Takahiro.Tsutsumi

ビジネスパーソンのメンタルヘルスが専門の産業医・精神科医です。 NewsPicks+d…

Takahiro.Tsutsumi

ビジネスパーソンのメンタルヘルスが専門の産業医・精神科医です。 NewsPicks+dで「産業医に聞くメンタルハック」連載中 Twitterでは毎日メンタルハックをつぶやいてます→https://twitter.com/djbboytt

マガジン

  • 寄り添う”以外の”メンタル対応

    連載「寄り添う”以外の”メンタル対応」を読みやすいようにマガジンにしました。

最近の記事

第5話 メンタル対応の判例 ~発達障害編~

はじめに前回は、うつ病についてのメンタル対応に関する判例について解説しました。 改めて、内容をまとめると 企業には下記が求められると言えます。 ➀メンタル不調は自分から言いだしずらいのだから、企業は積極的に確認すべきである。 ➁不調時には、受診を勧めたり、業務を多少軽減したりするだけでは不十分である。 ➂状態が安定するまで十分に業務を軽減したり、休ませたりすべきである。 さて、今回は発達障害に関する判例を紹介していきます。 昨今で発達障害は雑誌などの特集で扱われ

    • ダンスイベントのコロナ対策まとめ

      産業医として2022年3月12日、13日に行われたダンスイベントREAL14で、新型コロナウイルス対策及び安全対策の監修を行いました。 感染対策の結果報告をするとともに、他のイベント開催の参考になればと思いコロナ対策の概要をお伝えします。 結論から言ってしまうと、妥協のないエンターテイメントと感染対策は十分に両立可能と思います。 こちらの記事を参考に様々なイベントや集会等にご活用いただければと思います。 1.コロナ関連の報告REAL14は2日間階開催、ともに出演者約1

      • 第4話 メンタル対応の判例 ~うつ病編~

        はじめに前回は、メンタル対応では”正しく逃げ道をふさぐ”責任を企業が負っていることを説明しました。 これはメンタル不調になられた方を不当に追い詰めるというわけでははありません。 その場しのぎの対応に終始せず、長期的な見通しをもって対応すべきだという意味です。 今回は適切な対応をしなかった結果、企業が法的な責任を問われたケースを紹介していきます。 いずれのケースも示唆に富んでおり、 「え?うちの会社は大丈夫かな?」 「そういえば○○さんの対応に似てるけど、、」 と

        • 第3話 具体策の総論 ~正しく逃げ道をふさぐ~

          はじめに 前回までは、”寄り添い”には落とし穴があること、そしてその落とし穴の正体を説明しました。 そのうえで、企業にはその落とし穴にはまらないために責任をもって手を打つべきだ、ということをお話ししました。 今回は企業がとるべき具体策を総論的にお話ししていきます。 第1話では2人の人物が登場しました。 ・うつ病にかかりながら、不十分な回復で働き続けたAさん ・ミスが多く発達障害の診断もあり、ハレモノのようになってしまったBさん この2人です。 さて、それぞれに

        第5話 メンタル対応の判例 ~発達障害編~

        マガジン

        • 寄り添う”以外の”メンタル対応
          6本

        記事

          第2話 ”寄り添い”の落とし穴の正体

          はじめに前回は、ゴールなき”寄り添い”を続けると落とし穴にはまってしまい、結果として本人も会社も苦しんでしまうということをお話ししました。 なぜ寄り添っただけでは事態が解決しないばかりか悪化するのか? 今回のそのメカニズム=落とし穴の正体を説明します。 そのメカニズムは大きく3つに分けることができます。 1つずつ解説していきます。 1.メンタル不調の長期化によるダメージの蓄積 メンタル不調の代表格「うつ病」は認知機能=頭の働きを低下させてしまいます。 うつ病のさな

          第2話 ”寄り添い”の落とし穴の正体

          第1話 ゴールなき”寄り添い”の落とし穴

          はじめに今回から『寄り添う”以外”のメンタル対応』シリーズを書いていきます。(もくじはこちら) まず今回は企業でのあるあるケースをご紹介して、ゴールなき寄り添いがどのような問題を引き起こすか見ていきます。 紹介するケースではメンタル不調や精神疾患に苦しむ社員が登場します。 このnoteで強調したいことは、病気の人を糾弾したり・排除したりすることではありません。 むしろ企業が責任をもって、病気に苦しむ社員や周囲の人が無理なく、病気で必要以上に苦しむことなく働けるように対

