麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしており…

麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしております。 佳句を鑑賞し、一緒に俳筋力を鍛えましょう! ※各作者へ掲載の承認を得ておりません。ご不快に感じられた方は、大変お手数ですがこちらへご連絡ください。直ちに掲載を取り止めさせていただきます。

最近の記事

『納豆造る』

『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて           彼方ひらく 納豆造る木桶の蓋の深縹           駒村タクト 納豆造るぐわと塩浮く桶の縁           澤村DAZZA 寺じゆうに納豆造る塩にほふ           ベス 納豆造る塩水は目に痛い           おこそとの お経より納豆造るのが巧い           けーい

    • 『ハンモック』

      『ハンモック』 R6.7.19 椰子の樹は海へ傾きハンモック           山内彩月 雲図鑑に載つてない雲ハンモック           古賀 ハンモックの下を子の抜け犬の抜け           梅鶏 父さんをこちょこちょの刑ハンモック           植木彩由 ハンモック母を半日棚上げし           西川由野 子らは海賊にハンモックは船に           一久恵 ハンモック答えは自分で探すんだ           おなみちゃん 馬鹿だった日々も星屑ハ

      • 一句一遊23周年記念 『二十三』

        『二十三』 R6.7.5 青芝や二十三人目に主審           亀田荒太 面接の二十三人目が甚平           樫の木 二十三までは数えたはず目高           にゃん 一族の二十三人目や麦茶           日永田陽光 23㎝のバービー123㎝のあっぱっぱ           駒水一生 冷蔵庫ぶおおん二十三時の蚊           はぐれ杤餅 二十三時の悪人面の蜘蛛とゐる           森野みつき おでんたぷたぷ二十三時のベッドタウン     

        • 『清水』

          『清水』 R6.6.21 波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ           梅鶏 みづにみづ磨かれ清水てふ楽器           千夏乃ありあり 山清水飲む喉ぼとけ喉ぼとけ           高尾里甫 肘へ来て肘より落つる清水かな           二重格子 痺るるほど清水あうらに痛き石           津島野イリス しじら織りめきて清水は朝孵る           鈴白菜実 石清水両手で持つくらいの石           なお 走り根に右足預け清水汲む     

        『納豆造る』

          『まじ』

          『まじ』 R6.6.7 磯のものしきり匂はし瀬戸のまじ           いそこ 真風吹かば釜屋に塩の匂ひ立つ           近江菫花 まじの夜を釘の頭の迫り出して           ろまねす子 船着場の台車の錆やまじ強し           でんでん琴女 まじ吹くや祖父の船なきもやい石           井上れんげ まじ止みて千代丸の帆の皺に潮           木ぼこやしき 山羊潰し終へたる島の昼をまじ           アロイジオ 夜をまじコインシャワー

          漢字シリーズ『西』

          R6.5.24 大西日誰のものでもない教室           幸の実 青春や西日が折れる音がした           めろめろ 友愛やねじれの位置に射す西日           えむさい こめかみに西日配達先は留守           しるこう へばりつくガムの如くに大西日           大黒とむとむ 迫害と西日うつくし喫煙所           もりさわ ラーメンへ西日五グラム加えけり           樹海ソース 咳込みしはらあめんのせい大西日         

          漢字シリーズ『西』

          『夏の鴨』

          『夏の鴨』 R6.5.10 樹々の気に膨らむ川や夏の鴨           樫の木 葦原を大きな風よ夏の鴨           富山の露玉 川と川混ざらぬ水や夏の鴨           さおきち 樋門へと水吸はれゆく夏の鴨           吉野川 橋脚の完成間近夏の鴨           たかみたかみ 橋桁の格子の影や鴨涼し           穂積天玲 大橋の日がな点滅夏の鴨           あいむ李景 金なくて憩ふは夏の鴨の川           みかどなな クビ

          『夏の鴨』

          『アスパラガス』

          R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスといふ形           穂積天玲 紫の鉤爪がちりアスパラガス           津島野イリス 人間に尾骨アスパラガスに筋           眩む凡 白日へ白アスパラガス 痛い           島田雪灯 鬱屈な太陽おらんだきじかくし           ぞんぬ 雨の糸枝垂るるオランダ雉隠し    

