村田アンドリュー

アメリカ生まれ、ベルギー育ち。 インタビューを通じて、クライアントの人生を小説にする仕…

村田アンドリュー

アメリカ生まれ、ベルギー育ち。 インタビューを通じて、クライアントの人生を小説にする仕事をしています。 ※詳細は「仕事依頼」からどうぞ!   フリーの作家として、短編も書いています。 作品は「マガジン」からご覧ください:)

マガジン

  • 紫の発見

    著者:村田アンドリュー 原案:柳田庸子 作者の大切な友人である女性にインタビューし、そこで語られた人生のワンシーンから、二人で書き上げた作品です。 「あなたの物語」、詳細は仕事依頼からどうぞ:)

  • 短編集

    サクッと読める、オリジナルの作品たちをまとめました。

  • The Hole

    この物語は、作者の大切な友人である男性へのインタビューから生まれました。 「あなたの物語」、詳細は仕事依頼からどうぞ:)

  • Holding Your Hand

    この物語は、作者の大切な友人である女性へのインタビューから生まれました。 「あなたの物語」、詳細は仕事依頼からどうぞ:)

  • 酔っ払いながらテキトーに書いた詩たち。

最近の記事

  • 固定された記事

長編小説のこと。

 インタビューを通じて、クライアントの人生を小説にする仕事をしてました。  そんなフリーランス作家として、表現しつつ。  2年半ほどかけてちょこちょこ書き進めた長編小説を、販売し始めました。  基本的には友人か、僕が店長をしていたバーのお客さんですが。 数十人の方が購入してくださっていて、noteでもシェアしてみようと思い立ちました。  読んでくださった方々から温かい感想もいただいたので、簡単なあらすじと共に発信してみます。 ーあらすじー  仕事を辞めて海辺の街へ移

    • 「感じられる人」だけが、自分でいられる時代ーインサイド・ヘッドは”Inside Out”ー

      「感情」って、おもしろいですよね。 何のために存在しているのか、どう感じてあげたらいいのか、そもそも感情って何なのか…。 心理学等を学びつつ、小説を書く仕事の中でも向き合ってきた、感情というテーマ。 今の時代、「感じること」はとにかく後回しにされているような気がします。 「やること」、「考えること」が多すぎて、自分の気持ちに意識を向ける余裕がなかったり。 「感じること」をじっくり待ってもらえることって、少ないですよね。 でも、僕は思うんです。 感じることでしか得られない

      • 未来が切り拓かれるとしたらそれは、あなたの心が動いた瞬間なのだと思う。

        ※10分ほどで読める記事です:) はじめに最近、いつ、心が動きましたか? 最後に涙を流したのって、いつですか? 鳥肌の立つような言葉に、物語に、音楽に出会っていますか? 感情を乱されるくらい、誰かと深く、つながっていますか? 頬が痛くなるほど笑ったのは、いつでしたか? ・ ・ ・ ・ ・  これからやってくる、あるいは今日も今日とて進行している、社会や価値観、生き方の変化。不安定(と言われる)時代を生きていくうえで、大切なことは山ほどあるかもしれない。そんな中。 「

        • Hard To Explain

          ・ ・ ・ ・ ・  私がその日スタテン・アイランドへ向かったのは、ニューヨークという街からとにかく逃れたかったからだ。  もちろん、厳密に言えばスタテン・アイランドだってニューヨークの行政区として五本指に入る。けれども、控えめで大人しげなあの島を本気で「ニューヨーク」だと考えている人間はそう多くない。バッテリー・パークから出港しているフェリーに乗った観光客が島の内部に興味を持たず、航海中に見える自由の女神像だけを目当てにしている姿がその事実の証明である。  デッキに並

        • 固定された記事

        長編小説のこと。

        マガジン

        • 紫の発見
          5本
        • 短編集
          21本
        • The Hole
          8本
        • Holding Your Hand
          7本
        • 4本

