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いつまでも「ルーキー」ではいられない、その世界で【6/20ソフトバンク戦⚫️】

そこに立つだけでわくわくさせてくれるルーキーが、結果を残す立派な戦力として期待してしまうようになるまでには、どんなきっかけや流れがあるのだろう、とふと思う。今や村上くんは、すっかりそんな存在になっている。

去年、てっぱちがどれだけホームランを放っても、同点や逆転のタイムリーを放っても、サイクル安打まで達成しても、それでもまたすぐに逆転されてしまう試合を見ながら、このまだ25歳の若者が放つ1本を、先輩たちは必死に守ってあげなきゃいけないよな、と、私は思った。25歳なんて、本当はまだ、組織のためじゃなくて自分のために働いていい年齢だ、と。

それを今年はすっかり、19歳の村上くんを見ながら思っている。村上くんはいつも「チームが勝てないと意味がないんで」と言う。いやいや君は19歳なのだ。チームが勝てなくたって現時点で10球団から19本のホームランを打っちゃう記録なんて、もっともっと喜んでいいはずだ。

でも、そう、去年のてっぱちと同じく、村上くんはプロ野球選手なのだ。多分そういうわけにはいかない。

勝たせてあげたいな、と私はいつもいつも思う。その1本を、そのヒットを見るたび、お立ち台にあげてあげたい、と思う。でも村上くんがいる世界は、そんなに甘い世界じゃない。大の大人たちの期待を、しっかり背負わされる世界なのだ。

それならばどうかせめて、この苦境が、悔しさが、村上くんをさらに成長させてくれますように、と思う。自分の1本が報われないその虚しさが、誰かをさらに強くするバネになりますように、と。

そしてきっと、今希望の欠片のように好投をしてくれる久保くんや、打席に立つのを見るだけで嬉しくなってしまう中山くんも、そのうちにすぐ、「ルーキー」としての希望だけじゃなく、結果を期待されるようになっていく。

そこにどんなきっかけがあるのか、流れがあるのか、それはきっと人によって違う。でも誰もがみんな、いつまでも「ルーキー」ではいられない。

きっと小さい頃から憧れ続けて、目指し続けて、辛い練習にも耐え続けて、プレッシャーとも戦い続けて、ようやくたどり着いたその場所には、またとんでもない試練が待っている。そのチームは16連敗したり数カード(何カードだろう?)連続で負け越したりする。打っても打っても、守っても守っても、勝てなかったりする。

でも、それでも戦い続けなきゃいけない。その壁に、立ち向かっていかなきゃいけない。

「あと一歩」の遠さを、痛いほどに見てきた。その接戦を制することができなければ、強くはなれないことも知っている。それは、その一点は、とても遠い一点だ。つまり、ヤクルトが勝つためには、強くなるために、今はまだそこに大きな壁がある。

でも、それは、チームだけでなく、選手ひとりひとりも、つまりうめちゃんも、こんちゃんも、例えばたいしもあきおも中山くんも、みんなみんな、挑んでいかなきゃいけない壁だ。もちろん、てっぱちも、村上くんも、まだまだ挑まなきゃいけない壁なのだ。

それをみんなが乗り越えていくことを、信じて見ていたいなと思う。大丈夫、大丈夫と、言い聞かせるように。



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