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「7時のニュース~きよしこの夜/7 O'clock News/Silent Night」 サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」第12曲
2000年〜2001年発行メールマガジン「all simon and garfunkel」掲載の記事 これは厳密にいうとサイモン&ガーファンクルの作品ではありませんが、珍しいので取りあげておくべきでしょう。 (※オリジナルの歌はクリスマス・キャロル。S&Gの作品ではありません。しかし、二人の重厚なハーモニーとラジオから聞こえてくるニュースをかぶせるというアイデア自体で紛れもないS&Gのオリジナル作品と言える、と今は思っています) 夜7時のニュース。ラジオ放送ですね。早口の
「地下鉄の壁の詩」 A Poem On The Underground Wall/サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」第11曲
地下通路を歩く足音を想像させる、ギターの単音によるリズム、そしてスピードのあるアルペジオと二人のハミングという前奏。 私の第一印象は、「独特の雰囲気」、というより「変わった歌」でした。 なにやら怪しげな男が登場。何者なのか?終盤までわかりません。 クレヨンで何をするのでしょうか? メロディは、コード進行に刻み落下する5つの音に合わせ構成されています。歌というより、語りに近いもの。 やがて地下鉄が到着し、人々がドアから流れてくる。しかし彼は人波を避けるように再び闇に身を隠
エミリー・エミリー For Emily, Whenever I May Find Her/サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」第10曲
美しいガーファンクルの歌声が心に染みる歌です。 アルバム版では、アートの声が多重録音されていて、美しくも力強い仕上げになっています。それでいて淡々と歌っているのがとても印象的。 ポールのギターも綺麗で、あのアルペジオを12弦ギターで!しかもカポタスト使用に驚愕しました。 昔何度も真似してみましたが、うまくいかなかったことを覚えています。 愛する恋人と逢うまでのときめき、そして出会った時の感激、一緒に歩く喜び、それらを夢の中の出来事として歌う。本当に美しく。 詩もメロデ
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「簡単で散漫な演説」A Simply Desultory Philippic/サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリーアンドタイム」第9曲
正直に書きますが、メールマガジン「all simon and garfunkel」を始めた頃、書くのに苦労しそうな作品がいくつかありました。それらの歌はみな、S&Gの作品曲中異端的存在で、定番の美しいハーモニー、奥深い詩などの評価をしずらいものだからです。 独断と偏見で結論づけさせていただけば… これらの作品は、S&Gマニアでもなければ積極的に聞きたくない部類、トラックをすっ飛ばしてしまう曲かもしれません。レコードメーカーも十分承知しているようで、ベストアルバムだけでなく、
「夢の中の世界」 The Dangling Conversation/サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」第7曲
相変わらずポール・サイモンの美しい詩がとてもいい。 ギターの前奏に続く、控えめなポールのソロに、アートがハーモニーを付け、伴奏にはストリングスが要所に加わる。 一言で、ピュアーというか、洗練された歌です。 でも、この歌の詩をよく読むと日本語題名と、歌の内容とのギャップの激しさに唖然とします。私はこの曲を初めて聴いた頃からこの文書を書くまで詩の内容を全く理解していなかったのでした…。(歌詞カードの内容を理解していなかっただけですが) 漠然としたイメージは・・・・ 夢の中つま
「59番街橋の歌」 The 59th Street Bridge Song/Feeling' Groovy/サイモンとガーファンクル「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」第6曲
※タイトル写真はPhotoShopの生成AIで作成した59番街橋(ニューヨーク) 清々しい詩です。 徹夜明けのもうろうとした、それでいてどことなく高揚した気分をうたっているようです。マリファナでハイになっている状態を歌ったという説もあり、そういう雰囲気を察した当時の若者たちの間で大ヒットになったとも。 この作品のサウンドの特徴として注目するのは、ポールのフィンガーピッキング奏法に加え、軽快なドラム、ウッドベース。実に効果的に加わっています。ポールが、他のグループのメンバー