我が子を救いたまえ Save the Life of My Child/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第2曲
騒がしい歌です。高いビルから飛び降りようとしている少年を見ながら、大騒ぎする人々の光景を実況生中継するアナウンサーのよう。
腹の底に響く低音部のけたたましいエレクトリック音、べース、そして妙にクリアなアコースティックギターによる伴奏に続き、歌うのは、ポールによるあわてふためいた歌声
早口でポールはまくしたてるように歌う、というかしゃべっているような感じです。
そして、この歌で共通するさびの部はアートと共に妙に美しいハーモニーで天使の歌声のようです。
第2番では、
ニューヨークタイムズは、その事実を無視したのでしょうか?
そして前奏と同じ間奏に続き、なぜか「サウンド・オブ・サイレンス」の録音冒頭部が重ねられます。S&Gはそのテーマである「疎外感」を「我が子を救いたまえ」において別の形で表現しようとしたのでしょう。
第3番、
子供と大人との対立、官と民の対立、今の時代も昔も全く変わらないよう。規則を守らせることに躍起となる側、自由でありたい側の反抗。すべてそれらが行動に現れてくる、時には大事件にまで発展していく、、。
しかし、子供を助けてと泣き叫ぶ母親の祈りとは全く別の展開となってしまいます。
第4番では、少年はスターになってしまう。飛び降りという行為が、他人である観衆からは、ショー化してしまうのです。
静かに、しかし悲しげに、2人は歌います
この部分、聞くたび私は背筋が凍る思いがします。あまりにも美しすぎるから。
飛び降りたんです、少年は。つまり死んだのでしょう。
なのにこんなピュアな歌声!!なんと残酷なコントラストでしょうか。言葉を失ってしまいますね。
そして、最後次の一行が繰り返されます。
サイモン&ガーファンクルが「我が子を救いたまえ」で訴えたかったことは、ここに集約されています。
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