2日目(2) - ボースン、刺青、ボウズ
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この日同行したのは、僕が勝手に「ボースン」と名付けていた巡査であった。黒澤明の『天国と地獄』に出ていた「ボースン」そっくりだったからである。日頃は剽軽だが、いざというときにはドスの聞いた怒声を飛ばすところも何となく「ボースン」なのである。
車で宇都宮地検へと向かう。窓外の景色が、たったの24時間で、すっかり別世界のようである。自転車通学の学生、荷台に資材満載の軽トラ、信号待ちで携帯で話すサラリーマン、なんだか妙な違和感を感じる。車内でもらった煙草を吹かし