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「ヤマハ」という大きな看板を心から卒業すること

こんにちは。

ピアノ講師、メンタルコーチとして活動しています。
「One Heart」です。

2023年3月末でヤマハ音楽教室を退職。
すべてのレッスンが終了しました・・・(スッキリ・・・♪)

やりたいことがある、という思いがだんだんと強くなり、
2023年の年明けからヤマハ講師としてのカウントダウンを感じながら、
すでに気持ちは前を向いていることが多かったけれど・・・、

時々、心にぽっかり穴が空いたような感覚になる。

それは、
寂しいとか、悲しいとか、
やり切った感・・・とか、いろいろな思いが混ざっている。

それでも、今のわたしは、
そういったネガティブな感情を歓迎している。

たぶんこの先、こんなに心が動かされることがないかもしれないから・・・。

*+:。.。:+**+:。.。:+*

ふだん割と心が静かな「わたし」ですが、
ここ最近レッスンで起きることは、
わたしの心が大きく揺さぶられることが多くて、
まさに、「心が忙しい」状態に・・・。

60代後半の女性の生徒さん。最後のレッスンでの話。
「先生、最後に1曲聴いてほしいんですけど・・・」とおっしゃるので、
なにかな?と思ったら、少し前に練習していた坂本龍一さんの「energy flow」という曲を暗譜で弾く、というチャレンジだったのです!
(坂本龍一さんのご冥福をお祈りするとともに・・・、このタイミングのシンクロのお話はまた後日書きます)

一年前からわたしが担当している方なんですが、
当初その女性は「わたしは暗譜ができません」とはっきりと言っていました。

まぁ、そうだよね。
60代後半。
スラスラと暗譜で弾けたら、すごい!
でも暗譜できないことは60代なら当然のこと。

それを、ここ数週間がんばって練習しました!とのことで、
見事!暗譜で弾ききりました。

隣で聴いていたわたしは、
8小節ぐらいですでに感極まってしまい・・・、
ポロポロと涙が・・・。

ご本人、演奏後「ミスをいっぱいしました」とおっしゃっていましたが、
ミスなんて関係ないのです。
暗譜で最後まで弾いたことがすばらしい!

「できない」という限界を超えてチャレンジしたその姿を目の前にして、
わたしはとても大きな勇気をもらいました。

限界なんてないんだ。

最後のレッスン日。
午前中から目を真っ赤にして、
今日一日「わたし」はどうなってしまうんだろう・・・、
すでに心がいっぱいになってしまって・・・最後まで平常心でレッスンできるのだろうか?と思い、
心を整えるために、昼間の空き時間に一度自宅に戻りました。

そして、再び教室へ向かい、最後の生徒のレッスンが終了・・・。

ぽかーん・・・と心に穴が空いたような感覚。

「終わった・・・」

私の姿が見えなくなるまで、後ろを振り返りながら手を振り続ける生徒。

その姿を生徒が見えなくなるまでずっと手を振り続け、見守っていました。

その生徒からもらったお手紙に、
「先生、私のこと絶対に忘れないでください。私も先生のこと、忘れません!」
と力強いメッセージが書かれていて、胸が熱くなりました。

「うん、うん・・・忘れないよ。」
そう思いながら、何度も手紙を読み返しました。

「来週からは、ここに立つこともないんだ」と
教室の扉の前でふと足が緊張したのを覚えている。

スタッフからも労いの言葉をいただき、家路につく途中もいろいろな思いがあふれてくる。

この通勤の道も、今日が最後か・・・。

いろいろな思いが心の中を駆け巡るけれど、
どの思いも、その瞬間を通り過ぎるだけ・・・。

そのうち色褪せていく・・・。

だったら、味わおう・・・。

ちょっと冷たくて重たい感情も、
ほっこり温かい感情も・・・。

「いま、この瞬間」をただ通り過ぎる・・・。

そして、時とともに「ヤマハ」という看板もわたしの心からおちてゆく。

ただ、それだけ・・・。

どんな思いも平等に受け入れたい。

きれいごとのように聞こえるかもしれないけど、
「幸せ」の本質は、”ご自愛”にある、とわたしは感じています。

脳は、言葉を表面的に理解しようとしますが、
ほんとうはそういう言葉だけで表現できるうすっぺらいことだけでは幸せの定義はできない、ということを心のどこかでわかっている。

「感じる」ことの大切さ。

そして、感じるその先の自分の心の受け入れる器までも感じきれるか・・・ということ。

その器に”ふた”をしてしまっては、
”ご自愛”は成立しないから。

”ふた”を開けること。

”脳”は限界を作ってしまいますが、
「ご自愛」で作る器には、限界がありません。

限界を超えていこう!

最後の最後まで、学びが深い・・・教室でのレッスンでした。
ほんとうに、今までありがとう・・。

わたしに関わってくれたすべての人たちに・・・、
そして、約25年にわたりがんばってきた「わたし」に・・・。

今日も”愛”あふれる一日をお過ごしくださいませ。








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