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村嵜千草
2023年8月28日 20:50
あなたはいつも大股で歩くのが速くてわたしはついて行くのに精一杯だった合わせてほしいって言えなかった嫌われるのが怖かったからあなたはよく笑って褒めてくれてわたしは照れ笑いを返すしか出来なかった眩しくてたまらなくて上手な返しなんて考える余裕がなかったからあなたはずっと前を見てるどんどん遠くなるわたしはまだ道端の萎れた雑草なんかが気になってるあなたの笑い声が遠
2022年6月23日 10:17
寝癖が跳ねていたら柔らかいその髪を指で混ぜるの古くなったスウェットにあなたの背中を見つけたら頬を寄せて温もりを分けてあげるの冷たい布団にはもう懲りたし一人用の料理ももうしない念入りにシワを整えてお惣菜も2個ずつ買おうおかえり、と ただいま、とおはよう、と、おやすみ腕をいっぱいに広げてなるだけあなたを受け取ろう一つになって溶けてしまうくらいに離れようもないくらいに
2022年3月29日 09:48
人混みや車の音に紛れて 孤独と孤独が笑い合う私たちだけ ここにはできるだけ触れていたい 二人は一人でいたい私たちだけ ここには喧騒をBGMにしてスーパーのレッドカーペットを歩いてエスカレーターを降りて夢の中へいいえ 夢ではないわ夢なんかではないわ私たちだけ ここには空気に浮気をしないでずっと背中に触れていて私たち 私とあなただけのまち