2分で読める子育てエッセイ№820『「大好物」が見あたらない』
小6の娘には「大好物」が見あたらない。
カレー? 餃子? ハンバーグ?
何か1つくらいあってもよくない?
なんでだろうと不思議に思っているワタクシ。娘にあれやこれやと訊いてみると、娘がボソッとこう言った。
「1回おいしいって言うと、続くから」
どきーん。思いっきり思い当たるワタクシ。
「だからおいしいってなかなか言いづらい」
この娘の言葉に、ワタクシ苦笑した。
ところがワタクシお仲間、いや、さらにツワモノを思い出した。それは、実家の母。
実家に集まりみんなでご飯を食べるときのこと。
娘の口に合うかを心配して
「これを食べてみて、あれを食べてみて」
と娘の皿にどんどん手料理をのせるワタクシの母。
感謝の気持ちを込めて娘が
「おばあちゃん、これおいしいよ」
と言ってしまったらさあ大変。
「これお姉ちゃん好きって言ってたから」
と帰り際には大きなタッパーに詰めてくれる。
次に遊びに行ったときも、また作って詰めてくれる。
もちろんその次も、めちゃくちゃ張りきって作ってくれる。
それは時間を追うごとに、ドンドン、ドンドンスキの度合いはおばあちゃんの中で昇進、ヒートアップ。
「これ好きだったよね」
「これ大好物だったよね?」
「これがないと始まらないよね」
美味しいと、ウッカリ一言漏らした本人は忘れているのに「お姉ちゃんの大好物」が独り歩き。
ひょーっ。
そこでワタクシ、娘にこうアドバイスした。
「おばあちゃんに好物は、お母さんと一緒のものって言ったらどう? お母さんたーくさんあるよ? 蟹とか、寿司とか」
・・・鼻で笑われた。
ちぇっ。
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