潮騒の詩(うた) 第9話 房総半島のシーバス③<岩井袋港&センズイの磯>
15 連続ヒットには理由がある「きたっ! エッ、何だこの引きは?」
小川徹也の手にしていた細身のロッドが大きくしなり、小型スピニングリールのスプールが逆転し、ラインが勢いよく飛び出してゆく。
「どうした? 何かヒットしたのか?」
5メートルほど離れて釣りをしていた浅利大介が、異変に気づき、素早く駆け寄ってきて小川に聞いた。
「どうやらシーバスがヒットしちまったようだ。参ったなぁ」
「その様子だと、結構でかそうだな」
「ああ。50センチや60センチのフッコクラスじゃあなさそ