        記事

          Portrait of My Loneliness

          誰かに愛されないと感じた時、 僕は孤独を覚える。 誰かを愛せないと感じた時、 僕は絶望を覚える。 その二つが、同時に押し寄せた時。 僕は、生き続ける理由を見失ってしまう。 行き場のない愛は、人の内側で鬱屈する。 それは怒りや憎悪となり、喪失と痛みをもたらし、狂気や暴力すら身にまとう。 「期待することを辞めてしまえば、楽になれるのに」と人は言う。 希望を捨ててしまえば、失望することもなくなるはずだと。 愛することを、諦められたなら。 この寂しさも、悲しみも。 姿を消し

          Portrait of My Loneliness

          ニューヨークで見た、ゴッホの「星月夜」

          オランダ人の画家、ゴッホの「星月夜」という作品をご存知でしょうか? 先日、MoMA(ニューヨーク近代美術館)で実物を鑑賞してきました。より正確に言うと、その絵を見るために足を運んだのです。 面白かったのは、絵の前に辿り着くまでの道すじ。受付でチケットを購入して、何も見ずにとりあえずエレベーターへ乗って。 5階で降りる人が多かったのでなんとなく降りて、そのままほとんど真っ直ぐ歩いていたら、最初に入った展示室の正面に「星月夜」が飾られていました。 MoMAの目玉と言える作品

          ニューヨークで見た、ゴッホの「星月夜」

          ②アンディのアメリカ便り

          ニューヨークへ来て、2ヶ月半が経ちました! ちょっぴりバタバタしていた日々も落ち着き、安定したリズムの日常を送っています:) というか、僕がニューヨークで実現したかった生活はほとんど叶えられてしまって、ちょっぴりポカンとしています。 このまま好きなだけ滞在して次の旅へ出ることもできるし、日本へ帰ることもできる、という状態なのです。 言い換えると、ニューヨークが一つの活動拠点、現実的なホームになり始めています。 そんなふうに幸せな毎日を過ごしている今、ある種の悟りを開いた

          ②アンディのアメリカ便り

          ①アンディのアメリカ便り

           先日、現地のスーパーでキムチを見つけました。  アメリカの製品っぽくてどんな味か気になったので、ちょっと高いけど購入。夕飯の時にビンの蓋を開けようとしたら爆発して、赤い汁が飛び散りました。  服やテーブル、床にぶち撒かれたキムチ臭い液体をティッシュで拭きながらふと、「ああ、アメリカに来たんだな」って思いました。  ニューヨークに到着した日。飛行機から降りて、「思ったより近かったな」と僕は思いました。出国して13時間弱、睡眠薬を飲んでひたすら爆睡していたせいもあるのかもし

          ①アンディのアメリカ便り

          Holding Your Hand 7/7

           息子を産むまでの長い間、アコは自分に何かが足りないという思い込みを抱き続けていた。足りないものを補うために仕事や勉強などをとにかく頑張って、違う自分にならなければと自らに言い聞かせ続けてきた。  局所的にはまだそのような恐れを感じたり、そんなふうに駆り立てられて動いてしまうこともある。でも、人生の全体を見渡した時。以前のような焦りはないし、「大丈夫だ」と安心できるようになった。それはまぎれもなく、息子が与えてくれたギフトなのだと思う。  彼を産み落とすまでに歩んでいた人

          Holding Your Hand 7/7

          Holding Your Hand 6/7

           たとえば一人で出かけていて、息子が好きそうなものを目にした時。「想(そう)くんが見たら、きっとこんなふうに笑うんだろうな」と思いを巡らせるだけで幸せになれる。ふとした瞬間に彼の顔を思い浮かべて、「どんなふうに喜ぶかな? どんなふうに驚くのかな?」と考えるだけで満ち足りた気持ちになれる。  息子への想いを通じて、この世には愛があるのだと実感することができる。  アコはそのような関係性の中で、社会にあったはずだけれど信じられなかったものを信じられるようになった。  何か価