          第1話 ゴールなき”寄り添い”の落とし穴

          もくじ ~寄り添う”以外の”メンタル対応~

          公開済みの回はクリックで飛ぶことができます。 自己紹介 第0話 寄り添う”以外の”メンタル対応 第1話 ゴールなき”寄り添い”の落とし穴 第2話 "寄り添い”の落とし穴の正体 第3話 具体策の総論 ~正しく逃げ道をふさぐ~ 第4話 メンタル対応の判例 ~うつ病編~ 第5話 メンタル対応の判例 ~発達障害編~ 【以下は順次公開予定】 4,具体策 各論➀ 疾病性と事例性KAPE 5,具体策 各論➁ 疾病性と事例性 4象限マトリックス 6,具体策 各論➂ 業務

          もくじ ~寄り添う”以外の”メンタル対応~

          自己紹介

          このnoteを開いてくださりありがとうございます。 はじめまして、堤 多可弘と申します。 私は「健康問題を経営問題にしない」をミッションとしている産業医です。これには二つの意味があります。 ・適切な予防:防ぐことができる健康問題を起こさないこと。 ・適切な対応:健康問題が起きてしまっても、経営問題に至らせないこと。 この2つです。これだけだと企業のことばかりひいきしているように見えますが、予防そして対応を適切に行うことは個人にとっても最大限のメリットになると思ってい

          第0話 寄り添う”以外の”メンタル対応

          ➀はじめにあなたの企業や仕事仲間でメンタルの不調になっている方はいませんか? そしてあなたや会社の対応は、下記のようなゴールなき”寄り添い”に終始していないですか? このnoteは企業でのメンタル対応に苦悩する、人事、労務、経営者、管理職、産業保健職向けです。 個別面談のコツ、メンタル対応への体制・ルール作り、メンタル不調の基礎知識などについて連載していきます。本シリーズをお読みいただければ一通りの対応ができるようになるはずです。(もくじ) 自己紹介やこのnoteへの

          第0話 寄り添う”以外の”メンタル対応

          コロナで見えた「雑談」のチカラ

           ご無沙汰しております。産業医・精神科医の堤 多可弘(twitter) です。 今回は人事・労務の方、ひいては経営者の皆様にTIPS的ではありますが、コロナで起きているメンタルヘルスの変化についてお話しし、その対応策を提案したいと思います。  まずは簡単に自己紹介をさせてください。 私は「働く人の健康をすべてのステージで支える」ことをライフワークとしています。  そのためいろいろな肩書で活動しています ・健康経営コンサルティング企業 株式会社Appdate取締役 ・ビ

          コロナで見えた「雑談」のチカラ

          「KAPE」~管理職や人事労務が産業医に相談すべき基準~

           こんにちは、産業医の堤です。今回は、人事・労務はもちろん管理職の方にも是非見ていただきたいnoteです。「部下の健康管理も管理職の仕事」とか「部下の不調時には産業医に相談を」とか聞いたことはないでしょうか? そして、こんな疑問を抱いたことはないでしょうか?「じゃあ、どこまでが俺の仕事でどんな時に相談すればいいのよ?」  今回はそんな悩みにこたえるべく、産業医につなぐべきケース(事例性)を語呂合わせにまとめました。早期発見をして適切な対応をすることは不調で悩む本人を守ることに

          「KAPE」~管理職や人事労務が産業医に相談すべき基準~

          産業医活用TIPs メンタル対応編

          こんにちは、産業医の堤 多可弘といいます。産業医は企業や従業員と協力して働いていますが、意外とその業務内容や活用方法は知られていません。そこでnoteでの発信を思いつきました。今回は企業、特に労務を担当する方向けの発信としてこの記事を書きました。記念すべき(?)第1回はメンタルの不調対応における産業医活用3つのSTEPを紹介したいと思います。 1.自己紹介 精神科医から産業医へ まず簡単に自己紹介をさせてください。私は2011年に医師になり、2013年から現在に至るまで精神

          産業医活用TIPs メンタル対応編