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むいのはなし 第3話「主張せず控えめである」って?| mui Labのデザイン入門対話

こんにちは、mui Labインターン生のyukinoです。大学では経営学部でマーケティングなどを勉強していて、muiのInstagramを担当しています。

本連載「むいのはなし」では、mui Lab共同創業者/クリエイティブディレクターの 🌳 hirobe と、デザインのことをもっと知りたいインターン生 ❄️ yukino の2人が、「muiらしいデザイン」について対話形式で考えていきます。
シーズン1として、mui Labが掲げる6つの「Design Principle(デザイン・プリンシプル)」について、全6回にわたりhirobeさんとのお話しのなかで聞いていきます。

今回は「主張せず控えめである」について。

▼前回のお話はこちら。

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🌳 hirobe
mui Labの共同創業者兼クリエイティブディレクター。パンが好き。

❄️ yukino
mui Labのインターン生。大学では経営学を専攻。mui LabのInstagramも担当しています。

🧭 mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)

  1. 穏やかな幸せをもたらすもの

  2. 必要最小限である

  3. 主張せず控えめである

  4. 置かれた環境と調和する

  5. 溶け込み馴染むもの

  6. 自然の理に従ったデザイン・アプローチ

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見えないテクノロジーで、生活をサポートする

❄️ yukino
今日のテーマは、mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)の3つ目「主張せず控えめである」です。まずは、この指針に込めた想いを教えてください。

🌳 hirobe
製品が世に出るとき、一般的には「新しい機能」や「見た目」が主張されることが多いなと感じています。新しいものを世の中に広めていく以上、どうしても人が注目するような見せ方が優先されますし、「この商品をうまく売らなければ」という売り手側の事情が表に出ていることも多いのかな、と。
私たちはそうではなく、テクノロジーが見えない形で存在し、人と人の生活をうまくサポートしていくなかで、人々の生活が豊かになっていくことが実現できたら良いなと思っています。

❄️ yukino
売り手側ではなく、サービスを受ける人たちを中心に置いた考え方ができることが理想的、ということですかね?

🌳 hirobe
そうですね! そして、サービス自体は必ずしも目に見えたり形がある必要はなくて、知らず知らずのうちにサービスの恩恵を受けることもできるのではないでしょうか。


muiボード製作秘話!天然木である理由とは

❄️ yukino
muiボードは木でできてますし、生活に馴染むビジュアルで、まさに「主張せず控えめ」だと思ったのですが、hirobeさんが特に「主張せず控えめ」を意識したポイントを教えてください。

🌳 hirobe
部屋の壁に取り付けて使うということを考えていたので、部屋のなかで使われている素材で作ると空間に馴染むのではと思いました。その当時、選択肢として浮かんだのが木・ガラス・石・布です。

❄️ yukino
その中で木が・・・!

🌳 hirobe
そうです。プロトタイプを作るなかで木が選ばれました。
これを選ぶときに考えていたのが、日本の家の構造です。柱、和室にある長押(なげし)や手すりなど、家の中にくっついている木の素材のものっていくつかありますよね。
それぞれ家を作る上で不可欠なものであったり、装飾であったりしますが、これらは特別な形ではなく、“そのまま”なんです。ここに紛れ込まないかな、と。
「部屋のなかにあるもの」が「見えなくなる」、つまり存在感をできるだけ消すためには、家の中と同じ素材で紛れ込むような形であるといいのではと思いました。

他の素材でも同じ形で作ってたんですけど、やっぱり家の中にかけたときに、一番空間に馴染むのは木でした。

❄️ yukino
ちょっと思ったのは、石やガラスは冷たそうですね。温度的にも冷たそうですし、見た目も洗練されすぎて温かみは感じないです。

🌳 hirobe
たしかに。手で触れるものですもんね。

❄️ yukino
布は汚れそうで、管理が大変そうだなと思いました。
muiボードの横長の形も“そのまま”の意識で作られたのですか?

🌳 hirobe
そうですね。特別な形ではなく、既にそこにあったような形を意識していますね。
それから、ディスプレイとして文字を出すということは最初から考えていて、そのうえで縦長よりも横長が部屋の中での収まりが良かったので、横長になりました。


最近出会った「主張せず控えめ」なもの、教えてください!

❄️ yukino
hirobeさんが最近主張しすぎてなくていいな、と思った物や人などありますか。

🌳 hirobe
現代アーティストの今村遼佑さんの作品です。付き合いの長いアーティストさんで、2020年、mui Labのオフィス1Fで夷川サローネというイベントをした時にも、今村さんと一緒に作品を作りました。

少し前に、滋賀県の西安造形大学で今村さんの展示イベントに行ってきたのですが、作品を見つけられなくて。

❄️ yukino
作品を見に行ったのに、ですか!?

🌳 hirobe
はい(笑)長らく今村さんのことを知っているので私なら見つけられると思っていましたが、どこにもなくて。場所を確認するとそこは確かに通り過ぎていました。

❄️ yukino
面白いです。どういった作品ですか?

🌳 hirobe
今村さんはインスタレーションをされていて、静かな空間の中にいろんな小さなものが置かれています。空間に入った瞬間は何があるか見えなくて、いればいるほど、揺れや光などいろんなものが見えるんですよ。
主張をしない表現ですが、でもそこにすごく細やかな今村さんの思いが感じられます。個人的に、受け取り側次第で自由にいろんなことを考えたりできるっていうのが今村さんの作品だと思っていて。
主張してないけれど、根本的にはしっかりとした主張があるっていうのが素晴らしい作品だなと思っていつも見てます。

❄️ yukino
調べてみましたが、プログラミングとかも使ってらっしゃるそうで、それもまた面白いですね。

🌳 hirobe
そうですね。ちょっとしたプログラミングを使って、自然現象をそこに投影するというか。小さなLEDを使って、木漏れ日の揺らぎを表現されているんですけど、それが本当に自然物が光ってるように見えます。

❄️ yukino
見つけるのは難しいかもしれないですけど、その分見つけたとき嬉しいですね。


hirobeとyukinoが心躍る、「思いがけない発見」

🌳 hirobe
今村さんの作品について感じる気持ちは、虫やお花を見つけたときと似ているかもしれません。
いつも通っている場所で、いつもなかったものに気づけるとか、何かを見つけようと思って見つかったときに良さを感じますね。

❄️ yukino
私は、街中で色の被りとかを見つけることが好きです。例えば、近所に壁がオレンジ色のリサイクルショップがあって、そのお店の駐車場にオレンジの車が停まってて、すごく嬉しい瞬間でした。

🌳 hirobe
そこにオレンジのパーカーを着たおじさんが通ったらもう奇跡ですよね。

❄️ yukino
心躍りますね! 私にとってはただの通学路ですし、急いでいたらおそらく何も気がつかなかったと思います。でもゆっくり歩いてたから気づける嬉しさで、これも同じ感覚かもなと思いました。

🌳 hirobe
そうですね!全く関係ない物の色のトーンが一緒だったりすると、奇跡みたいな感じで、すごく不思議な感じがしますよね。

❄️ yukino
不思議です。こういう不思議さを大切にしたいです!

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次回、第4話「《置かれた環境に調和する》って?」につづく。
mui Labについて「もっと知りたい!」と思った方は、WebsiteやInstagramなどをご覧ください。

Website https://muilab.com/
Instagram https://www.instagram.com/muilab/

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