          Holding Your Hand 6/7

          Holding Your Hand 5/7

           一週間は家族と面会できなかったので、ほとんど二人きりで過ごした。実を言うと出産する前は、「言葉の通じない赤ん坊と七日間も過ごすのか」と思っていた。どちらかと言えば子どもは苦手なほうだったし、泣き声が聞こえてくると耳障りに感じるタイプだったので、大丈夫だろうかとソワソワしていたのだ。  結局、それは杞憂だったどころか幸せでしかない時間だった。眠っている息子の顔を、「起きないかな?」と期待しながら飽きもせずに覗き込んでいた。愛おしい存在がすぐ近くにいて、しかも独り占めできる幸

          Holding Your Hand 5/7

          Holding Your Hand 4/7

          「妊娠生活からやっと解放されるんだ」と思うと嬉しかったし、痛みには強い自信もあった。けれども、それまでとは比べものにならない激痛に襲われた時、彼女の自負はどこか遠くへすっ飛んで消えてしまった。  そのうえ、赤ん坊が産道を通るためには頭の向きを変えなければならなかった。急遽持ち出されたバランスボールの上でうつ伏せになりながら、全くコントロールできないものが体内にある苦痛を思うように受け入れられず、涙を浮かべながら唸っていた。  頭は無事に下を向いたらしく、「呼吸して、いきん

          Holding Your Hand 4/7

          Holding Your Hand 3/7

           つわりは十二週目くらいで安定する傾向にあるのだが、アコの場合は半年間も続いた。 「アコちゃんのつわりは重いし長くて、本当にかわいそうだね。でも産んだら終わるから、もう少しの辛抱だよ」  母親に優しい声でそう言われても、「そんなのわからない、自分は違うかもしれない」としか思えなかった。全てにイライラしたし、他人からの意見を何ひとつ素直に受けつけられなかった。  勤務先では唯一マネージャーにだけ、妊娠していることを伝えていた。日中も吐き気は頻繁にやってきたので、同僚たちか

          Holding Your Hand 3/7

          Holding Your Hand 2/7

           およそ一年後、アコの中に二人目の生命が宿った。その年の春にはいくつかの転機があって、やりがいを感じる仕事が始まったり、美術系の大学院に通い始めたりした。将来の方向性が見えてきたからか自分のことで精一杯という感覚も和らぎ、夏を迎える頃には「子どもがいてもいい」と思えるようになっていたのだ。    そんな喜びの中病院で初診を受けると、あろうことか再び「心臓が動いてません」と知らされた。会社を抜け出して病院に行っていたのだが、戻ることなど到底できなかった。 「念のため、一週

          Holding Your Hand 2/7

          Holding Your Hand 1/7

          「子どもを産もう」とアコが決めたのは、大好きな祖母が末期ガンを患っていたと知ってからしばらく経った、ある日のことだった。  一歳の時保育園に入れず、待機児童だったアコの面倒を祖母はずっと見てくれた。その関わりの深さから、孫の誰よりも祖母に愛されているという確信を持ち続けてきたアコは、週に一度東京から滋賀の病院まで必ず見舞いに行った。顔を合わせるたびに祖母は衰弱していき、抗がん剤治療の過酷さに耐えかねて「もう死んでしまいたい」と悲痛な声を漏らすようになっていった。  それで

          Holding Your Hand 1/7

          アメリカの旅を「みんなで楽しむ」べく、活動資金を募ります!!

           2022年4月から一年ほどアメリカに住み、映像や文章を通して「みんなで旅をするエンターテインメント」に挑戦します。  心よりも頭。「楽しい!」よりも意味や目的。  予測不能な未来より、安定した将来…。  そんな「確実さ」が求められる時代に、今この瞬間のフィーリングを信じて生きること。  きちんとした計画もお金もそんなに無いけど、「楽しそう!」と思うならとにかくやってみること。  その旅路をシェアして、「世界は広いし、僕たちは自由なんだ」という感覚をみんなで味わえたら。

          アメリカの旅を「みんなで楽しむ」べく、活動資金を募ります!!