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第二期研究員期間終了から早3か月!「音楽を仕事にする」の真意~足掛け転活3年目のリアル~

新しい働き方LAB第二期研究員を終えて

行動することが当たり前に

 研究員就任~期間終了を迎えて、一番自分の変化を感じたことは「行動することが当たり前になったこと」です。
これまで様々なコミュニティに所属する中で、どこかで”行動している自分に対する承認欲求”が手放せず、「こんなに行動していて私すごいでしょ?」と言わんばかりに、行動そのものが目的になっており、結果に対しては良くも悪くも本質が見えていない状態が続いていました。
 時間がたつにつれ、「行動したことに意味がある」、として悪い結果もどこか受け入れがたく、本気で改善のための行動をとらなかったことで、一定以上の結果は得られない、そんな自分の状況に漠然とした不安を覚えるようになりました。
 そんないわゆるスランプ期間を経て、現在では行動することが当たり前に。行動したその先に目指す結果(目標)について真剣かつ明確に考えるようになったことで、下手な鉄砲を撃ちまくる戦術からようやく的をめがけて矢を放つようになりました。

働き方の多様化

 さらに大きな変化が訪れたことは、自分の中で働き方の選択肢が多様化したことです。
心のどこかで正社員絶対信者だったものが、派遣・フリーランスを実際に経験することで大変さを感じる一方、メリットや自分にとって本当に望む(合う)働き方について考えるようになりました。

ワークライフバランスを意識した転職活動

 さらに学生時代と比較して、年齢面でも環境面でも結婚・出産・育児といったものがより現実に自分事としてとらえられるようになったことで、「ここで働かせてください!」「仕事のためならいつでもどこへでも行きます!」といった自分の中にある社畜マインドが緩和され、自分も、夫も、子どもも幸せに生きていくために、どういった選択がベストなのかと考えるようになりました。

自分にうそをつかない

 正直、転職活動や就職活動は長期になればなるほど気力・体力共に著しく消耗していきます。なるべく短期間で終わらせたいがために多少希望と違ってもご縁のあった方に飛びついてしまう、その繰り返しでいわゆる「軸」を見失うこともこれまでに多くありました。

 自分は本当はどうしたいの?
 やりたい仕事が出来たとしてこの給与で納得できる?
 高収入でもこれは本当にやりたい仕事?

 最近では、自問自答を繰り返す中で、学生時代よりも質の高い転・就職活動が出来るようになってきた実感があります。

「待て」が出来る女性に

 こと恋愛において、「いい女は"待て"が出来る」などという話を聞いたことがありますが、転活においても同じ。
 少しでも自分にとってより良いキャリアを築くことが出来るよう、ある意味八方美人で複数社同時進行していく訳なのですが、出来ることならより志望度の高い企業に時間を割きたいと考えるのが一般的ではないでしょうか。そうした時に、すでに複数社選考が進んでおり、それらの準備に追われるばかりで肝心な第一志望の準備がおろそかになってしまう、というようなことになれば元も子もありません。
 そうした事態を避けるためにも、ある程度志望度の高い企業へのエントリーが一通り済んだら、いったん各社からの返答を待つ。その間に魅力的な求人が出されたとしても、それが本来の志望動機とマッチするものなら良いですが、少しでも早く選考を終わらせたい気持ちに起因する動機ならエントリーは見送る、など冷静な対応が必要だなと感じました。

転職活動の進捗と具体的な対策

自己分析、キャリア・ライフプランの設計から

 学生時代の就活を振り返ってみると、今思えば明らかな自己分析不足だったと感じます。
当時は音楽を仕事にすることはおろか、音楽そのものに漠然とした絶望に近い感情を抱いており、何に対してもやる気が起こらず、すべてがどうでも良いと考えていました。
 仕事に関しても、飲食店でのアルバイト経験から得意の接客が生かされれば良いな、くらいの感覚で自分の潜在的に望む働き方や将来など、深く探ろうとは思いもしませんでした。そうして臨んだ就活は、もはや就職浪人だけはしたくないと意地だけで決めた仕事。当然意欲的にもなれず、やりがいも見いだせず、体調不良で早期退職という無残な結果に終わりました。
 そんな学生時代の経験を反面教師に、現在の就業先に派遣されて以来、実に約3年近くの月日をかけて徹底した自己分析、自己との対話、働き方に対して視野を広げるための様々な取り組みを行い、かつ焦らず、転職のタイミングを待ちました。

