みんな何をもって、自分の学びや未来の方向性を決定していくの?
最近、自分の心の整理場所としてnoteを使っていたのですが、どうせならこれまでの棚卸しもしちゃおうと思い、学生のとき&就活のこと&転職したときのことを振り返ってみました(イベントでこのことについて話す機会があって、ざっくりスライドにまとめてみたら、意外と自分の人生が一貫していたことがわかったから、というのもあります)。
そのときはよくわからなかったことも、きっと全体のストーリーで見たら納得がいくことってあるし、意外と情報があってもなくても人の興味・関心って変わらないよということも含めて、誰かの役に立つといいなと思って書いてみようと思います。
でもちょっと美化されている気もするので、話半分で読んでもらえたら。笑
みんな何をもって、自分の学びや方向性を決定していくの?(中高生のとき)
わたしは中高一貫校だったので、特に高校受験をすることなく、4年間みっちり部活やってそれ以外はのほほんと過ごしていました(中1の終わりからオーケストラ部に入って高2で引退したので実質4年間)。
みんな高校に入ると文系・理系を選ぶことになり、模試の成績とかを参考にしつつ、オープンキャンパスとか行って、志望校を決めて、その学校に入るための対策をすると思うのですよね。けれどこのときのわたしは、自分が何が得意で、何が好きかなんてほとんどわからなかったです。もちろんその先仕事をすることなんて、まったくイメージできていなかった。
わたしは、なんとなく理系の自分は想像できなかったので文系を選択し、大学は実際にオープンキャンパスに行って「この場所が純粋に好きかどうか」「その場所にいる自分がイメージできるか」で、出願するかどうかを決めました。
親も基本的に何も言わない人だったし、当時の担任が体育の先生で進路指導についてあまり聞かれることもなく、塾も行くことなく、振り返ればあまり誰かに何かを言われた記憶がない…と思ったのですね(ちなみに、昔母の友人に四柱推命を見てもらったときに、教育分野が向いていると言われたことがあって、それは意外と記憶に残っていたかも)。
けれど、少しずつ自分の中に芽生え始めていたのは、こんな疑問だった気がします。
結果として教育学部英語英文学科に入学し、2年次から学際コースという横断領域で言語コミュニケーションを専攻することにしました(英語の教員免許をとりつつ、環境・メディア・コミュニケーションについて学ぶことができ、その他の科目についても単位認定の選択領域が広いコース)。専門領域は曖昧だったけれど、とにかく楽しかったなという記憶です。
ちなみに卒論のテーマは「時間」でした。色々な国に行くなかで、時差とかだけでなく、体感として流れる時間の違いがあることに興味を持って、それをもっと突き詰めてみたいと思ったのですね。
まさかの教育にも英語にも言語コミュニケーションにもあまり関係ないという…今振り返ってもなんとも役に立たなそうなテーマなのですが、このときに出逢った「ゆっくりでいいんだよ」と「モモ」は、実は今のわたしにもつながっていて、意外と人間の根っこの部分って変わらないのだなと思わされたりしています。
でも、大人になっていくときに大切にしたいのは、意外とこういう「問い」なんじゃないかなと。「先生がこう言っている」とか「親がこう言うから」とか「みんなこうだから」って、どうしても耳に心に染みついてしまったりするけれど、他人の言葉で自分の人生を縛ることほど苦しいことってないはずなので。
このとき、わたしはまだよくわからなかったけれど、このときの「問い」が後のわたしをつくってくれたのだと、今ではわかるのです。
違う世界に行けば自分のユニークさがわかる(大学生のとき)
大学に入ると今度は、いかに自分という「個性」がないかに気づくのです。。それまではちょっと人より勉強ができるというのがわたしの「特徴」だったのですが、そんなのみんな大学に入れば同じレベルなわけで。大学の至るところでいろんな「主張」が行われている日常にびっくりしたし、田舎の優等生だったわたしの中に、「わたしはこう思う」「社会はこうあるべき」なんてこと自体がすごく薄いものだったんですよね。
けれど、振り返ってみて自分を見出すきっかけは、2つのことにあった気がします。
ひとつはイギリスに短期留学に行ったとき。このときはじめてヨーロッパに足を踏み入れて、積み上げられてきた歴史や文化の重みにはっとしたんです。オックスフォードに3週間滞在していたのですが、この学校自体が11世紀とかにできていて、校舎も13世紀とか15世紀から使われている建物なので風格が半端なかった。
日本人って、ここ数十年の「今」に生きている感じがしませんか? 少なくともわたしは、明治維新と戦後あたりで線が引かれている感じがして、学校で学ぶ「歴史」って今の私たちとは関係ない、どこか別の世界で起きていることのように感じていました。
けれど、イギリスの人たちは、長い歴史の上に自分が生きていることを実感している。自分が今立っている場所が、過去から受け継がれてきたものだということを体感として知っている感じがしたのです。いいことも悪いこともあった、けれどそういうこともすべて含めて誇らしいと思える歴史の上に立っているから、その存在が揺らがないというか、変な意味ではない「愛国心」がある感じがしました。
