”世界一の訪問診療を目指す”クリニックの院長に、その想いを聞いてみた!
‐任先生が医師を目指された理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
父は小児科開業医、母は看護師という家庭でした。父は筋肉の難病を患っていたけれども、母が家で介護をしながらサポートをしていました。患者様もたくさんきてくれていて、忙しそうだったけれども、色んな人から感謝される良い仕事だなと思っていました。訪問診療に興味をもったきっかけとして、母が家で父の介護をしているところを見ていたというのが、影響しているかもしれません。
‐医師や訪問診療をやろうと思ったきっかけについて、お聞きさせていただきましたが、病院から勤められる中で最初から訪問診療を目指してきたのですか?
たまたまではあるんですけど、家で介護をしているような家で育ったので、ゆくゆくは訪問診療に携わりたいという想いはありました。医師としてたくさんの経験を積んで、今ならもっとできることがあるなと思って、例えばその時の父の主治医が自分だとして、もっと出来る事があるんじゃないかと思っていて、色んな経験を積み、訪問診療を志すようになっていきました。もうひとつは、都会の臨床研修医が働くような大きな病院であれば普通は中々経験できないのですが、通院が困難になってしまった方を対象に、院長の方針で訪問診療をやっている病院でもあったので、研修医の頃から経験していたことも影響していると思います。
‐訪問診療には携われていた中で、musubi Groupを選ばれた理由はなんだったのでしょうか?
本音で言うと、小学校は玉造で過ごして、今は母が近くに住んでいます。ここであれば雇われても、場所の縁があるなというのがひとつあります。あとは代表の安部社長と話をして、面白そうだなと感じました。
‐面白そうと思った理由は、他と比べて何が違うとかはあったのですか?
他と比べてというよりかは、ちょうど医師としても12年程になっており、将来何をしようかと考えていたんですね。そのタイミングでたまたま出会いがあって、訪問診療が好きということと、安部社長の人柄とか、やっていることが面白そうだなと思いました。その中で院長のお話もいただいたので、場所や人の縁もあってお受けさせていただきました。
‐働きだしてから、他の医療法人との違いとかを感じられたりしますか?
面白いなと感じている部分は、色んなところに挨拶に行って、他職種の方と話をして自分を知ってもらって、依頼をもらったりとか。そして頂いたご縁で自分の仕事をみてもらって、さらに信頼を得て、ご紹介のリピートを頂く。あとはスタッフ採用や運営に携われたりとか、医師としての業務以外にも、院長としての業務もできるっていうのは面白いです。
‐今まであまりされてこなかった業務をすることで、ギャップを何か感じられていないですか?
開業医としての道を選択していたとしても、まだこのスパンだったら、今と同じようなスピード感でこれたとは思うんですね。開業医ではなくmusubi Groupに入った理由にもつながるんですけど、ひとりで開業するよりも、musubi Groupに入ったほうがもっと大きなスケールで仕事ができると思ったからというのがあるので。ひとり開業医だったら、それこそ全部自分でしないといけないじゃないですか。事務的なことは、法人のサポートが受けられている実感があります。医師会の仕事も自由にさせて頂いていますし、いいとこどりではないですけど、期待通りに法人にサポートしてもらっています。
‐医療法人結新会のミッションの中で特に共感されている部分や今後していきたいことはありますでしょうか?
寄り添える支援者となることはもちろんですが、地域における発展や貢献っていいなと思っています。
‐地域医療に対して、ご興味を持たれた理由はなんでしょうか?
自分に子供ができてから意識するようになったのかなと思います。その地域というか、自分が死んだ後もそういうものを、子供たちの時代に残したいとか、もっといい街になっててほしいだったりとか、もっといい地域になってほしいと思うようになりました。
‐現在のお仕事の内容についてお聞きしたいのですが、普段はどういった業務をされていますでしょうか?