          『アスパラガス』

          『啄木忌』

          R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           巴里乃嬬 砂時計の中に砂山啄木忌           野地垂木 砂は城つくらず豊か啄木忌           七瀬ゆきこ 砂色の余白のありし啄木忌           でんでん琴女 借りたまま遺品となりぬ啄木忌           北欧小町 砂握る手と花買ふ手啄木忌           西鯖男 ぐしゃぐしゃ

          『啄木忌』

          カタカナシリーズ『ラ』

          R6.3.29 ラジオ局告ぐる花見の混雑度           三休 朝粥にラー油数滴花曇り           国代鶏侍 たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油           黒子 ラーメンと時給同額春遅し           木ぼこやしき 春闘勝利ラーメンに何乗せやう           文六 麦湯一飲みデモクラシーをいざ説かむ           吉行直人 炎天に咽ぶラッキーストライク           ペトロア 迎火へ焚べるラークのつよいやつ           

          カタカナシリーズ『ラ』

          『苗床』

          『苗床』 R6.3.15 苗床に篩さらさら土注ぐ           どいつ薔芭 苗床に素直な土を入れにけり           那須のお漬物 苗床のよろこび触るる指の腹           郡山の白圭 湯気のぼる苗床あまき土にほふ           はぐれ杤餅 苗床の土は甘いと父の言ふ           紗羅ささら 苗床へ汲み置きの水甘からん           松田てぃ 苗床へ甘味のやうな水をやる           岩のじ 清潔な苗床水を甘やかす          

          『獣交む』

          『獣交む』 R6.3.1 獣交む微かに唸る電気柵           山田はち 獣交む種芋五キロ注文す           花豆 獣交みてタクシーは来なくて           北村崇雄 獣交むなんてまあるい雲だらう           門前の一草 雲の凹凸や獣の交みけり           音羽凛 獣交む墓仕舞ふ日の日の匂ひ           南亭骨太 獣交む太陽も死ぬんだって           三隅涙 朱を帯し生ぬるき月獣交む           田村こあら 獣交む咬

          『獣交む』

          『早春』

          『早春』 R6.2.16 さりさりと風早春の耳洗ふ           常幸龍BCAD 早春や砂は白濁に膨らみて           雪代雨子 早春の優しき層となる砂礫           穂積天玲 板チョコのぱきつと尖つてゐる早春           黒子 早春や彫刻刀のよな朝日           染井つぐみ パレットに絵具の丘や春淡し           眩む凡 ささやくやうね早春の水彩画           幸田柝の音 早春は色鉛筆の白の香よ           宮井

          漢字シリーズ『福』

          漢字シリーズ『福』 R6.2.2 福引の列やイオンを二分せり           さとけん 飼犬や福引台を嗅ぎ回る           駒村タクト 回されている福引の億劫そう           ツナ好 福引の誰も笑つてないテント           大黒とむとむ 福引の当り太鼓の照れくさき           ひよどりじょうご 福引の鐘が鳴りやむまでがながい           古瀬まさあき 福の神貧乏神や初雀           髙田祥聖 真鍮に豊かな凹み福沸      

          漢字シリーズ『福』

          『いい、つばきの日2024』

          『いい、つばきの日 2024』 R6.1.28 ままごとに椿のならぶ日曜日           暖井むゆき 寒椿柩へ淡きぬいぐるみ           花節湖 萎みゐるサッカーボール紅椿           稲畑とりまる 寒椿ここも地震まで海だつた           Rx 椿落つ自転車のカゴ壊れけり           颯萬 バッテリー上がってひとり寒椿           音羽実朱夏 会いには行けぬよ椿に見られゐて           うからうから 吾にもまたよもだのここ

          『いい、つばきの日2024』

          『寒造』

          『寒造』 R6.1.19 千年を神の清流寒造           ほろよい 神御座す深井戸七基寒造           一港 寒造天神様のみづきよら           一走人 蒸米のひかり均せり寒造           巴里乃嬬 寒造鈴振るやうに麹振る           グッドライト 寒造風痛き夜を山卸し           にゃん 櫂入れのかひなより湯気寒造           深山むらさき 櫂棒の芯は揺るがず寒造           笑笑うさぎ 地響きのごと唄ふ蔵人寒