スマホ内断捨離のすすめ

『断捨離』と聞いてまず思い浮かぶものは、普段生活しているお部屋にある不要なものをポイポイと捨てていく作業だ。

わたしはまさにこの断捨離の魅力に最近気付いて、いらないものをせっせと分別した。これがと〜っても気持ちいいのだ。

部屋の乱れは心の乱れっていうのはよくできた答えで、部屋が整うにつれて心も整っていった。

ふと思った。

スマホの中も断捨離したらどうだろうか、と。

スマホが発明されて以来、それはあっという間に日常に溶け込み、画面を眺める時間が生活に組み込まれていった。

ネットサーフィンをしたり、友人の近況をSNSで見たり、写真を見返したり….画面の中でほんっとうに無限の活動ができる。

国境も存在しない自由なデジタルの世界で遊ぶことに、わたしはすっかり魅了されていた。

とくにSNSなんかは、無意識に開いちゃう。

次々と流れるインスタグラムのストーリーをタップして、誰かの日常をぼーっと眺める。

これがルーティンの１つになっている人は、わたしを含めどれくらいいるのだろう…。

そこでのフォローとフォロワーの数字は、友人の数と必ずしもイコールではない。

もうこの先会わないだろうなぁ…とか、一度何かの集まりで偶然出会ってノリで交換した人とも形上は繋がっていたりする。

そして世にも奇妙なお話なんだけど、わたしは全然関わりのないその人の日常をよく知っているのだ！

そんな人たちの、キラキラした生活や突然の【ご報告】、ストーリーに突然投下されたあやしい投資関連のお話…。嗚呼、なんてカオスなんだろう。

また、ふと思った。

わたしはほとんど話したこともない人たちの日常の観覧にいったいどれほどの時間を使い、時に心を揺さぶられていたのか….

と。

こうして、わたしはまず時間をたくさん費やしているインスタグラムの断捨離をはじめた。

具体的には

今後も会うであろうお友達と興味のある人以外はフォローを外すか、投稿とストーリーをミュートにしてみた。

同じ学校にいたからという理由でフォローしている人、フォローが来たから何となく返した人、普段の関わりがなくて明らかにこの先会わないだろうという人….の日常に時間を取ったり、一喜一憂するひとときを生活から手放そうと思ったのだ。

整理した結果、無限に続くかと思われたストーリーはあっけらかんと終わるようになった。

投稿もスクロールを1度しただけで『全ての投稿を読み終えました』と表示されるようになった。

最初は物足りなさもあったけど、少しずつ慣れて、余分な時間を手に入れることができた。

ひとつ手放せば、ひとつ入ってくる。

こうして時間が浮いて心ゆくままに本を1冊読んだ夜は、おだやかで平和だった。

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