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漢字シリーズ『福』

漢字シリーズ『福』
R6.2.2
福引の列やイオンを二分せり
          さとけん
飼犬や福引台を嗅ぎ回る
          駒村タクト
回されている福引の億劫そう
          ツナ好
福引の誰も笑つてないテント
          大黒とむとむ
福引の当り太鼓の照れくさき
          ひよどりじょうご
福引の鐘が鳴りやむまでがながい
          古瀬まさあき
福の神貧乏神や初雀
          髙田祥聖
真鍮に豊かな凹み福沸
          綾竹あんどれ
初場所や福耳ゆれてどよめいて
          中山月波
傀儡師その福耳のなんとまあ
          日永田陽光
なんの罰かと福耳の霜焼は
          原水仙
霜焼が至福と紛ふほど痛い
          二重格子
受験てふ禍福にごはん炊いてやる
          新樹番人
落第の福神漬が赤すぎる
          平良嘉列乙
福豆の二三転がる操舵室
          麦のパパ
R6.2.9
福笑をもつていつてもいいですか
          高橋寅次
祖父の眉外せさうなり福笑
          京番茶さきこ
これが目と渡さるる口福笑
          古賀
猫鳴いてふくらはぎつる福笑
          岬ぷるうと
痛みとはひづむあばらの福わらひ
          夏湖乃
ラーメンの列か福袋の列か
          ギル
社員みな福島弁となるおでん
          朝霧さら
福相が決め手ふわわと桜漬
          野地垂木
冬蜂に祝福として差す日かな
          細川鮪目
福寿草群れて痛くて眩しくて
          岩のじ
福助と冬の金魚を見ておりぬ
          きさらぎ恋衣
令和史に余白の欲しや福寿草
          沼野大統領
初星よ禍福が静かに眠るなら
          無敵なおき
倒福の赤の線なる空二月
          きじしろ
『天』
幸福が蜜柑の汁として溢る
          嶋村らぴ
福豆の光を喰らふ鳩ふくら
          笑笑うさぎ

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