26歳、アンチエイジングを諦める
最近、朝9時にスーパーに行ったらまだオープンしていなくて、入り口にはおばあちゃん1人が待っていて目が合った。
「ここは、9時30分から開くのよ。少し早かったねぇ、次回から覚えときんしゃい。」
優しくて上品で穏やかな口調は、彼女の見た目とマッチしていた。
ボーターのシャツにパールのネックレスと指輪。綺麗な白髪に親しみやすい笑顔が素敵だった。
隣町に住んでいるけど、毎週日曜日は割引の日だから、お散歩がてらやってくるとのことだった。
最近、自分はどんな30代に、40代に、50代に、そしておばあちゃんになっていくのかと思う。
そして想像してみたのだけど、私もスーパーであったおばあちゃんのように、ボーダーシャツに綺麗なパールのアクセサリーがサマになるようなクールなおばあちゃんになりたい。
世界中を旅して、変わらず趣味で文章を書いていて、それが今とは比べ物にならないくらい濃く、どこかの誰かを救っていれば嬉しい。
そんな感じで、理想の歳の重ね方を想像してみると意外に楽しかったりした。
アンチエイジング。
私はこの言葉が少しにがてだ。
綺麗を長持ちさせてくれるクリームや技術は本当にありがたいと思う。私がにがてなのはそういう商品ではなく、『歳を重ねること=悪い』というニュアンスの方かもしれない。
人は絶対に老いる。
それが自然の流れで、それには逆らうことができない。だったらいっそ開き直って「ウェルカムエイジング」になれば気が楽なのではないかと思った。若い子が思わず惚れ惚れするような素敵で濃い大人になっていきたいとも思った。
より若くよりも、より幸せにを目指そうと思う。それが結果的に、より若くに繋がるのではないか(と期待している)
そして歳を取るにつれて、豊かな経験と度胸と余裕を据えて、思い切り笑いたいと思う。
笑顔が最高のお化粧なのは、きっと何歳でも変わらないだろう。
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