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「老人の会話」Voices of Old People/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第5曲
この作品は歌でなく、老人たちの会話を録音し編集された作品です。英語ですし、よく聞き取れない声の小さな女性の会話などもあり、英語を聞き取れない私のような日本人は雰囲気だけ感じ取るしかありません。
この奇妙な試みを考えたのは、アート・ガーファンクルで、彼はテープ・レコーダーを持って、ニューヨークとロサンジェルスのさまざまな場所で老人の会話を録音したそうです。ここに収録されているのは、抜粋で、ユダヤ老人共同ホーム、リシーダのカリフォルニア老人ホームにおけるものだそうです。
最近、彼らの会話を注意深く聞いてみています。聞き取れないところや理解できない単語もあり、完全に意味を把握できませんが、わかった範囲で書いてみます。
(元原稿執筆時2000〜2001年始めの頃。2024年現在はSPOTIFYで会話英文が読めます。若干加筆しました。)
【老人の会話】(抄訳:musiker)
男性1が、ある写真を手に入れるため100ドルのお金を払ったことを語り、女性が驚嘆の反応をします。
男性1:俺は、この世界で手に入れたものは本当にわずかだ。でも、後悔はしていない。正直な気持ちさ。しかし(唯一の自慢は)その写真に100ドル払ったんだ。○○とのツーショットのためにな。
女性1:うわあ、なんてことよ!信じられない!
別の女性が、自分の持っている写真を皆に見せます。最初の結婚の時、16歳の時の彼女と夫が写る写真。
女性2:私の写真をお見せするわね。最初の結婚の時の夫と私よ。
私はいつも片側で寝て、夫のためにスペースを空けておいたわ。
女性2「別に珍しいことじゃないわね。(一人になった)今もその習慣は続いている。…(間)。あの頃、私たちはこっそり忍び寄ったものよ。」
男性2「前に診てくれた医者はどうしたんだ、長くご無沙汰じゃないか。48時間も出血は続くし、もう3ヶ月も粘液が出てこない。こりゃ絶体に普通の風邪じゃない。」
女性3「神はお許しくださる。けど、お金のない老人は哀れなものよ。」
母と子の話になります。
女性4「子供たちと母親たちの関係。それが我々の流儀でもあるけど…彼らは(声が小さく聞き取れない)。
女性5「だって、母親は子供の世話を焼きすぎなのよ。」
その言動に横やりを入れるように、机を叩き、
女性4「それが母親の人生でしょ。母親は常に子供に人生を捧げるものなの!」
しおらしく
女性5「そうね、そうよね」
「もう若くはなれないんだ。俺たちはもっと歳をとっていくんだ。ああ、それだけさ、、、」
と寂しく語る男性3。
女性6は、そばの老人たちに「ここにいて皆幸せ?」と再三尋ねます。
男性4「いつもルーさんと散歩できるしな。それがすべてさ」
女性6「シンガーさん、私たちと一緒にここにいて幸せ?」
女性7「私たちは散歩できないけどね」
女性6「私は幸せよ。ここにいれば皆が私に反応してくれる。え、何、何?って注目してくれるでしょ。」
女性8「素敵だわ。自分の家の、自分部屋にいるみたいで」
私の乏しいヒアリング力によるものですし、わからない部分は私の創作も混ざっていることをご理解下さい。でも、会話の雰囲気をお察しください。
コメントは特にしません。しかし、自分の親も既に老人の域ですし(2024年時点では私も…)、私たちもやがて歳をとります。その時にどんな会話ができるのだろう。会話の相手は誰なのだろう、相手はいるのだろうか。そして、その会話は生きた会話のままでいつまで続けられるのだろうか、と考えるのは、恐ろしくもあります。
奇妙なこの作品、賛否両論あるでしょうが、フェイドアウトした会話に重なりフェイドインしてくるこの後の6曲目「旧友」との見事な調和。
アルバムの中でもきわめて重要な役割を果たしているのではないでしょうか。
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