麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしており…

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南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしております。 佳句を鑑賞し、一緒に俳筋力を鍛えましょう! ※各作者へ掲載の承認を得ておりません。ご不快に感じられた方は、大変お手数ですがこちらへご連絡ください。直ちに掲載を取り止めさせていただきます。

記事一覧

漢字シリーズ『松』

R6.8.30 新松子むしりたがりしかたかりし           人日子 百歳の松の松ぼつくり怖い           広島じょーかーず 薪棚の上に松毬(まついが)冬支度…

麦のパパ
11日前
13

『俳句甲子園』

『俳句甲子園』 R6.8.16 俳句甲子園机の下の拳かな          麦仙人 マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り          高橋寅次 俳句甲子園マイク目配せして渡す …

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3週間前
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『納豆造る』

『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて    …

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1か月前
17

『ハンモック』

『ハンモック』 R6.7.19 椰子の樹は海へ傾きハンモック           山内彩月 雲図鑑に載つてない雲ハンモック           古賀 ハンモックの下を子の抜…

麦のパパ
1か月前
20

一句一遊23周年記念 『二十三』

『二十三』 R6.7.5 青芝や二十三人目に主審           亀田荒太 面接の二十三人目が甚平           樫の木 二十三までは数えたはず目高       …

麦のパパ
2か月前
15

『清水』

『清水』 R6.6.21 波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ           梅鶏 みづにみづ磨かれ清水てふ楽器           千夏乃ありあり 山清水飲む喉ぼとけ喉ぼ…

麦のパパ
2か月前
17

『まじ』

『まじ』 R6.6.7 磯のものしきり匂はし瀬戸のまじ           いそこ 真風吹かば釜屋に塩の匂ひ立つ           近江菫花 まじの夜を釘の頭の迫り出して…

麦のパパ
3か月前
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漢字シリーズ『西』

R6.5.24 大西日誰のものでもない教室           幸の実 青春や西日が折れる音がした           めろめろ 友愛やねじれの位置に射す西日       …

麦のパパ
3か月前
28

『夏の鴨』

『夏の鴨』 R6.5.10 樹々の気に膨らむ川や夏の鴨           樫の木 葦原を大きな風よ夏の鴨           富山の露玉 川と川混ざらぬ水や夏の鴨     …

麦のパパ
4か月前
21

『アスパラガス』

R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスと…

麦のパパ
4か月前
27

『啄木忌』

R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           …

麦のパパ
5か月前
24

カタカナシリーズ『ラ』

R6.3.29 ラジオ局告ぐる花見の混雑度           三休 朝粥にラー油数滴花曇り           国代鶏侍 たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油       …

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5か月前
22

『苗床』

『苗床』 R6.3.15 苗床に篩さらさら土注ぐ           どいつ薔芭 苗床に素直な土を入れにけり           那須のお漬物 苗床のよろこび触るる指の腹  …

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5か月前
24

『獣交む』

『獣交む』 R6.3.1 獣交む微かに唸る電気柵           山田はち 獣交む種芋五キロ注文す           花豆 獣交みてタクシーは来なくて        …

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6か月前
14

『早春』

『早春』 R6.2.16 さりさりと風早春の耳洗ふ           常幸龍BCAD 早春や砂は白濁に膨らみて           雪代雨子 早春の優しき層となる砂礫     …

麦のパパ
6か月前
24

漢字シリーズ『福』

漢字シリーズ『福』 R6.2.2 福引の列やイオンを二分せり           さとけん 飼犬や福引台を嗅ぎ回る           駒村タクト 回されている福引の億劫そ…

麦のパパ
7か月前
21
漢字シリーズ『松』

漢字シリーズ『松』

R6.8.30
新松子むしりたがりしかたかりし
          人日子
百歳の松の松ぼつくり怖い
          広島じょーかーず
薪棚の上に松毬(まついが)冬支度
          藍月
冬ざれや黒松いたく拗けたり
          竹田むべ
臥龍松はだへも雪をこぼさざる
          彼方ひらく
色変へぬ松の正しき曲りかな
          きさらぎ恋衣
松の根を蟻かくかく

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『俳句甲子園』

『俳句甲子園』

『俳句甲子園』
R6.8.16
俳句甲子園机の下の拳かな
         麦仙人
マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り
         高橋寅次
俳句甲子園マイク目配せして渡す
         鈴白菜実
熱弁の助詞「を」の理由俳句甲子園
         岸来夢
俳句甲子園助詞の飛距離を測りをり
         音羽凛
俳句甲子園歴史揺るがす助詞一つ
         木ぼこやしき
俳句甲子園詩を

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『納豆造る』

『納豆造る』

『納豆造る』
R6.8.2
納豆造る塩とがらせてまろませて
          古賀
納豆造るやまとの友として麹
          Rⅹ
納豆造る桶の黒きを貴びて
          彼方ひらく
納豆造る木桶の蓋の深縹
          駒村タクト
納豆造るぐわと塩浮く桶の縁
          澤村DAZZA
寺じゆうに納豆造る塩にほふ
          ベス
納豆造る塩水は目に痛い
  

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『ハンモック』

『ハンモック』

『ハンモック』
R6.7.19
椰子の樹は海へ傾きハンモック
          山内彩月
雲図鑑に載つてない雲ハンモック
          古賀
ハンモックの下を子の抜け犬の抜け
          梅鶏
父さんをこちょこちょの刑ハンモック
          植木彩由
ハンモック母を半日棚上げし
          西川由野
子らは海賊にハンモックは船に
          一久恵
ハンモッ

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一句一遊23周年記念                           『二十三』

