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急性期脳卒中者に対するHALによる歩行治療の効果

こんにちは!
理学療法士をしているyukiです。



本日紹介する論文はこちら↓


この論文について
論文雑誌:Frontiers in Neuroscience
Impact Factor:1.554
参考文献数:12本(リンクにて貼り付けています)


急性期脳卒中では歩行に難渋するケースが多いと思います。

HALを始め、ロボット機器による歩行訓練が注目されていますが、急性期での使用例に関する論文の報告です。

ロボット機器の使用に制限があるかと思いますが、類似した歩行訓練によって急性期における歩行訓練に活用していけると良いと思います。



では、早速目次です。

はじめに

脳卒中の約9割は運動障害と社会的制約を持っている。生存者の1/3が5年後も機能不全が残存していることが深刻な問題となっています(takashima, 2017)。

リハビリテーションの強度は、脳卒中後の運動回復と正の相関を認めています(kwakkel, 1999)。

歩行の回復は主に脳卒中後、初期の11週間以内に起こることを考えると、積極的かつ集中的な歩行介入が求められます。

1990年以降は、特にロボットも用いた運動療法介入が注目されつつあり(hesse, 2003)、


実際に、Cochraneデータベースによる系統的レビューにおいても、

電気支援型歩行トレーニングは、これらの機器を使用しなかったトレーニングよりも、脳卒中後の歩行回復の可能性が高いことが示唆されています。

さらに、脳卒中後の最初の3ヶ月で最も良い効果を示したようです(mehrholz,2017)。


一方、HALと言われるロボットスーツは、生体電気信号(BES)を読み取り、歩行を可能とするロボット機器になります。
HALは、2つの制御モード(自発、自律)で歩行をアシストします。着用者が足を動かしたいと筋肉を活動させた時、非常に弱い筋肉の反応でもBESにより、その信号を拾って動かすことを支援することができます。

これまでの研究で、急性期脳卒中後の回復について、HAL使用例と従来の治療法を比較した研究はないのが現状です。


本論文の目的

急性期脳卒中患者に対する片足バージョンのHALを
使用した効果を検討すること


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2,814字

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