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オーストリアから学ぶ生き方|前編

9月中旬に7泊9日でオーストリアのウィーンに行ってきた。文化の違いに圧倒され、刺激的な日々だった。ユニークでとても面白かったので、生活編と哲学編の二部構成で紹介する。

日本で生活する日々のちょっとしたエッセンスになればと思う。


1) 全てが大きく多い

ヨーロッパの方々は、わたしたちアジア人に比べて高身長で体格がいい。そのため、全てが大きいうえに多かった。
ドアはでかく、なんなら重すぎる。公衆トイレでは、想像以上に重すぎて突き指をしてしまった。
また、スーパーで売られている缶ビールの最小サイズが約500ml、ハンドクリームを探したら最小が80gとみんな量が多い。
そのほか、レストランや美術館、スーパーなど行く先々どこも広くて天井が高い。自然と心にゆとりが生まれる。

2) 料理はお肉メインで大味

先ほど紹介した通り、高身長で体格のいいオーストリアの方々は日本人よりも多くエネルギーが必要なのだと実感した。というのも、レストランのメニューは、ほぼ肉料理なのだ。
伝統料理のウィーナーシュニッツェルを始め、料理には肉が使われていることが多い。
野菜不足でサラダを頼んだら、ざく切りキャベツに大量のチェダーチーズと焼いた鶏むね肉がドドーンと乗り、シーザーサラダドレッシングがたっぷりかかっていた。もはやサラダではなく、メインディッシュだ。
味は大味で極端に濃かったり、薄かったりする。でも、どれもおいしかった。
オーストリアはドイツやイタリア、ハンガリーなどさまざまな国が隣接しているので、各地の食文化をうまく取り受け入れながら発展してきたんだなぁと思った。

3) コーヒーはほぼエスプレッソ

カフェ文化が根づき、歩けばそこら中にオシャレなカフェがある。メニューを開くとコーヒーの種類だけでも数えきれないほどだ。日本の喫茶店みたいに「ブレンドコーヒー」と、そう簡単に注文ができない。
しかも、調べてみるとベースがほぼエスプレッソだ。エスプレッソコーヒーにミルクやホイップクリーム、お酒などを足したメニューが多い。だから、カフェイン摂取量がとても多い。飲むと喉が「うおー」となる。
とあるカフェにて、コーヒーメニューがお酒とは別に書かれていたので、これなら安心と初耳のコーヒーを頼んだら、なんとオレンジリキュールが入っていた。油断大敵だ。
4店舗ほどカフェ巡りをしたが、どこのお店も味と香りは抜群だった。

4) ゴミ箱がたくさんある

街を歩けば、必ずゴミ箱がある。いたるところに設置されていて、「捨てたいな」と見渡せば、すぐ目の前にあるくらいだ。
普段はゴミを持ち帰る用に小さなビニール袋を持ち歩いているのだが、その必要はなかった。
現地の方が1ℓのペットボトル片手に散歩しているが、これだけゴミ箱があれば大きなバックが必要ないのだなぁと納得してしまった。

5) 路上でタバコを吸う

みんな驚くほどタバコを吸っていた。老若男女問わずスパスパと道で吸い、街を歩けばタバコのにおいがする。街中にあるゴミ箱に灰皿が併設されているくらいだ。どうやらヨーロッパの中でも特にオーストリアは喫煙率が高いそうだ。
湿度が低くてカラッとした気候のオーストリアでは、レストランの席が店内とテラス席に分かれているところが多い。そして、テラス席にはもれなく灰皿が設置されている。
ただiQOSを吸っている若者も多く、個人的にはそこまでにおいは気にならなかった。苦手な方は、オーストリアを旅行する際は覚悟が必要だと感じた。

6) どこでも電話する

エスカレーターでも電車の中でも電話をしている。驚いたのは電車の中で音を出して動画を見たり、ゲームをしたり、みんな自由にしていることだ。マナーモードにするという文化ではなく、周りに配慮してほどほどに音を控えつつ好きにしたらいいよね、という感じだった。
現地の本屋さんで日本を紹介する特設コーナーがあったので、本を手に取ってみたら、日本は何かと禁止事項が多すぎると紹介されていた。
個人の采配に任せるのか、社会が制限を設けるのか、文化によって自由と規律のバランスがここまで違うのかと驚いた。

7) チップはそこまで必要ない

「チップを払いましょう」と書かれている旅行本が多かった。でも、現地に行ったらそこまで必要ないと感じた。日本にチップ制度がないから、少し過剰に書かれているのかもと感じた。
むしろチップを払ったらお店の方に驚かれることがあった。宿泊しているホテルでは、サービスしていただいたお礼にチップを渡そうとしたら「No, thank you」と丁寧に断られた。
相手が好意で何か特別なサービスをしてくれたり、レストランでご飯が本当においしかったりした時に、お礼や支援の気持ちで渡すくらいで大丈夫だと感じた。
逆に支払わなくても嫌な顔はいっさいせず、退店時には「Have a nice day」や「Thank you」と言ってくれた。

8) キレイ好きな人が多い

なぜか旅行に行くまでは「日本人こそキレイ好きな国民だ」と恥ずかしながら勘違いしていた。
オーストリアに着くとトイレがとても清潔だった。オーストリアの駅のトイレは、日本のショッピングセンターのトイレ並みにキレイだ。
トイレは基本的に有料で50セント(日本円で約80円ほど)かかる。有料だからなのか、現地のマクドナルドのトイレもキレイで清潔だった。
そして、みんな必ず石鹸で手を洗う。日本だと水だけで手を洗う方がほとんどで、個人的にはゾッとする。オーストリアの方は石鹸できちんと手を洗い、ペーパータオルやハンカチで手を拭く。見ていて気持ちがいい。
また、洗面台の水は自動で出るタイプが少なく、蛇口をひねって出すタイプが多かった。水を出しっぱなしにするのではなく、必要な時に必要な分だけ使うスタイルは、地球にやさしいと思った。

オーストリアに行って、どれほどの固定観念に縛られて生活しているのだろうと驚いた。
特に日本はルールが多く、周りの様子を伺う風習が根づいていると感じた。日本には「村八分」という言葉がある。
山が多く森林にめぐまれている日本は、それゆえに国土が狭い。ずっとずっと昔のご先祖さまから、村の規則を守ることが生きていくうえで必須だったのだろう。
一方でオーストリアは自由だ。もちろん法律やルールはあるにせよ、個人で考えて自発的に行動する風習が根づいていると感じた。個々の采配に委ねられている部分が多いからなのか、のびのびとしているように感じた。

どちらが良い、悪いではない。大事なのは己を知ることだ。違う文化に触れて初めて、自分の住む国の風習や文化を知ることができる。合いそうな部分を取り入れたり、疑問を持って改善したりすることが大切だ。
世界は想像がつかないほど広い。なにも知らずに死ぬなんて、人生がもったいない。

オーストリアの方々のように、人生ものびのび自由に歩みたいものだ。

次回はオーストリア紹介の哲学編をお送りするので、お楽しみに!

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