「大麻博物館」に行ってきた、の巻。
※10分ほどで読める記事です:)
はじめに
こんにちは、(自称)大麻PR大使のアンディです!
米国で医療用大麻が最初に合法化されたカリフォルニア州で生まれ、日系アメリカ人として、大麻の可能性を広める活動をしています:)
「大麻は人類と地球を救う」、そんなムーブメントが世界中に沸き起こっている一方、日本ではまだまだ、大麻という植物が大いに誤解されています。
難病を癒し、環境問題を改善し、日本の未来を切り開けるかもしれない植物の可能性。
僕は大好きな日本のために、その力を日々発信しています。
今回は日本にある、「大麻博物館」へ行ってきた際のレポートをお届けします! 楽しんでいただければ幸いです:)
※江戸時代に大麻から織られた装束を身にまとっております。
大麻博物館さん、貴重なヴィンテージをありがとうございます…!!
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大麻博物館とは?
栃木県は那須塩原にある、大麻博物館。もちろんヤバい施設ではなく笑、農産物や伝統文化としての大麻を守るべく活動されている、とっても素敵なところです。
扉を開けると、館長さんが出迎えてくださいます。居心地がよく、館長さんの話も面白すぎて、気づけば4時間も滞在しておりました。笑
国産の大麻からつくられた製品やオリジナルTシャツなど、さまざまなものが販売/展示されています。
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日本における、「大麻」
ところで、日本人は米より先に大麻を栽培していたこと、知っていますか? そんな話を聞いて、僕もびっくりしました。
約12000年前に存在した集落の遺跡(鳥浜遺跡)から、大麻の縄が見つかっています。人の手で加工された大麻として、現時点では世界最古のものだそうです。
日本では、「大麻=麻薬/ドラッグ」といった印象が強いけれど。縄文時代から、人々の生活に欠かせない農産物として大切にされてきたのです。
そもそも、大麻という植物にはたくさんの種類があります。アメリカでは嗜好品用を「マリファナ」、医療用を「カンナビス」、産業用を「ヘンプ」と呼び分けています。
日本で古来から栽培されてきた大麻は、この中だと産業用。いわゆる「ハイになる」成分は、ごくわずかしか含まれていません。
他の植物に比べると荒れた土壌でも育ちやすく、3ヶ月ほどで2~4mも成長することから、全国のいたるところで栽培されていました。
繊維として布や衣服の材料になりつつ、建築資材、漁網、畳や下駄の一部など、日本人の生活に欠かせない大事な資源だったのです。
また神道との結びつきも強く、神社や神具のことを調べてみると、「こんなところにも大麻が…!」の衝撃が走ります。
ある意味では神道のバイブルとも言える「古事記」や「日本書紀」にも、大麻の登場するシーンがあります。
※それらの詳細については、下記の書籍で紹介されています↓
僕たちが認識しているより何倍も、大麻は日本人の身近にあった植物なのです。その歴史を引き継ぎ、後世に伝えようとしているのが「大麻博物館」なのだと、館内の展示物を拝見しながら僕は思いました。
その尊い試みについてはぜひ、大麻博物館さんの著書、「日本人のための大麻の教科書」を読んで知っていただけたら嬉しいです。
僕が記事を通してお話しするよりも、ずっと分かりやすくまとめられています!
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大麻博物館を訪れて、思ったこと
世界では今、「グリーンラッシュ」と呼ばれる大麻解禁の動きが広がっています。現時点でその中心になっているのは嗜好用と医療用であり、産業用大麻の波が盛り上がるのはもう少し先なのかなと感じています。
資源としての大麻が注目されていないわけではなく、加工するための技術・システムを開発/改善/普及する段階にあるからなのだと思います。
※産業用大麻の可能性については、こちらの記事で紹介しています↓
「日本はグリーンラッシュの流れから取り残されている」と言われていて、部分的には僕も同意です。ただ、日本には日本の大麻文化があり、その独自性は今後、世界に注目されていくのではないかとも感じています。
大麻は世界中で大昔から栽培されてきたけれど、日本ほど人々の生活に密着していた例はかなり稀だと思うのです。
例えば、神社で神職の方がお祓いをされている姿、ご覧になったことはありますか? 祓串(はらえぐし)と呼ばれる、ギザギザの紙がたくさんついた棒を振っていらっしゃいますよね。
この棒には大麻の繊維である「精麻」が結び付けられていて、強い清めの力を発していると言われています。
日本でのお清めは水や塩のイメージもありますが、大麻には古くから、お祓いのための神聖な植物とされてきた歴史があるのです。
僕はアメリカとヨーロッパに住んでいましたが、大麻を聖なるものとして捉える文化や思想に触れたことはありませんでした。
ある種のリスペクトや愛着を感じることはあっても、日本のように神聖視するカルチャーは他に無いのでは?と思います(僕が知らないだけかもしれませんが…!)