「音楽を仕事にする」の真意

 これまで、漠然と「音楽を仕事にする」ということを考えてきましたが、これは私にとって演奏活動での収入※出演料等のみで生計を立てること(立てなければいけないこと)とイコールになっていました。
 ところが実際そういった生活をしている人は文字通り一握りで、かつ音楽家として長年のキャリアを築いているベテラン勢、もしくは国際コンクール優勝など幼少期から輝かしい経歴を持つ人だけ、心のどこかで自分とは縁のない世界だと諦める気持ちもありました。
 しかし、"音楽"とひとくちに言っても仕事としてそのかかわり方は様々。
最近ではドラマリ○ーサルオーケストラを見てプロオーケストラのライブラリアン(事務局職員)に興味を持ったり、プライベートで観劇した劇団○季の公演で素晴らしいお客様対応をするスタッフの方を目の当たりにし、劇場支配人について調べたりもしました。そしてフリーランス音楽家として仕事をするようになってからは、教室入会業務担当したり、飛び込みで演奏の場を獲得したりする中で「営業」の分野に強い興味を抱くようになりました。

変化した志望業界

 これまで音楽=演奏、という固定概念にとらわれていた私は、そのほかに指導、企画、制作、営業と幅広い職種があることを知り、同時に自身のこれまでの音楽経験と音楽以外の仕事の経験が役立つ職種、として「営業職」を第一志望に楽器店や楽器メーカー、第二志望にはこれまでの接客・サービス業で培ったコミュニケーション力が発揮されるとして文化・芸術施設の職員を目指すことにしました。

自分に優しくすることはみんなが幸せになること

完璧主義を手放す

 「どうせやるならきちんとやりたい」、「こんなんじゃ世に出せない」、"プロ意識"だと自負していた感情は、いつの間にか極端な100/0思考を生み出し、自分自身から多くのチャンスを奪っていました。
 「結果よりも過程(プロセス)」、この言葉にこれまでピンとこなかった私ですが、最近ではようやくその意味を少しづつではありますが理解していったように感じます。
 悪いことは二度と起こらないように、良いことはまた再現できるように、プロセスをよく観察・記録して総括する、感情と思い付きだけで行動量を稼いでいた私は、これから行動の"質"にもこだわって挑戦を続けようと思います。

他人にも自分にも甘く、それって悪いこと?

 「自分に優しく」、とか「自分を好きになる」というと、それは甘えだとかナルシストとかすぐに反論の矢が飛んできます。でも、考えてもみれば自分に厳しくストイックに努力を続けられる人は大きな成果を上げられる一方で回りの人間にも同じく厳しさを求めがちではないでしょうか。
 そうしてどんどん孤独になる人を何人も見てきました。かくいう私も、学生時代は一人でストイックに頑張りたいタイプで、友達と慣れあいしている暇があったら少しでも自分の技を磨こうと、放課後の付き合いや誘いの席は煩わしさしかありませんでした。
 しかし、自分がこれまで馬鹿にしていた、というと言いすぎですが、少なくとも「この人たちのようにお気楽にはやっていられない」と思っていた人たちは、一人一人のスキルはそれほど高くなくても、チームを作り、大きな力を得て続々と成功しているように見えたものです。
 そこで初めてチームを作ることの大切さ、チームワークという言葉がなぜ存在するかを悟ったような気がします。
 最近は人に優しくするためにはまず自分から、をモットーに疲れたら休む、無理なことは断る、など自分をいたわる時間を設けるようにし、過去の自分を含め自分を肯定できるようになると、不思議と周りの人間関係も良好になっていったように思います。

心の痛みを武器に変えて

 前述の通り、新卒入社では失敗の連続。仕事そのものも激務であったことから入社1ケ月ほどで抑うつ状態・過敏性腸症候群・心因反応などと診断されます。
 そして振り返ると、これまでも長らくの間心身の不調を感じる場面は多くあり、特段治療にあたるきっかけもなく、ただ悶々と自分を責めては開き直ってを繰り返してきました。
 いまでこそインナーチャイルドやHSPといった病気ではなく状態、性質(気質)があることを知り、これも自分の個性としてとらえられるようになったことで、多少は生きやすくなったと感じます。
 これまでは「病んでるから」、「メンヘラだから」などと言って自虐的に自分を卑下することでこれ以上攻撃されないように自分を守ってきました。
 でも、その弱い部分も含めて自分を好きになろう=肯定しよう、としたときに「人の気持ちに敏感に反応できる」、や「豊かな感受性で気持ちや状況を整理・想像することが出来る」など悪い側面ばかりではないことに気が付いたのです。

座右の銘

 いま、座右の銘にしている考え方があります。それは

 1を聞いて10を知るくらい貪欲に
 100を聞いても、自分には半分程度の理解であると思うくらい謙虚に

 物事は常に様々な角度から見ることでその本質が見えてくることがあります。そして、人には誰にでも過去があり、経験した痛みや苦しみは他人が気安く想像できるものではありません。
 これまでの経験を踏まえて、たった20数年の、しかしとても充実した過去を糧に、これからも納得のいくキャリアを中長期的に描いていきます。


Written by:Ayaka Kobuse

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