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2021/1/5 曇り

我が家の同居人女児(11ヶ月)は毎朝だいたい8時前に目を覚まし、大きな声と暴力で我々の安眠を阻害し、我々の手で彼女をリビングまで運ばせる。今朝もそれは変わらず、眠たいわたしの楽しみといえば朝に何の音楽をチョイスするかぐらいである。彼女は今は音が鳴ること自体が楽しいらしく、NiziUからトラヴィス・スコット、果てはメルツバウや池田亮司までニコニコしながらフラワーロックのように左右に揺れて非っっっっ常に可愛らしい。次第に耳が社会化してゆき、彼女も「へんな音楽止めて」とか言い出すのだろう。一般教養としてサージェント・ペパーズを聞かせてみる。ルーシーに一番反応していた。お父さんも隣でジョンの声に悶絶していた。「お父さんな、ジョンレノンみたいになりたいねん」と娘の目をまっすぐに見て伝えるが、特に何の反応もなかった。ソロは『心の壁,愛の橋』がいちばん好きです。妻が目を覚ます。妻も以前に比べるとビートルズに多少イントゥしてきてくれる。また始まったという顔で僕の話を聞いている。「A Day In The Life」の興奮冷めやらぬまま、矢継ぎ早にリボルバーを再生する。「Taxman」のベースラインに雄叫びを上げ、「I'm Only Sleeping」のギター逆回転に気を失う。このペースじゃ身が持たないと危険を感じて「Doctor Robert」まで飛ばす。そして「Tomorrow Never Knows」!無数のカモメたちの声。この曲を聞くたびに、僕はドラえもん『「時」はゴウゴウと流れる』を思い出す。

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時間の流れが可視化され、それが逆方向に押し流されてゆく風景が見える。流れ去ったはずの時間が帰ってくる。サイケデリックとは可能性の別名である。いつだって目の前の現実以外の可能性を忘れないこと。お父さんからのメッセージだ。娘は聞いちゃいない。

遅めの朝ごはんを作る。昨日夕食に食べたなんちゃってすた丼の改良版にトライする。味付けの濃さもさることながら、味付け海苔を使ったことで全体的にしょっぱくて正直70点ぐらいの出来栄えだった。今回はニンニク控えめでめんつゆをしっかり希釈、かつ娘用の高級海苔を拝借する。90点台キタコレ。磯の香りと豚肉の甘味とニンニクのパンチ力。卵を切らしていたけど無問題。夫婦共々Uber Eats依存症から徐々に脱している感覚がある。自炊再開にあたり料理本を何冊か購入した。特に愛読しているのは鳥羽周作「#おうちでsio」 、山口祐加『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』、高山なおみ「自炊。何にしようか」。

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とはいえ外食やテイクアウトも変わらず利用していく。買い出しに家族で出かける。僕も妻も赤ちゃんも、みな部屋着に上着を羽織るだけで身支度を済ます。あまりのみすぼらしさにお互い笑ってしまう。ベビーカーの娘もペラッペラの毛布の下からパジャマが見え隠れしてとても貧乏くさい。It's Alright。スーパーで牛乳と野菜を買って、お気に入りのパン屋でセットメニューをテイクアウトする。家に帰ると妻が離乳食を作ってくれる。妻が作る離乳食はいつも手がこんでいて、感心してしまう。出来立ての肉団子をムシャムシャと食べる娘。おおきくなってね。相変わらずこのパン屋はパンだけでなく、サラダもポタージュもディップなど全部が美味しくて好き。緊急事態宣言中も微力ながらヘルプできればいいなと思う。

川の向こうでは 夕涼みする人
人の頬にそよぐ風
今晩 うちの晩ご飯は何しよ?
(ラブジョイ「at home」)

今日の1曲/The Beatles「Tomorrow Never Knows」

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