麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしており…

麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしております。 佳句を鑑賞し、一緒に俳筋力を鍛えましょう! ※各作者へ掲載の承認を得ておりません。ご不快に感じられた方は、大変お手数ですがこちらへご連絡ください。直ちに掲載を取り止めさせていただきます。

最近の記事

『アスパラガス』

R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスといふ形           穂積天玲 紫の鉤爪がちりアスパラガス           津島野イリス 人間に尾骨アスパラガスに筋           眩む凡 白日へ白アスパラガス 痛い           島田雪灯 鬱屈な太陽おらんだきじかくし           ぞんぬ 雨の糸枝垂るるオランダ雉隠し    

    • 『啄木忌』

      R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           巴里乃嬬 砂時計の中に砂山啄木忌           野地垂木 砂は城つくらず豊か啄木忌           七瀬ゆきこ 砂色の余白のありし啄木忌           でんでん琴女 借りたまま遺品となりぬ啄木忌           北欧小町 砂握る手と花買ふ手啄木忌           西鯖男 ぐしゃぐしゃ

      • カタカナシリーズ『ラ』

        R6.3.29 ラジオ局告ぐる花見の混雑度           三休 朝粥にラー油数滴花曇り           国代鶏侍 たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油           黒子 ラーメンと時給同額春遅し           木ぼこやしき 春闘勝利ラーメンに何乗せやう           文六 麦湯一飲みデモクラシーをいざ説かむ           吉行直人 炎天に咽ぶラッキーストライク           ペトロア 迎火へ焚べるラークのつよいやつ           

        • 『苗床』

          『苗床』 R6.3.15 苗床に篩さらさら土注ぐ           どいつ薔芭 苗床に素直な土を入れにけり           那須のお漬物 苗床のよろこび触るる指の腹           郡山の白圭 湯気のぼる苗床あまき土にほふ           はぐれ杤餅 苗床の土は甘いと父の言ふ           紗羅ささら 苗床へ汲み置きの水甘からん           松田てぃ 苗床へ甘味のやうな水をやる           岩のじ 清潔な苗床水を甘やかす          

        『アスパラガス』

          『獣交む』

          『獣交む』 R6.3.1 獣交む微かに唸る電気柵           山田はち 獣交む種芋五キロ注文す           花豆 獣交みてタクシーは来なくて           北村崇雄 獣交むなんてまあるい雲だらう           門前の一草 雲の凹凸や獣の交みけり           音羽凛 獣交む墓仕舞ふ日の日の匂ひ           南亭骨太 獣交む太陽も死ぬんだって           三隅涙 朱を帯し生ぬるき月獣交む           田村こあら 獣交む咬

          『獣交む』

          『早春』

          『早春』 R6.2.16 さりさりと風早春の耳洗ふ           常幸龍BCAD 早春や砂は白濁に膨らみて           雪代雨子 早春の優しき層となる砂礫           穂積天玲 板チョコのぱきつと尖つてゐる早春           黒子 早春や彫刻刀のよな朝日           染井つぐみ パレットに絵具の丘や春淡し           眩む凡 ささやくやうね早春の水彩画           幸田柝の音 早春は色鉛筆の白の香よ           宮井

          漢字シリーズ『福』

          漢字シリーズ『福』 R6.2.2 福引の列やイオンを二分せり           さとけん 飼犬や福引台を嗅ぎ回る           駒村タクト 回されている福引の億劫そう           ツナ好 福引の誰も笑つてないテント           大黒とむとむ 福引の当り太鼓の照れくさき           ひよどりじょうご 福引の鐘が鳴りやむまでがながい           古瀬まさあき 福の神貧乏神や初雀           髙田祥聖 真鍮に豊かな凹み福沸      

          漢字シリーズ『福』

          『いい、つばきの日2024』

          『いい、つばきの日 2024』 R6.1.28 ままごとに椿のならぶ日曜日           暖井むゆき 寒椿柩へ淡きぬいぐるみ           花節湖 萎みゐるサッカーボール紅椿           稲畑とりまる 寒椿ここも地震まで海だつた           Rx 椿落つ自転車のカゴ壊れけり           颯萬 バッテリー上がってひとり寒椿           音羽実朱夏 会いには行けぬよ椿に見られゐて           うからうから 吾にもまたよもだのここ

