何かを書いている(続きを書いたが迷走している)
ふと、剥がし終えた包装紙の裏側を、何かが横切ったような気がした。勘違いだと思ったが、少し気になったので、僕は恐る恐るその紙を裏返した。しかしそこには何もなかった。また虫の幻覚を見てしまったのか、と思った。最近しばしばそのような幻覚を見る。それは僕の閉じかけた目の端をそそくさと駆け抜け、部屋の隅の方へと消えて行く。あるいはそれは無限遠の彼方へと旅立って行くのかも知れない。しかしそんなことはどうでもよかった。僕にとって大切なことは、部屋が清潔で、僕以外の生き物が存在しないこと。ぐ