2分で読める子育てエッセイ№919『ピーンときた。これは・・・してないな』

中1の娘が動画でみつけてきたセリフ。
それはジブリのある名作のセリフのパロディだった。最近、このパロディをまるパクリして、わが家で事件を無事に解決した・・・というお話。

※

ある晩のこと。
「お休み～」
と1番に2階のベットに行こうとした小4の息子・イチに娘が声をかけた。
「イチ君、まだ歯磨きしてないでしょ？」
するとちょっぴり戸惑いながら息子がこう言い返した。
「う、うん・・・歯磨きは～ぁ、した・・・よ？」
何とも歯切れの悪い返事。その場にいた、ダンナとワタクシまでピーンときた。これは歯磨きしてないな、と。

すると娘が、息子にこう言った。
「お姉ちゃんは、イチのこと嘘つきだと思ってないよ」

ひょーっ！　ジブリの名作のセリフっぽーい！
お姉ちゃんはワタクシと違ってイチを信じているのね。偉いわ～。
感心しながら二人の様子をみていると、お姉ちゃんは大げさな身振り手振りをつけてこう続けた。

「だから、証拠を見せろって言ってるんだよ」

証拠を見せろ？　うそ～ん！
これにイチとダンナとワタクシが大爆笑。
これが動画でやっていた名作のセリフのパロディなのね。おもしろーい。

すっかり楽しくなったダンナが娘にこう加勢した。
「イチ、本当に歯磨きした？　歯ブラシを確認してもイイ？」

すると、なにかハッと思いついたような顔をした息子。
「ちょっと待って、歯磨きしたって・・・勘違いかもしれない！」
息子は絶妙なセリフを残し、3倍速で歯磨きを始めた。

※

これ以降、わが家では「嘘つきだと思ってないよ。だから証拠を見せろって言ってるんだよ」と「勘違いだったかもしれない」がセットでやり取りされるようになった。お陰でわが家のしょ～うもない事件が腹を立てることなく、さらさらと解決するように。

めでたし、めでたし。