そんなことを思った気がします(先生は言ってたかもしれないけど、正直そんなことは高校生のわたしには一ミリも記憶されてなかった…)。
けれど、この経験をきっかけに視野が広がって、他にもいくつか海外に行ったことで「自分の普通」は「みんなの普通」じゃない、「いわゆる常識とされていることがみんなにとって正しいわけじゃない」ということに気づくようになっていった気がします。
井の中の蛙、的な話がしたいわけではないのですが、けれど自分を見失いそうなときは、一度自分が「日常として生きている場所」から飛び出してみるのはありじゃないかなと思っています。
自分を見出す手助けをしてくれる人がいたらいいのに(就活のとき)
もう一つは就職活動をしていたとき。とりあえず知っている企業を受けまくって落ちまくって、自分の良さが全然わからなくなって。
今は新卒でもエージェントとかを使うことは可能なのだと思うけれど、当時は大学のキャリアカウンセラーとかにエントリーシートとか見てもらっていたりしたのです。けれどあくまで大学職員なので、そんなに彼らも選択肢が多いわけではないんですよね(多分当時のわたしにとっては、大人の人に話を聞いてもらえること自体が価値だった。それも客観的に)。
あるときエントリーシートを出しに郵便局に行った帰りに(当日消印をもらうために24時前に駆け込む時代だった)、ふと思ったのです。
わたしが当時一つだけぶれていなかったのは、「目に見えないものに価値を与えられる人間になりたい」と思っていたこと。いわゆる無形商材とかサービス業とか言われるやつです。
結果、銀行・アパレル・人材・旅行という4つの業界の中から、最終的に旅行会社を選んで入社することになりました(人材とか教育系の会社に入りたかったけれど、当時行きたかった会社には縁がなかった)。
その会社に決めた理由は、面接が楽しかったのと内定の電話の感じがすごく良かったから。あと、実体験として「旅をすることは世界を広げること」だとわかっていて、それをもっと多くの人に知って欲しいと思っていたから、だと思います。
ちなみに、最後に迷った会社は「モノ」を売るアパレルの会社だったのですが、3年で海外に行けるかもしれないということと、ビジョンが面白そうだったから。「新卒」という切符が使えるのは1回しかない、ならば一番成長できる3年間にしたい、そんなことを考えていました。その上で、服か旅、どっちが好きかと考えたときに、旅だった。ただそれだけのことです。
でも今考えてみて、あのとき選んだ道が正解だった気もするし、結局どっちを選んでも、辿りつく道は一緒だったような気もします。森岡毅さんも言っていたけれど、結局は「たくさんある選択肢から1つの正解を選ぶんじゃなくて、選んだ道を正解にすること」だと思うので、決めた後の自分の行動のほうが意外と大事だったりするんじゃないでしょうか。
人間はどんな人と出逢い、影響を受けるかで、人生が変わっていく(迷ったときのヒント)
話は少し逸れますが、「公」と「私」の違いの話。私大とか民間企業に行く場合は、「創立者」とか「創設者」とかの考えを知っておくのってとても大事かなと思います。それは、その場所に行くことによって、それをつくった人の「志」とか「エネルギー」に必ず影響を受けるから(「公」はその対象が国ってことなんだと思うのですが、わたしにはちょっとそれらが見えづらかったんですよね)。
人間はどんな影響を受けるかで本当に人生が変わっていくので、「この人の言葉はなんか響く」「この人の生き方が素敵」と純粋に思えることって意外と大事だと思っています。しかも、近くにいることで必ずその人の素敵なところは、一緒にいる人にも転写されていくから。そして、「なんか惹かれるアンテナ」は年齢や経験に関係なく、誰しも持っているものだから。情報が少ないときほど意外と使ってもいいかもなと思ったりしています。
キャリアの相談をするときも、この人の人生素敵だなとか、こういう歩み方をしたいなと思う人に相談するのがおすすめかなと思います(結局、自分が歩いた道しか実体験としては伝えられないから、です)。
ちなみに会社って創設者の願いに呼応して大きくなっていたりするから、それがブレたりすると業績にも影響したりするんですよ。だからこういう軸を知ってから入社するって大事だと思っています。小さなことの判断の支えになってくれるし、今の上司の言っていることはどのあたりで受け止めたらいいのかな?っていうときの、自分の判断軸になってくれる気がします。
当時のわたしは、松下幸之助さんとか稲盛和夫さんとか斎藤一人さんとか竹田和平さんとか、いわゆる定番の実業家・投資家たちの本を読んでいたのですが、この辺就活する前にさらっと一度読んでおくのはおすすめです(意外と働き始めると、重たい本を読む気が失せるので…)。
と、さらっと書こうと思ったのにめっちゃ長くなってしまった…ので、明日は新卒の会社に入ってから転職するまで、を書こうと思います。
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