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情熱大陸に取り上げられたい

今日もまた何もせずに日が暮れる。

起きたら11時半だった。ダラダラして12時になった。のんびりしていたら12時半になった。これが僕のモーニングルーティーンだ。

ナレーション 「この日、私たちが目にしたのは、意味をなさない寝言をぶつぶつと唱えながら、薄い布団にくるまる1人の男の姿だった」

布団にくるまっている山口の姿

ナレーション 「山口宗忠、23歳。日本中で、知らない者はいない彼の朝は、案外普通の若者と変わらない。1時間ほどして、重い腰をあげた山口は、ようやく私たちの前に姿を現した。コーヒーサーバーを洗う。お湯を沸かし、コーヒーを淹れる。なんてことのない日常だが、その目はどこか殺気立っている」
山口 「いや、普通ですよ。普通に過ごしてるだけ。朝がね、苦手なんですよ。起きるのがね、というか、寝るのが一番好きなんです。布団の上で一生を過ごしたい」
ナレーション 「高校生の頃から数々の賞を総なめにした。同世代の若者は、皆山口の真似をした。しかし、カメラが捉えた彼の姿は、私たちが想像していたよりも平凡だった」
山口 「特別なこと?そんなの何もしてないですよ。だるいなあ、と思いながら朝起きて、ぼーっと過ごしていたら1日が終わる。その繰り返し、うん、そうだね、繰り返し」
ナレーション 「この男が、日本のカルチャーを変えた。しかしそのような自覚は、彼の言動には見受けられない」
山口 「当たり前のことを、当たり前のようにするだけ。それしか俺にはできないからね」
ナレーション 「一見すると、ただの大学生だ。しかし、私たちが山口と向き合って初めて目にしたのは、普段は絶対に見せることのない、孤独と葛藤を抱えた一人の若者の姿だった」


情熱大陸のテーマ

この番組は、(以下略)

情熱大陸に出演したように台本を書いた。多少事実も改変した。しかしこうすることで、退屈な日々もなんだか才能に溢れた男の苦悩に満ちた日々のような気がする。


しかしながら今日も何もしないで1日が終わる。

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