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僕の一番長い106日間 ~ 塀の中体験記

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突然の逮捕から106日間の留置場・拘置所での日々。獄中からえんぴつ書きで妹に送ったマヌケな日記を公開。
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#逮捕

85日目(3)- 願出

(前回の記事)  さて、朝食の後には、曜日によっていくつかの「公式行事」が控えていた。大…

酔生夢死
3年前
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85日目(2)- 穀潰し

(前回の記事)  7時20分、点検。「ブーッ」とブザーが鳴り響き、「点検ヨォ~~イ!」の大…

酔生夢死
3年前
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1日目(1) - 僕んちに警察がやってきた。

 この日早朝、僕んちに警察がやってきた。  前夜朝方まで飲んで寝ぼけていたせいもあり、ま…

酔生夢死
4年前
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1日目(2) - そこはまさに「塀の中」

(前回の記事)  さて、それからは簡単な取り調べ。現在の生活ぶりや、ザッとした経歴等を確…

酔生夢死
4年前
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1日目(3) -「ようこそいらっしゃいましたぁ」

(前回の記事)  小一時間も眠った頃、担当に起こされる。この日は運良く「入浴日」に当たっ…

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4年前
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2日目(1) - この日僕は呼び出しを受けた。

(前回の記事)  朝七時起床。七時になると部屋の明りが点き、担当が「おはよう」と各房に声…

酔生夢死
4年前
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2日目(2) - ボースン、刺青、ボウズ

(前の記事)  この日同行したのは、僕が勝手に「ボースン」と名付けていた巡査であった。黒澤明の『天国と地獄』に出ていた「ボースン」そっくりだったからである。日頃は剽軽だが、いざというときにはドスの聞いた怒声を飛ばすところも何となく「ボースン」なのである。  車で宇都宮地検へと向かう。窓外の景色が、たったの24時間で、すっかり別世界のようである。自転車通学の学生、荷台に資材満載の軽トラ、信号待ちで携帯で話すサラリーマン、なんだか妙な違和感を感じる。車内でもらった煙草を吹かし

4日目 - 『のど自慢』人気の秘密

(前の記事)  朝八時半。「運動」の時間。これは、一日に一度だけ、外気に触れられる時間で…

酔生夢死
4年前
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24、25日目 - 深ぁいため息

(前の記事) 24日目  今日は久々の快晴である。ほとんど外光の入らぬ留置場でも天気に左右…

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4年前
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26、27日目 - 判明した事実

(前回の記事) 27日目 僕も一房では最古参なので、廊下側に陣取っている。ただこの場所は、…

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4年前
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28、29日目 - 何がどうという事もない

(前の記事) 28日目 このところすっかり留置場暮らしが板について来た万田氏、久々に落ち込…

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4年前
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30日目 - 永遠ほどに、先が長い。

(前回の記事)  朝の運動ニュース。刑務所での「労役」。これにはちゃんと日当がつき、日常…

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4年前
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32、35日目 - 懐かしげ

(前回の記事)​ 32日目 朝の運動を待っていると、早々と風呂に入るよう言われる。とうとう…

酔生夢死
4年前
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36、38日目 - ついに小衝突

(前回の記事) 36日目 ここでは、寝る前にメガネを預ける。これも、レンズを割っての自殺防止のためである。眠れない夜は、トイレの中で電球を頼りに本を読む。僕は強度の近眼なので、舐めるように本を近づけて読まねばならない。  朝になるとメガネが届けられるのだが、この朝は誰の物とも知れないメガネが届けられた。  もっとも、すぐに正しく戻って来たので、ただそれだけの事ではある。  朝の運動時、看守に、未だ検事取り調べのないマジックマッシュルームの追起訴について聞いてみる。やはり盆