Vinifera Euro Master-ドイツ&研究編
更新頻度を上げて、このトピック記事を早めに終わらせたい。
ここからは2年目についてですね。
ドイツを選択した理由
前回の話で2年目はフランス以外の4か国から選ぶということを話しました。
その中から自分はドイツを選んだので、ドイツのことしか話せませんがその点はご理解ください。
まず選択に際して、なぜドイツを選んだのかというところからはじまります。
・イタリア人の英語の発音がかなり聞き取りにくかったこと。
・イタリアの授業は経済系が中心で、また大学を数か所転々とできる(しなくてもいいが選べる授業がその分限られる)が故の引っ越しの多さに嫌気がさしたこと。
・スペインはなぜかスペイン語で授業がなされるということ。
・ポルトガルは土着品種など面白い点も多いが、授業が熱帯や斜面、乾燥地域での栽培を主としていたこと
これらの理由(受けたわけではないのであくまでもイメージです)で他のところに減点があったということ、またドイツの教授陣が比較的好感が持てたことからドイツを選びました。
また比較的ドイツを選んだクラスメイトが大人な感じでやりやすかったというのもあります笑
そんなこんなでドイツで4か月。
授業について
基本的には月火水は授業、他は休みというのが流れです。
しかも月曜日は午前、水曜日も午前のみなのでほとんど授業はありません。
しかしこの4か月で行ったプレゼン5つ。またレポートも2つと自学自習という側面が強かったです。
このプレゼンのトピックが、ここまでの記事のブレットであったり補糖であったりという感じです。
ちなみに醸造学に関しては授業もほとんどが生徒のプレゼンで占められているので、それに関しては少し不満を持っている生徒もいました。
ちなみに月曜日は栽培学。火曜日は醸造学。水曜日は経済学です。
これらの授業は、元々のクラスメイトのドイツ選択組に加え、イタリアのVitis Vinumのプログラムの生徒たちと共に授業を受けるのが基本です。
醸造学であればそこにガイゼンハイムの生徒とウィーン大学の生徒なんかも加わります。
正直どこの所属かなんてよくわかりません。
また休みの日はドイツの公共交通機関の利便性を活かしてワイナリーにアポをとって訪問したり、みんなでテイスティングをしたりしていましたね。
その一部が紹介してきたラインガウ近辺のワイナリーさんたちです。
ちなみにドイツの授業で一番よかったのは経済学で、教授の面白さはもちろん、ポーターの5つの力のフレームワークや、PEST分析といった市場環境の把握のためのメソッドを取り扱いました。
栽培学は、、正直微妙でしたね。
なんていうか週ごとに先生が変わり、一貫性がなく、毎週参加者が減っていっていた気がします。
接ぎ木や、CO2濃度の木に与える影響など各週で全く違うトピックを全く違うレベルで扱います。
ある先生は遺伝子のATGCの話から始めて、ある先生は自分の論文の詳細まで語るといった感じです。
Wine of the Worldと生活
あとドイツの授業で任意だったのですがWine of the Worldという講義がありました。これは神授業です。
MWが毎回講義に来ます。
MWとはMaster of Wineという世界のワインの最高峰の資格です。
めちゃくちゃ時間とお金がかかります。かけても取れるかどうかかなり怪しいです。
世界で300人強、日本在住は大橋健一MWのみという。
そんな方々が5回に渡って講義してくれるんですよ?やばくないですか?
でも内容はあくまでもWSET level3に準じたもの。かなりもったいないです。
そしておまけとして最後正規のWSETのテストも受けることができました。
このあたりは初の取り組みだったみたいですが。
これはもちろん別料金ですが、正規でWSET受けるよりはるかに安いです。
もうすぐ結果が出るころですね。
ここは時間とお金のために取っておきたいところです。
これがドイツの全体的な流れです。
生活面に関しては、街自体はかなり小さく田舎なので、研究や勉強に集中できる環境ではありますが、都会っ子であればかなりさみしく思う場所でもあります。
各お店が1個ずつぐらいしかないです。
スマホショップも郵便局も1つずつ。
ただドイツの学生は大学エリアの公共交通機関が無料なので、フランクフルトまで1時間で出てしまえばなんでもあります。
あとはリューデスハイムという隣町は日本人にも有名な観光地で、そこはクリスマスマーケットの時期なんかは特ににぎわっています(写真は平日朝なのでガラガラ)。
そんなもんですかね。
あとドイツはやたらケバブが多い。そして安い。相場は4.5€程。
研究について
ここからはちょっと研究に関して。
このプログラムの個人的には最大の難所でした。
研究室という概念はないし、所属がないから誰も責任をもってケアしてくれない。
自分で研究先を探さないといけない。
などなど日本では考えられない環境でした。
自分は1回教授が持ってきたオファーに乗っかってアメリカの大学と連絡を取っていたのですが、渡航すべき時期の1か月前になっても、曖昧なYesを繰り返すばかりで一向に進まなかったので、これは完全にダメなやつだと判断し、飛び込みで他の教授からのオファーに応募しました。
このオファーは教授からのオファーですが元はワイナリーからのオファー。
それが現在滞在しているフランスのワイナリーなのですが、ここに滞在することに決まったのはスタートの3週間前とかでした。
かなり精神衛生上悪いですよねこれ。
人によってはレビュー論文のようなものを卒論にするクラスメイトもいるみたいですが、自分は実験がしたかったので、こんな感じでバタバタの駆け込みになりましたね。
ほんとにこの制度は所属というのがなく誰も責任を取ってくれないので大変です。
そんなひと悶着もありながらもなんとか研究をスタートさせて今に至ります。
今後はドイツ、フランスの教授と連携を取りながらワイナリーで研究と論文を仕上げて、ドイツで発表するという流れです。
これがViniferaEuroMasterの大きな2年の流れでした。
これを見て面白そうとか思ってくれる人がいればいいですね。
次回は最後、プログラムのメリットとデメリットを短くまとめたいと思います。
これからもワインに関する記事をuploadしていきます! 面白かったよという方はぜひサポートしていただけると励みになりますのでよろしくお願いします。