櫻井雅徳

ゲンロンSF創作講座第6期受講生。 僕のサイエンス・フィクションへの貢献。

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SF創作講座6期 第4回実作の感想(イシバシトモヤ、柊悠里、八代七歩)

イシバシトモヤ『きらきらひかるすべて』 舞台:東京都日暮里? 第1回課題の梗概の印象で、イシバシトモヤさんに対する私のイメージは「金魚の人」だったりする。どことなく退廃的な手触りに、吉行淳之介『暗室』を連想した。『暗室』は金魚じゃなくて、メダカだったけれど。第2回の梗概「エギィァアバキリッ…ジュドドロ…ッルッン」は裏SF創作講座で投票したし、ご本人にも衝動的に感想をリプライしたように擬音のセンスに感服した。私は受講生の方を非常にざっくりと<SF志向>と<純文学志向>、前者

    • 斜線堂有紀「回樹」(『新しい世界を生きるための14のSF』より)

      ※ネタバレあり  今作は私が(私だけが)定義する<部分SF>であり、読み終わった私は、こういうのが書きてええ〜〜〜〜、あるいは、死ぬ気になれば書けるかもしれな〜〜〜〜い!!と心のなかで叫ぶ。  SFゲンロン創作講座で実作にエピグラフを置いたのは拙作だけで、ちょっと恥ずかしくもなったが、今作の素敵なフィッツジェラルドからの引用にまず嬉しくなる。エピグラフを置きたくて、小説を書いてるんだ!と思う。  冒頭で主たる登場人物二人とその関係(と遷移)を提示する機能的に美しい一文で

      • 八島游舷「Final Anchors」(『新しい世界を生きるための14のSF』より)

        ※ネタバレあり  パキッとしたSF、という印象。カチッとしたでも、シュッとしたでも(これはちょっと違うか)いい。パキついている。当然、褒め言葉である。理系っぽいとか、そういったニュアンス。たとえば『ノルウェイの森』とかは、全然パキッとしてない。文系っぽい。  こんなの、絶対、私には書けない。その意味では安心して読めた。読む方も書く方もSF初学者である私は読んだ作品を<全体SF>と<部分SF>にざっくりと分類していて、今作は<全体SF>である。  <全体SF>とは小説世界全

        • 2021/1/5 曇り

          我が家の同居人女児(11ヶ月)は毎朝だいたい8時前に目を覚まし、大きな声と暴力で我々の安眠を阻害し、我々の手で彼女をリビングまで運ばせる。今朝もそれは変わらず、眠たいわたしの楽しみといえば朝に何の音楽をチョイスするかぐらいである。彼女は今は音が鳴ること自体が楽しいらしく、NiziUからトラヴィス・スコット、果てはメルツバウや池田亮司までニコニコしながらフラワーロックのように左右に揺れて非っっっっ常に可愛らしい。次第に耳が社会化してゆき、彼女も「へんな音楽止めて」とか言い出すの

        SF創作講座6期 第4回実作の感想(イシバシトモヤ、柊悠里、八代七歩)

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        • 僕のサイエンス・フィクションへの貢献
          2本

        記事

          2021/1/4 晴れ

          朝6時。赤ん坊が泣く。とても寒い朝。リビングも冷え切っている。足元が冷たい。ドライヤーで暖を取る。ヒートテックを着込むけれど全然寒い。僕も風邪をひいたかな。シャワーを浴びようかと迷ったけれど時間が微妙だったからそのまま家を出ることにする。仕事の合間でも読めそうな本を秒単位で探す。東浩紀『ゲンロン戦記』をカバンに詰め込み、寝室の二人にいってきますをする。外は当然ながら、寒い寒い寒い。電車の窓は換気のために開け放たれていて全く温まらない。明日から仕事始めの人が多いのか、車内も人が

          2021/1/4 晴れ

          2021/1/3 晴れ

          朝から妻の調子が悪い。ラーメンの汁をこぼして絶望したりしている。ふらつきだけでなく寒気もあるらしく、真っ先にコロナのことが頭をよぎる。熱は平熱、呼吸器症状もない。「泣きながら眠ると熱が出るの」と説明するが、僕は不幸にして泣きながら眠った経験は皆無で俄かに信じがたい。部屋の暖房をガンガンに強める。彼女は尼さんのように毛布にくるまりながらMIU404の再放送を見ている。野木亜紀子が好きなの?と僕、お正月だしみんなしていることがしたい、と妻。リアルタイムで数話見て離脱したけれど、再

          2021/1/3 晴れ

          2021/1/2 晴れ

          同居人の10ヶ月赤子の泣き声で目を覚ます。が、わたしは爆睡。妻がリビングに連れて行ってくれる。ありがとう。朧げな意識の耳にガッキーの声がうすらぼんやりと届く。妻が逃げ恥の再放送を観ている。朝の6時から再放送なんて誰が見るのか、と思っていたらそれが配偶者だった。今晩のスペシャルでは平匡とみくりの間に子供が産まれるらしい。思えば逃げ恥リアルタイムの頃は東京にもいなければ、結婚も子供も自分とは関係がない事柄のように感じていた。最終回。システムからはみ出す=鳥小屋の外=青空市でのハグ

          2021/1/2 晴れ

          2021/1/1 晴れ

          明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。ありきたりな季節の挨拶から再開してみる。去年は12月30日までが仕事で、その日の昼に家へと帰る。前日にお雑煮の準備を買っていたので下ごしらえをしようと思ったけれど、思いの外疲れていたのですぐに横になってしまう。なんとか家は綺麗にして年越しがしたい。リビングの荷物も寝室に詰め込み、見場を整える。お皿を洗って、洗濯を回して、掃除機をかける。その間に妻が「肉が食いたい」と主張するので、彼女の権利を尊重して行っていただく。生