          『いい、つばきの日2024』

          『寒造』

          『寒造』 R6.1.19 千年を神の清流寒造           ほろよい 神御座す深井戸七基寒造           一港 寒造天神様のみづきよら           一走人 蒸米のひかり均せり寒造           巴里乃嬬 寒造鈴振るやうに麹振る           グッドライト 寒造風痛き夜を山卸し           にゃん 櫂入れのかひなより湯気寒造           深山むらさき 櫂棒の芯は揺るがず寒造           笑笑うさぎ 地響きのごと唄ふ蔵人寒

          『初山河』

          『初山河』 R6.1.5 まだ黒きまま蹲る初山河           理酔蓮 風門の静かに動く初山河           彩汀 松原は翼となれり初山河           このみ杏仁 連なるを雲は生まずや初山河           穂積天玲 まず酒を天地に風に初山河           池之端モルト あめつちの骨のにほひや初山河           清水縞午 神々に性あるふしぎ初山河           碧西里 初山河家の東に宮と堂           えのころちゃん たたら

          『初山河』

          やのひろみの部屋 ラジオ句会『雑煮』

          やのひろみの部屋 ラジオ句会『雑煮』 R6.1.1 車内にて雑煮の俳句大合戦           さむぎょっぷる お正月たくさん雑煮を食べたいな           味噌ちゃんぽんの子 妻の子へ雑煮のお餅いくついる           東の谷のしんちゃん 餅いくつ雑煮で感じるこの進化           あべっち 雑煮食べお酒を呑んで幸せだ           だいすけ 違和感や嫁いだ先の雑煮餅           紅紫あやめ 雑煮の餅の数えられないほど煮込み        

          やのひろみの部屋 ラジオ句会『雑煮』

          『小晦日』

          『小晦日』 R5.12.22 健気なる家電の声や小晦日          中山月波 知らぬ名の判子小晦日の文箱          ヒマラヤ杉 水盤へ松収まりて小晦日          春海のたり 紙といふ親しき凶器小晦日          二重格子 当番医一覧を貼る小晦日          茂木りん 小つごもり錠剤割れば少し跳ぶ          大黒とむとむ 小晦日の当直薬局は静か          あしだはづき 小晦日じんじん結石破砕室          小野更紗 たまし

          『小晦日』

          カタカナシリーズ『カ』

          カタカナシリーズ『カ』 R5.12.8 秋晴れやカーシャンプーの泡唄ふ           はなぶさあきら 缶カンに鉛筆一つ冬浅し           小物打楽器 教室はカオス教卓のひまわり           きせき カフカ、カンダタ、カルマ、カリギュラ、 カンナまっ赤           一斤染乃 B29過ぎて真つ赤なカンナかな           六星菴 八月を疵つけキツネノカミソリ           冬のおこじょ 綺麗がしごと山王ホテルのカトレア          

          カタカナシリーズ『カ』

          『スモッグ』

          『スモッグ』 R5.11.24 スモッグの街に十年ガツ炒め           トポル スモッグの予報さておき豚屠る           寺尾当卯 ボイラーの熱スモッグの底の底           みづちみわ スモッグの濃度粘つき出して饐ゆ           古瀬まさあき スモッグへうつぷしけふのごみ渫ふ           麦のパパ 吸へば咳く吐くスモッグに錆ぶる肺           凡鑽 スモッグに影を取られてゐはせぬか           なしむらなし 上告棄却従業

          『スモッグ』

          『帰り花』

          『帰り花』 R5.11.10 帰り花弓道場の的の傍           まるかじり 人生のピークは小五帰り花           あみま たばこ屋の先はどんつき帰り花           クロまま 電線の終はりはいづこ帰り花           北野きのこ 結婚にむかない姉妹帰り花           小藤たみよ 返り花ほどには今も妻のこと           卓鐘 帰り花咲いて辞められない家族           丁鼻トゥエルブ ちょっと違う家族の形帰り花         

          『帰り花』

          漢字シリーズ『皿』

          『皿』 R5.10.27 手の皿を立夏のみづの溢れけり           日永田陽光 大皿に餃子溢れて夏来たる           世良日守 金皿は大人のお皿子供の日           春海凌 黄(ファン)さんが小骨吐き出す皿溽暑           樫の木 皿屋敷お菊明日から夏休み           木村弩凡 原爆忌その日も雨の皿うどん           わおち さはやかや小皿と言へど柿右衛門           彩汀 大皿と自由は厄介檸檬切る           

          漢字シリーズ『皿』