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おいしいエッセイ

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食と食の記憶にまつわるエッセイを書いています。
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記事一覧

おいしいエッセイ vol.4サルサソース

おいしいエッセイ vol.4サルサソース

ある日のレッスンで、

Have you ever had Mexican food?
「あなたは今までメキシコ料理を食べたことがありますか?」

と質問された。

私は英語での回答に詰まるより先に、
「あれ?そもそもメキシコ料理ってどんなやつやっけ?」と思った。
その数秒後、私は答えた。

あぁ!It ate three days ago!

3日前にそれっぽいものをたべていたことを思い出した。

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おいしいエッセイvol.3  まかない飯

おいしいエッセイvol.3 まかない飯

学生のときに清水五条の居酒屋でアルバイトをしていた。

そこは古民家に囲まれた小さくてとってもおしゃれなお店で、いつもビートルズとかその時代の洋楽の有線放送がかかってて、時間がゆっくり流れる店だった。
モツとか大根とかのにこみがメインで。そこの料理も店長も大好きだった。

私はそこでホールのアルバイトを二年ほどしていた。
学生の飲食バイトといえば、やっぱり賄いだ。

そこのお店でも例外なく賄いを出

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おいしいエッセイ vol2.親子丼 

おいしいエッセイ vol2.親子丼 

親子丼って、実はああ見えてバリエーションが結構多いんです。

例えば、三つ葉・七味・山椒・海苔のどれをどれだけいれるかで結構変わってきます。私は三つ葉を入れると味がおしとやかになりすぎるから、家で食べるときは大概、七味を少し入れて、後半海苔をちぎって入れて書き込みます。これが一番親子丼本来の味を活かしながら楽しめる食べ方だと思いますね。
山椒はいれると結構味が変わるので味変したいときだけいれるのが

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おいしいエッセイ vol.1 料理して自然に帰る

おいしいエッセイ vol.1 料理して自然に帰る

わたしにとって
料理は自然に帰ること

音を聞いて
香りが立って
目で楽しむ

あまりレシピも見ないで
ゴールをイメージして作っていく

家のキッチンでは
何のしがらみも無く
本当の意味で
自由を手に入れることができる

そうして作ったものをただ食べる
作ったものを食べてもらう

食べるわたしとあなた
顔がほころび
心が動く

料理という文化的な営みが
わたしは人間であるということを
思い出させて

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