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『清水』

『清水』
R6.6.21
波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ
          梅鶏
みづにみづ磨かれ清水てふ楽器
          千夏乃ありあり
山清水飲む喉ぼとけ喉ぼとけ
          高尾里甫
肘へ来て肘より落つる清水かな
          二重格子
痺るるほど清水あうらに痛き石
          津島野イリス
しじら織りめきて清水は朝孵る
          鈴白菜実
石清水両手で持つくらいの石
          なお
走り根に右足預け清水汲む
          菫久
マスターの片膝立てて汲む清水
          かねつき走流
サイフォンのすんと待つ家山清水
          郡山の白圭
それぞれの菜を洗ひける清水かな
          クラウド坂の上
清水汲む木綿豆腐に小さき孔
          澤村DAZZA
逆光の仏塔 清水弛みなく
          浦野紗知
石清水師に健脚の青年期
          杏乃みずな
水年貢の帳簿ありけり寺清水
          北欧小町
河童の眼抉りし村や苔清水
          鹿本てん点
桃の木の崖に婆汲む清水かな
          せいじん
R6.6.28
清水てふ育ち盛りのみづを汲む
          岸来夢
靴紐を解いて七合目の清水
          阿野泰己
擦り傷の脈鎮めゆく清水かな
          北野きのこ
撤退の捻挫を浸す清水かな
          深山むらさき
彼の名のピッケルに清水を捧ぐ
          城ヶ崎文椛
脂ぎるナイフに熱や山清水
          葉村直
清水掬び青空となる直身かな
          有野安津
清水飛び越ゆる蹄の跡深き
          常磐はぜ
真清水へ伸ばす小猿の片手かな
          藤白真語
重たげな猿駆け上がり岩清水
          天弓
真清水の野草を洗ふ貴船かな
          草夕感じ
石鎚山や清水へ運ぶ大薬缶
          伊予素数
屋久島の吐き出す清水けたたまし
          素々なゆな
宝永の火口の窪み清水汲む
          三浦海栗
『天』
濁り水を清水の静かなる果敢
          笑田まき

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