障して歩けと言われてもイッツオ〜ケ〜である。

トロントに住んでいた頃は電車がスムーズに動くことはもはや奇跡で、故障したら隣の乗客と顔を見合わせて「でたでた(笑)」と笑ったりする。

それをきっかけにお喋りが弾み、インスタグラムを交換したこともある。

ある朝バスの運転手がバス停じゃない場所に停車してコンビニでコーヒーを買って戻ってきたことがあるが、誰一人驚いていなかったのが印象的だった。

トロントという街を試着したとき、こんなにもフィットする街は初めてかもしれないと思った。

しかし、寒すぎた。

冬に外出すると、冷凍庫の中を探検している気分になる。いや、冷凍庫よりも寒いかもしれない。

感覚がバグり、冬はマイナス温度がデフォルトのため、0度の日は今日は温かいね〜と言う。

雪遊びは確かに楽しかったが



ただでさえ寒がりな私にとって、トロントの冬は滝修行のようだった。

例えるならば

完全に好みの色、形のワンピースに出合ったが、丈だけが惜しい…!!!という感じ。




あれから4年の月日が流れ

今度はメルボルンの街を試着することにした。

メルボルンもまた英語圏であり、自然と都会のハイブリットという特徴を持っている。

そして何よりカフェの都である。

世界中からバリスタが集うコーヒーに本気な街はカフェラバーの私にはたまらなく魅力的で、いつか絶対に訪れたい国のひとつだった。


人生で1番カフェに行っている


実際に住んでみて

ああここは温かいトロントだと思った。

英語圏で、自然と都会のハイブリットで、人がフレンドリーで、チルでせわしくなくて、温かい…

色とりどりのフルーツと野菜が並んだ大きなマーケットがあって、カフェとコーヒーが最高….



ワンピースが鏡の前でピタッとフィットしたような、そんな気分だった。





今住んでいる家を一歩出ると、わあと声が出るほどの自然が広がっている。


家の周辺はこんな感じ


ヤーラ川という川が穏やかに流れていて、ジブリに出てきそうな緑のトンネルのような道がある。



天気のいい朝に緑の道を歩くと心身が癒される。

途中可愛いカフェに立ち寄って、こうやって記事を書いたりする。


自然道を歩くとカフェが現れる
平和
ソイラテが好き
秘密基地みたいね



時の流れが0.5倍速になったような気分。


週末はマーケットに行って、1週間分の野菜と果物を買う。



オーストラリアのキッチンはたいてい大きなオーブンがついていて、そのオーブンを使ってグラタンを焼いたり、チーズケーキを焼いたりするのが最近の幸せ。

たまに女友達とシティのショッピングモールで服を拝みながら近況報告をしたりするのもいい。




そんな感じで

私にとってワーキングホリデーとは

新たな街の試着だ。

普段はそう簡単に住めない場所に1年間も住めてしまう。期間限定で発行されている魔法のビザ。

2度ほど経験してみて

ああ私の好みの街ってこんな感じなんだなという手がかりをいくつも掴むことができた。

街の試着は国内でも可能なのだが、文化や人をもガラリと変えたいのであれば、その感じは海外でしか味わえない。

私はそれらを味わいたくて空の旅を経てここにやってきた。



もちろん実際に試着してみて

思ってたんとちがう

と思う場合もあるだろう。

でもそれもまた貴重な発見。


こういうところが合わないと気付くことは

こういうところが合うかもしれないと気付くことでもある。

良くも悪くも何かしらの発見があるだろう。



20代という時間を使って外国の街を2つ試着できたことは、私にとって大きな財産となった。

やっぱり

自分に合う街に住むってすごーーーーーく大事だと思うのさ。

ワーキングホリデーは

どういう場所に身を置けば自分はイキイキと生きられるのだろう?

という問いの手がかりを知るのに役立った。


人は身を置く環境で大きく変わる。

性格も、表情も、言動も、心身の健康も、どれだけ自分らしくいられるかも。

環境を変えさえすればうまくいくとは言わない。

そこは自分次第だ。

とはいえ

自分に合った生きやすい環境と自分に合わない生きにくい環境が存在するのは事実。

ホッキョクグマは北極にいるとイキイキできるが、ハワイに行くとしんどいだろう。

そんな感じで、自分に合う環境と合わない環境を知っておくことは生きる上で大事なことだ。

メルボルンは、私にとって好みのワンピースみたいな街だった。



残りの滞在期間も楽しもう🫧




The journey will be continued…

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