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NEMURENU第51回のテーマは「君がこの手紙を読んでいるということは」 でした。 今回も力作怪作…
こんばんは、ラムネ編集部のてけです! みなさんは最近手書きの手紙を送りましたか? 自分は…
日当たりのいいバーの前に座っていると、若い男にいきなり「電気代払ってくれない?」と頼まれ…
親愛なる黒山羊さんへ 濡れそぼつ 乾きのおそい 夏毛かな あんなに暑かった夏も過ぎてし…
1 胡蝶蘭に水をやる。友人の小宮へ開店祝いに贈ったのをその日、帰り際持って帰らされた鉢だ…
或る合唱団の公演に欠員が出て、その音域パートがどうしても足りないということで急遽、私は呼ばれた。 ながい病院暮しを終え、願ってもない仕事であった。 かつての仲間も聴衆も、私自身ですらも、私の音楽を忘却していた。 それでも。ハ長調のひとつも響かぬ、浮世より隔離された空間で、声だけは衰えぬよう、心がけてきた。 当日朝。 その県でいちばんの都市。 リハーサル。 まだ誰もいない客席が紫の扇となってひろがる、岩のようにごつごつとした白壁の、ホール。歌声をあてる。
きみのことなどロクに知らないのに、こんな手紙を書くのはヘンなことだろうか。 もともとヘン…
拝啓 秋風にのってどこからともなく金木犀の甘美な香りが漂ってくるようになりましたね…
母が死んだ。 両親が離婚したときに、ぼくは父親に引き取られた。 母はひとりぼっちになって…
僕の彼女が車に轢かれた。 という連絡が、僕の携帯端末に届いたとき、僕は次の企画のため…
漆黒で満たされた宇宙空間の中を、寄り添うようにしながら進んでいる二つの銀色をした球体。…
短編小説 ◇◇◇ 港湾地区から奥まった郊外に移転してきた馴染みの洋食屋で、その夜ナツは…