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大麻を通して日本が体現し得る、「自然への愛」
少し話は逸れますが、日本の「自然を敬う気持ち」はたびたび、世界からの注目を集めています。
理由の一つは、欧米の国々で広く信仰されているキリスト教・ユダヤ教の自然観かもしれません。それらの「一神教」は自然を、人間が征服すべき存在とする傾向があります。
キリスト教、ユダヤ教、またイスラム教の起源となっている旧約聖書には、このような一説が記されています↓
「let them have dominion」→「支配させてあげよう」という意味。その対象が列挙されている中に、「over all the earth」とあります。「大地のすべて」と翻訳するのであれば(聖書には多様な解釈があるため)、人間>自然という考え方が見受けられます。
諸説、また他にも要因はあるはずですが、今日の環境問題に「一神教的な思想」はある程度影響していると思います。
人と自然が区別/分断されたまま「豊かさ」を追い求め続けることの限界に、人類は今向き合っているのかもしれない。
そんな流れの中で、自然との共存を説いてきた宗教や文化にスポットライトが当てられているのです。
日本の神道は「多神教」であり、その神々が宿るとされるのは自然界にあるほとんどすべてです。人間は自然(神様)によって生かされており、大地の一部であるという世界観。
そのような関係性は例えば、現代の神話と称される「スター・ウォーズ」や、今話題の「アバター」シリーズにも反映されています。
また宮崎駿や新海誠など、日本を代表する監督の作品からも同様のメッセージを感じとることができます。
※大好きな映画を引用するのは筆者の癖。笑
多神教や自然崇拝が、一神教より優れていると言いたいわけでは決してありません。
ある意味では「一神教的な時代」が文明とテクノロジーを発展させてきたわけですし、そんな歴史の上に築かれた人類の幸福もあるから。
それに、宗教や信仰だけが人を突き動かすわけではありません。悲しいけれど日本でも環境破壊は進んでいるし、その対策が欧米諸国に遅れをとっている部分だってあります。
だからこそ温故知新というか、本来の自然観をみんなで思い出すための「物語」を伝えていきたい。
大切なのはバランスであり、それぞれに尊いものたちの融合であり、多様性を礎にした進化を続けること。その流れを体現し得る可能性が、日本には間違いなくあると思うのです。
大麻という植物の力がグローバルな関心を集めている今、日本の大麻文化は世界に発信されるべき価値を秘めているはず。
嗜好/医療用大麻によって個人がより幸せになったり、産業用大麻が新しいビジネスとして、また環境問題を改善する鍵として広まっていく中で。
単にツールや資源という観点で植物を捉えるのではなく、与えられたギフトとして敬っていくことも大事ではないでしょうか?
遅かれ早かれ、AIが人間の知能を超える未来、シンギュラリティに到達した時。その反動(みたいな動き)としてある種の原点回帰というか、「自然への愛」を思い出していく人や社会が今以上に増えるかもしれない。
そんな将来に向けて、また現在の世界に向けて。大麻を入口に、日本の伝統文化や歴史を発信している大麻博物館さんの試みが、もっともっと注目されていくよう、願ってやみません。
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…なんだかまとまりの無い記事になってしまいましたね、ごめんなさい。笑
でもそれくらい、大麻というキーワードは奥が深いのです。大麻を通して見えてくる日本のルーツがあり、独自の信仰や世界観があり、素晴らしい思想やカルチャーがある。
僕もまだまだ勉強中ですが、日本らしさを問うていくことが、これからの社会と世界に希望を与えると思うのです。
どこから来たかを知らなければ、どこに向かうのかを示す光も見えてこないから。
そしてそれは、このカオスな時代を生きていくためのヒントになるかもしれない。日本人らしさを思い出すことが、自分は何を大切にして生きたいか、教えてくれるかもしれない。
えっと、要するにですね。「日本は本当に素敵な国だから、日本人として、みんなでもっともっと輝いていこうぜ」というお話でした!!
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おわりに
大麻博物館のレポートをお届けするつもりが、後半から僕の一人語りと化してしまいました。笑 なんだか申し訳ない…。
でもですね、実際に足を運んでいただくのが絶対にベストなので、ぜひ大麻博物館を訪れてみてください!
日本と大麻のお話を聞くことが、「忘れられてしまった何かを取り戻す」ためのきっかけになるかもしれません:)
・大麻博物館のホームページ
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