一目惚れや直感を辿った先には、いったいどんな景色が待っているのだろう
いつからだろうか。
もうかれこれ長い間、一目惚れと直感を羅針盤にして生きている。もちろん、できる範囲でだが。
一目惚れしたワンピースを買い
一目惚れした男と生活を共にし
一目惚れした皿でご飯を食べ
一目惚れした本をベッド横の本棚に並べている。
今日は思わず一目惚れしたレインボーペンシルを買った。
小学生じゃあるまいし、大の大人がいつどこでレインボーペンシルを使うのかはまだ定かではないが、店内で目が合った瞬間心を鷲掴みにされて、私はそれを持ち帰らなければいけないと思った。なぜなら、一目惚れしてしまったから。
判断基準として頼りにしているのは、誰かの声でもなく、立派な論文でもなく、世界を席巻しているチャットGPTでもなく、我輩の直感である。
直感が辞めてしまえと言えば辞めるし、突き進めと言えば突き進む。寄り道したほうがいいと言えば寄り道の旅に出る。これが意外に当たる。少なくとも、自分にとっての正解を見つけるにあたっては役立つ。実際、直感に従いながら生きていたら、わりと自分好みな生活が出来上がってきた。
”大企業に就職して、パリッとしたスーツに袖を通して、キャリアウーマンになってほしい”と心底願っていた父とは、社会人になりたての頃にずいぶん価値観の違いで揉めたが、独立宣言が功を奏し、やがて見守ってくれるようになった。ちなみに、私のクローゼットにスーツなどない。
直感を使った先にはいつだっておもしろい未来が待っていたりするから、私はその精度を鈍らせないためにも、直感に従おうと決めている。
わたしは、ただ興味がある。
一目惚れと直感を辿り続けた先が
いったいどうなっているのか。
そこには、どんな景色が待っているのだろうか?
探検家になって未知の山を登っている気分。
頂上にある景色がどんなものかは分からない。
ていうか、自分がどんな景色を望んで山を登っているのか、自分でもよく分かっていない。
それでも、直感と一目惚れを辿り続けた先には
ここだ、私はここに辿りたくために今日まで進み続けてきたんだ…と思えるような、そんな待望の景色が必ずあるのだと信じてやまない。
そんな景色を実際にこの目で拝むためにも
私は今日も
一目惚れと直感の先を、
ひとまず辿ってみる。
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