          2021/1/1 晴れ

          2020/5/14 晴れ 東京

          目を覚ました瞬間、遅刻を確信する。だけど焦ることはない。7時半の時点で午前の仕事依頼がないことは事務に確認済だ。朝食に中村屋「香りとコクのキーマ」を湯煎する。香りが抜群にいい。ひよこ豆とじゃがいもがゴロゴロ入っていて、ルックスも侘しくない。味もスパイスが効いていて、程よい肉感。美味しい。レトルトカレーはそれなりの種類を食べてきたが、値段も考えるとトップクラスやでこれは。レトルトキーマ界の雄である「鳥肌の立つキーマカレー」も名作だったが、サラサラ系が苦手な私はこちらに軍配。スー

          2020/5/14 晴れ 東京

          2020/5/13 晴れ 東京

          韓国のチェリストOkkyung Lee(イ・オッキョン)の新作『Yeo-Neun』を流しながら眠る。入眠作用は強いが、ノイズで何度か目を覚ます。水曜日の朝。野上優佳子さんが作っていたマスタードをたっぷりのロメインレタスと玉子のサンドイッチが食べたい。しかし今朝の我が家にはパンもレタスも卵も時間もない。今週末はタモリカレーを作ろう。そして今日は明太スパゲティを作ると家を出る前に決めておく。 小沢健二「彗星」を聴きながら出勤する。彼にとって1995年、つまり王子様期の真っ只中、

          2020/5/13 晴れ 東京

          2020/5/12 晴れ 東京

          ご機嫌な気分は長くは続かず、夜のバイト先ではてんやわんやでベッドに入ったのは午前1時を過ぎていた。早くも梅雨が来たのかとブルーになる高い湿度がまとわりつく。天然パーマにとって梅雨ほど憂鬱になる季節はなく、早めの縮毛矯正が必要となる。思えば大学進学を機に札幌で一人暮らしを始め、引っ越し翌日にストレートパーマを施工した時の「苦い青春グッバイ」感覚を今に至るまで大事に抱えている。似合う似合わない以前に、私にとって天パは忌まわしき過去の象徴なのである。お夜食にカップ焼きそばを食べる。

          2020/5/12 晴れ 東京

          2020/5/11 晴れ 東京

          軽い気持ちでゲンロンの生放送なんか見るんじゃなかった。ゲストに外山恒一を迎えての前半に引き続き、後半は津田大介がSkypeで緊急参加することになった。その告知をTwitterで発見し、興味本位でチケットを購入。 うとうとと画面を眺めていたら津田さんが登場。明らかに防衛的な表情+態度なつだっち、それを瞬時に察して険しい表情になるあずまん、悪い空気をどうにかしようと気を使う革命家。わたしは今、事故現場に遭遇している。一気に目が冴える。しばらく外山氏と津田氏のやりとりが続き、沈黙

          2020/5/11 晴れ 東京

          2020/5/10 曇りのち晴れ 東京

          日曜日の朝。外はもう明るいが、きっとまだかなり早い時間帯だ。時計を見なくてもわかる。スマートフォンをタップすると、ほら、やっぱり。普段ならこのまま二度寝するところだが、うっかりTwitterを開いてしまう。タイムラインの雰囲気が昨日までと違うことを即座に察する。ざわめきのようなものを感じる。大スターの訃報か大災害かと覚悟したが、その正体は一種の「祭り」であった。普段政治的なことは殆ど呟かないアカウントも一斉に#検察庁法改正案に抗議します というハッシュタグをリツイートし、タイ

          2020/5/10 曇りのち晴れ 東京

          2020/5/9 晴れ 東京

          職場は9時出勤だが、今日は土曜日だ。ゆっくりと眠らせてもらう。だって、まだ8時だ。9時過ぎまで眠る。そろそろ起きなければ。ベッドで5分刻みにアラームを設定する。アラームが鳴るたびに浅い夢から覚める。なんとか身を起こして風呂場に向かう。いつもは髪を乾かさずに家を出るが、今日はしっかりと乾かす。ボリュームが多少抑えられる。娘は毛量が多く、将来ヘアスタイルに苦労するだろうと同情する。今日は何線で出勤しようかと考えて、一番早い経路を選ぶ。 地下に向かう長いエスカレーターで宇多田ヒカ

          2020/5/9 晴れ 東京

          2020/5/8 晴れ 東京

          早朝6時に電話で叩き起こされる。気付かないことがないように最大音量に設定していて、毎度ビクッとさせられる。あまり急を要することがない要件。8時から出勤開始する人にお願いすればいいのに、と一通り不平不満をひとりごちた後にシャワーを浴びる。濡れた髪をそのままにして、家を出る。タクシーをつかまえる。緊急の呼び出しはタクシー代が支払われる。タクシー出勤だと考えれば不平不満も輪郭がぼやけてくる。皇居を通って靖国通りに出る。ドアミラーを全開にしてドライヤーに代替する。領収書のシステムがま

          2020/5/8 晴れ 東京

          2020/5/7 晴れ 東京

          妻から電話がある。家族の話になる。両親が不仲で、いわゆる幸せな家庭の具体的なイメージが湧かないふたり。だからこそ、僕らは具体的にイメージする必要がある。ホワイトボードがある家に住みたい、と結婚する前に彼女に話していた。 密かに憧れているフォロワーさんが、恐らく家でホワイトボードを用いて子供に面積について教えていて、これじゃん、と思った。今の家は立地もいいし、気に入っているけど、やっぱり狭い。子供は早めに部屋を持って欲しいから、引越すなら数年以内。もし都内の中高進学するならま

          2020/5/7 晴れ 東京