一句一遊23周年記念 『二十三』

『二十三』
R6.7.5
青芝や二十三人目に主審
          亀田荒太
面接の二十三人目が甚平
          樫の木
二十三までは数えたはず目高
          にゃん
一族の二十三人目や麦茶
          日永田陽光
23㎝のバービー123㎝のあっぱっぱ
          駒水一生
冷蔵庫ぶおおん二十三時の蚊
          はぐれ杤餅
二十三時の悪人面の蜘蛛とゐる

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『清水』

『清水』

『清水』
R6.6.21
波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ
          梅鶏
みづにみづ磨かれ清水てふ楽器
          千夏乃ありあり
山清水飲む喉ぼとけ喉ぼとけ
          高尾里甫
肘へ来て肘より落つる清水かな
          二重格子
痺るるほど清水あうらに痛き石
          津島野イリス
しじら織りめきて清水は朝孵る
          鈴白菜実
石清水両

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『まじ』

『まじ』

『まじ』
R6.6.7
磯のものしきり匂はし瀬戸のまじ
          いそこ
真風吹かば釜屋に塩の匂ひ立つ
          近江菫花
まじの夜を釘の頭の迫り出して
          ろまねす子
船着場の台車の錆やまじ強し
          でんでん琴女
まじ吹くや祖父の船なきもやい石
          井上れんげ
まじ止みて千代丸の帆の皺に潮
          木ぼこやしき
山羊

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漢字シリーズ『西』

漢字シリーズ『西』

R6.5.24
大西日誰のものでもない教室
          幸の実
青春や西日が折れる音がした
          めろめろ
友愛やねじれの位置に射す西日
          えむさい
こめかみに西日配達先は留守
          しるこう
へばりつくガムの如くに大西日
          大黒とむとむ
迫害と西日うつくし喫煙所
          もりさわ
ラーメンへ西日五グラム加えけり

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『夏の鴨』

『夏の鴨』

『夏の鴨』
R6.5.10
樹々の気に膨らむ川や夏の鴨
          樫の木
葦原を大きな風よ夏の鴨
          富山の露玉
川と川混ざらぬ水や夏の鴨
          さおきち
樋門へと水吸はれゆく夏の鴨
          吉野川
橋脚の完成間近夏の鴨
          たかみたかみ
橋桁の格子の影や鴨涼し
          穂積天玲
大橋の日がな点滅夏の鴨
       

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『アスパラガス』

『アスパラガス』

R6.4.26
土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ
          城内幸江
アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり
          長谷川水素
みづの選びしアスパラガスといふ形
          穂積天玲
紫の鉤爪がちりアスパラガス
          津島野イリス
人間に尾骨アスパラガスに筋
          眩む凡
白日へ白アスパラガス 痛い
          島田雪灯
鬱屈な太陽おら

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『啄木忌』

『啄木忌』

R6.4.12
鉛筆の削れぬ丈や啄木忌
          もも
小指側芯に汚れて啄木忌
          富山の露玉
ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌
          巴里乃嬬
砂時計の中に砂山啄木忌
          野地垂木
砂は城つくらず豊か啄木忌
          七瀬ゆきこ
砂色の余白のありし啄木忌
          でんでん琴女
借りたまま遺品となりぬ啄木忌
        

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カタカナシリーズ『ラ』

カタカナシリーズ『ラ』

R6.3.29
ラジオ局告ぐる花見の混雑度
          三休
朝粥にラー油数滴花曇り
          国代鶏侍
たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油
          黒子
ラーメンと時給同額春遅し
          木ぼこやしき
春闘勝利ラーメンに何乗せやう
          文六
麦湯一飲みデモクラシーをいざ説かむ
          吉行直人
炎天に咽ぶラッキーストライク
 

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『苗床』

『苗床』

『苗床』
R6.3.15
苗床に篩さらさら土注ぐ
          どいつ薔芭
苗床に素直な土を入れにけり
          那須のお漬物
苗床のよろこび触るる指の腹
          郡山の白圭
湯気のぼる苗床あまき土にほふ
          はぐれ杤餅
苗床の土は甘いと父の言ふ
          紗羅ささら
苗床へ汲み置きの水甘からん
          松田てぃ
苗床へ甘味のやうな

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『獣交む』

『獣交む』

『獣交む』
R6.3.1
獣交む微かに唸る電気柵
          山田はち
獣交む種芋五キロ注文す
          花豆
獣交みてタクシーは来なくて
          北村崇雄
獣交むなんてまあるい雲だらう
          門前の一草
雲の凹凸や獣の交みけり
          音羽凛
獣交む墓仕舞ふ日の日の匂ひ
          南亭骨太
獣交む太陽も死ぬんだって
       

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『早春』

『早春』

『早春』
R6.2.16
さりさりと風早春の耳洗ふ
          常幸龍BCAD
早春や砂は白濁に膨らみて
          雪代雨子
早春の優しき層となる砂礫
          穂積天玲
板チョコのぱきつと尖つてゐる早春
          黒子
早春や彫刻刀のよな朝日
          染井つぐみ
パレットに絵具の丘や春淡し
          眩む凡
ささやくやうね早春の水彩画

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漢字シリーズ『福』

漢字シリーズ『福』

漢字シリーズ『福』
R6.2.2
福引の列やイオンを二分せり
          さとけん
飼犬や福引台を嗅ぎ回る
          駒村タクト
回されている福引の億劫そう
          ツナ好
福引の誰も笑つてないテント
          大黒とむとむ
福引の当り太鼓の照れくさき
          ひよどりじょうご
福引の鐘が鳴りやむまでがながい
          古瀬まさあき

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