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短歌22〜子育てしてた頃の私

 今日は朝から雨
いつもどおり、仕事へ向かおうと家を出ると、この雨の中一人のお母さんを見かけました。
そのお母さんはまだ20代か30代前半の小柄なひと。

傘をさして小走りのそのひとは、レインカバーを覆ったベビーカーを押し、背中にはまだ1歳に満たないような小さな足の赤ちゃんをおんぶしています。

久しぶりに、こんな大変そうなひとを見かけたなあと思いつつ、駅までの道、私に手伝えることがあるかしら?と思いながら歩いていると、彼女は思いがけず駅とは反対の方向へ曲がっていきました。

たぶん保育園がそっちにあるのでしょう。

彼女の役に立てず見送る私は、過去の私と彼女を重ねていました。


長男を出産した私は、産休と育休を経て片道1時間の都心へ仕事に行っていました。

駅から大人の足で15分(ただし急な坂道&なだらかな坂道が続く)のマンションに当時の夫と3人暮らし。

私は仕事を辞めても全然構わなかったのですが、元夫はダブルインカムを希望し、私もそれに従う形で何となく働き続けました。

20年前の日本は、「育児と家事はオンナだけの仕事」という風潮が強く、働くママはすべてを一人でまかなうワンオペが当たり前。
※だからワンオペなんて言葉ありませんでしたよね…

元夫もまさにそういう人で、私は保育園の送迎を毎日毎日一人でやってきました。

そう、まさに今日のような雨の日も…

彼にとって一番重要なのは「効率」です
夫婦ふたりで一人を送るより、一人でひとりを送った方が効率が良い…とよく言っていました。若かりし私はそれに従いました。

「大変な事は一人で背負ったほうが、
もう一人が頑張れるから、効率が良いんだ」
こんな考えに支配されていたのです

今思い返しても、本当にあの頃は辛かった。
時々、車でお迎えに来てもらってるママ友達を恨めしく見届けて、息子と2人泣きながら帰ったこともありました。

大人で15分かかる道のりは、子どもと歩けば30分…いや機嫌の悪い日には1時間かかります。
でも助けてくれる人はいませんでした。

私のその苦労を目の当たりにすることもなかった元夫…今思い出してもゲンコツでぶっ飛ばしてやりたい(アンパーンチ!バイバイキーン!)



今日見かけたお母さんの苦労は、私には十分想像できます。
だから声をかけて、手助けしてあげたかった

誰かが見てくれている…ということがどれだけ救いになるか。

♥♥♥♥♥
彼女に短歌を贈ります。
そしてこの短歌は、彼女のように頑張って子育てしている全お母さん、そして過去にそんな子育てをしてきた全お母さんに捧げます。


それは、ひょっとしたら、報われたかった「わたし」なのかもしれません。

20年後のわたしより



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