私のキャリア的にがんの治療医をしていましたので、がんと診断されてから治療して亡くなるまでを、がん種問わず、肺がん、胃がん、すい臓がん等固形がんから悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病等血液がんまで経験させて頂きました。それが地域や病院さんから評価されているのか、終末期のがん患者様の紹介を多数頂いています。あとは父親が筋肉の難病だったこともあって、神経難病の方の在宅での生活に関わりたいっていう想いがあって、積極的に関わらしてもらっています。それと医療的ケア児の方の成人期移行症例も見ていきたいです。
あとは私が大学病院の総合診療科で働いていたこともあって、ひとつの臓器にこだわるというか、臓器別ではなくて、臓器を横断的に学んできたことも強みの一つです。高齢者診療ということもあり、単一臓器の問題だけではなく、複数の疾患を併発されてる方がほとんどなので、今までの大学病院の総合診療科でのキャリアが役に立ったりとかして、その人にとってより良いものが提供できるようにしています。ただ治療できることと、治療することとは違うと思っています。医療としての可能性の選択肢を提示することはしますが、それを選ばれるどうかは別問題なので、本人、家族と丁寧に対話するように心がけています。
‐任先生がお仕事をする上で大切にしてる事はありますでしょうか?
仕事の考え方としては、患者様やご家族、看護師や事務スタッフ、関わる多職種の方含め、自分に関わっている人が、私と関わることで、少しでも私と関わって良かったなって思えるようになって欲しいとは常に思っています。『先生と関わって、なんかちょっと人生よかったな、あの時面白かったな』みたいなことを言ってもらえるように仕事ができたらと思っています。
‐訪問診療のやりがいの部分を教えていただけないでしょうか?
訪問診療で私が大事にしているのは、患者様やご家族から、あの先生でよかったなと思ってもらうことです。訪問診療を利用されている患者様は、これまで信頼していた病院や先生に、通院ができないことで会えなくなり、いきなり私たちが訪問診療でお伺いするので、すぐに信頼関係をつくることは難しいです。それでもその短い時間で信頼関係を構築したりとか、患者様の生活とか考え方とかを、病気だけを見るのではなく、今までの人生を丸ごと大事にして、最期はこれでよかったなと思ってほしいです。自分の親が亡くなるといったタイミングで、言い方は悪いですが変な人が来たら嫌じゃないですか?なので、そういうことを大事にしています。
逆に私もそれぞれの患者様やご家族から、人生で大切なことを学ばせていただいたりとか、そういうところが訪問診療の面白さであったり、そういういった生活とか歴史を垣間見させてもらいながら、患者様の人生を勉強させてもらって、逆に患者様の最期になにか、安心感とかを与えられる、感じてもらえるようになれたらなと思っています。
‐事業所のキャッチコピーとして”世界一の訪問診療を目指す”とお聞きしたのですが、どういった想いでつくられたのでしょうか?
各メンバーが世界一の訪問診療と謳うことで、各メンバーがこれで本当に世界一なのかと、それぞれの仕事で自分の中でいいものを作り上げるように努力したりとか、勉強したりとか、医学の勉強だけではなく、それこそ哲学とか文学とか歴史とか宗教とか芸術とか、そういうものに触れたりしながら、自分の魅力をあげていかないと、人を満足させるサービスはできないと思っています。だからそういう風になってほしいなと。
指標として世界一になるために、患者数は1万人を目指すとかではなく、ひとりひとりがこれ以上にない、自分なりのパーフェクトなサービスができるっていうのが、世界一につながるんじゃないかという想いです。それぞれ関わっているスタッフが、世界一のおもてなしができるような、そんな事業所を目指そうと。スタッフそれぞれが想う”世界一の訪問診療は何か”って考えて、自分は何をしたらいいのか、その為に何ができるのか、を考えながら、みんなが楽しく働ける事業所を目指しています。
‐訪問診療に挑戦したいなと思っている方にメッセージをお願いします。
訪問診療で大切なのは、人が好きだということです。人と関わることが好きであれば、必ずできることはそれぞれあると思いますし、そういった人でご興味があれば、積極的に飛び込んできてほしいですね。
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