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2分で読める子育てエッセイ№751『わらび餅が溶けるまでに』

今日はダンナが回っているお寿司をおごってくれる日。
なのでテンション高くなっている家族。
小6の娘が家族に向かってこう言った。

「炙りカルビって10回言ってみて」

ほほ~っ! お馴染みの10回クイズ? 引っかからないよ~。

先鋒、小3の息子が挑戦した。

「炙り、かぶり・・・」

え? かぶり?
娘とダンナ、そして、ワタクシが目を丸くした。

今、言い間違えたよね?

「もう一回、言うね」
気を取り直して、息子が丁寧に言った。

「炙り、かぶり・・・」
我慢できず、他の三人が爆笑した。

「全然、言えてない」

そこでワタクシ、見本を見せるつもりで挑戦開始。

「いい? 炙りかぶり」

あれ? こんどは息子が大爆笑。
「お母さんも言えてないじゃん」


ムキになって何度言っても「炙り、かぶり」。
それは「破れかぶれ」と同じ発音とテンポ。
そのループから抜け出せない。

ウキ―っ!

息子も母に負けじと挑戦を続けた。


「あるび、カルビ」
「あびり、かぶり」

もう、原形が何かわからない。

そんな中、早口が超得意の娘はさらりと「炙りカルビ」と何度もいってのけた。そして、ダンナは最初問題なく言っていたくせに、途中から「あぶりかぶり」の呪いにかかることになった。


そこに、娘が注文した「ミニあんみつ」が運ばれてきた。
どういうわけか、一番上にのっていた「わらび餅」が凍っていて、歯が立たない。

「わらび餅が溶けるまでに、言えるようになるかな」
優雅に時間をかけてミニあんみつを食べている娘を横目に「炙り、カルビ」をムキになって練習。

息子は、無事に言えるようになったものの、ワタクシついに1度としてサラリと言うことはできなかった。

ただし、変な身振りと、変なアクセント、そして変な顔をしながらだったら5回に1回言えるかもしれない奇跡の瞬間があるとかないとか。

よくよく考えてみたら「10回クイズ」と言っているのに、10回どころか1回もアヤシイこの言葉。

まさか10回クイズを途中リタイアするなんて思ってもみなかった。

とほほ。




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