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もがき続ける日々の中で掴む何かを【7/31横浜戦●】

本当に、本当に、本当に、いつも同じ負け方だなあ…、と、今日もまたため息をつく。傷はまあ、それなりに深い。

先制をする。逆転される。追いつく(でも追い越せない)。そしてサヨナラをされる。今日もどこかで見た流れが繰り広げられる。あと1点を取ることが、そして1点を守ることが、とてもとても難しい。

でもその中で、てっぱちは2試合連続でホームランを放つ。エイオキは今日も元気にスリーベースを放つ。

若手が躍動しまくる日々があり、ベテランがしっかり仕事をしてくれる日々がある。誰も打てなかった毎日の中、一人チャンスで村上くんは打ち続けた。そして打っても打っても勝てなくても、てっぱちやエイオキは今、打ち続ける。

みんながみんな、シーズンのうちずっと絶好調ということはまずない。てっぱちが打てない時も、エイオキが打てない時も(エイオキの場合数試合だけなのが本当にすごいけど)、村上くんが打てない時もある。

一つのシーズンにも、そしてその野球人生の中でも、きっと波はある。打てる日があり打てない日がある。そして打てる年があり打てない年がある。

あらゆる要素が組み合わさり、その日に勝ったり負けたり、そしてその年に2位になったり96敗したりする。それはどのチームにだって言えることだ。

できれば良い波が重なって、たくさんたくさん勝ってほしいとそりゃあ、思う。投手の調子と野手の調子が、うまく噛み合ってくれればそれが一番いいと思う。だけどまあ、そんなにうまくいくものでは、やっぱりない。

あがいても、もがいても、なかなかうまくいかない日々はどうしてもある。これでいいのかなと模索し続ける日々は必ず来る。

宮古に来たばかりの頃、むすめは腕につける浮き輪をしていても一人で泳ぐのがこわいとバタバタしていた。でもその日のうちにはぷかぷか浮いて遊ぶようになり、そのうち広い場所で飛び込みができるようになり、私が体を支えれば浮き輪なしでも泳げるようになり、とうとう浮き輪を外してそれなりに(謎のフォームの)泳ぎができるようになった。特に何かを教えたわけじゃないけれど、毎日毎日水に触れるうちに、できることがどんどん増えていった。

子どもの成長はいつだって猛スピードだけれども、でも、大人だってものすごくゆっくりと、少しずつ、それでも成長していくことはできる。もちろん体力は衰えてゆくし、背がこれ以上伸びることはない(体重は増えるけど)。でも、経験を積み、頭を使い、前進してゆくことはきっとできる。

選手は毎日毎日野球を続ける。もうそれ以外のことを、する暇も考える暇もないくらいに。でもそれだけ向き合い続けることで前進してゆくものは、きっとあるのだ。泳ぎ続ける、むすめみたいに。

毎日泳ぎ続ける、打ち続ける、走り続ける、書き続ける。そうすることでつく「体力」やそして「胆力」みたいなものは、きっとある、と、信じたい。この島でシンプルな毎日を送るとなおさらにそう思う。

だから、もがき続けるヤクルトが、その中でも少しずつ前進しているのだと信じていたい。エイオキのスリーベースが、てっぱちのツーランが、きっと何かに繋がっていくのだと。今打てない誰かが、今打たれてしまう誰かが、そして、今ここにいられない誰かが、この日々の中で何かを掴み取っていくのだと。

そろそろヤクルトが勝てますように。そして神宮でツーベースを打つぐっちに早く会えますように。


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